同じ 高さの ラフでも、 芝が 密だと 難しくなる?
ラフ管理
詳しい解説
ラフの難しさは、刈高だけでは説明できません。同じ高さでも、芝の密度や葉・茎の構造が違えば、ボールがどこに止まり、クラブヘッドがどれだけ芝を押し分ける必要があるかが変わります。
USGAは、バミューダグラスのラフについて、横方向に伸びる茎と葉が絡み合ったマット状の層を作り、寒地型芝より低い刈高でもクラブヘッドへ大きな抵抗を与え得ると説明しています。2023年全米オープンの例でも、バミューダグラスは過去の大会で使われた5〜6インチの寒地型ラフほど高くしなくても十分に厳しいため、約3.5〜4インチ程度でも同等の難度を作れるとされました。これは、ラフの難度を高さだけで比べられないことを示す例です。
プレーへの影響は、最終的にはボールが芝の中でどの位置に止まるかにも表れます。Strunkらの2015年の実験では、3種類の芝を0.5〜4.0インチの異なる高さで管理し、ボールが芝の上にどれだけ見えているかを画像で測定しました。ボールの露出が少ない、つまり深く沈んだライほど、7番アイアンのボール初速、ミート効率、キャリーが低下する関係が確認されています。
ただし、『密度が高ければ必ず難しい』とも言い切れません。ゾイシアのように密な芝でも、硬い葉がボールを上に支えて良いライを作る場合があります。研究では芝種・品種によってボールの支え方が異なることも示されています。したがって、単純な茎数や葉数だけで難度を決めるのではなく、ボールの露出率、葉・茎の硬さと絡み方、刈高、水分を一緒に見る必要があります。
コース管理では、ラフの高さだけを記録するより、同じ高さで球がどれくらい沈むか、クラブが抜けにくいか、球探しに時間がかかるかを確認すると実際のプレー性を把握しやすくなります。ラフの『密度』は難度を作る要因の一つですが、芝の構造とボールライを通じて評価するのが適切です。