パット練習では、 毎回 あえて 動きを 少し 変える 方が、 距離だけを ランダムに 変えるより 初めての 距離へ 対応しやすい?
運動学習・差分学習
まず答え
この単一研究では、初めての距離への対応は、距離だけをランダムに変えた練習より、毎回あえて動作へ変化を加えた「差分学習」の方が正確でした。ただし初心者40人・3日間の研究なので、差分学習が常に優れるとは言えません。
詳しい解説
練習で変化を入れる方法には、少なくとも二つの考え方があります。一つは、打つ距離や順番など課題条件をランダムに変える方法です。もう一つは、同じ課題でも姿勢や動き方を毎回少しずつ変え、あえて同じ動作を繰り返さない「差分学習」です。
Mousaviらの2024年研究では、初心者の右打ち女性40人を、①距離をまとめて練習する群、②1.22m・2.44m・3.66mをランダムに練習する群、③2.44mから毎回異なる動作変化を加える差分学習群、④練習しない対照群の4群に無作為に分けました。練習は3日間で、各日120パットでした。
練習終了から72時間後の保持テストでは、ランダム練習群と差分学習群はいずれも、まとめて練習する群と対照群より正確でした。この段階では、ランダム練習と差分学習の間に明確な差はありませんでした。
その後、練習していない4mから12球打つ転移テストを行うと、差分学習群はランダム練習群とまとめて練習する群の両方より正確でした。平均のカップ中心からの誤差は、差分学習33.23cm、ランダム練習45.48cm、まとめて練習50.27cm、対照69.89cmでした。
ただし、ここから「毎回フォームを崩した方が上達する」とは言えません。対象はゴルフ初心者の大学生女性40人で、人工芝上のパッティングを3日間行った単一研究です。差分学習で与えた変化も、足元から頭まで身体各部や感覚条件を系統的に変える特定の方法でした。
実用上は、同じ距離・同じ動作だけを反復する練習に加え、距離を変える練習や、動作・感覚に小さな変化を与える探索を組み合わせる候補があります。どの方法が本人に合うかは、練習中の成績だけでなく、数日後の保持と、未経験の距離へどれだけ対応できるかで判断するのが適切です。