ゴルフ百科事典

農薬使用量が少なければ、ゴルフ場の環境負荷も小さいと言える?

農薬・環境リスク

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まず答え

使用量が少ないことは一つの材料ですが、それだけでは判断できません。環境へのリスクは、農薬ごとの毒性、散布量、散布場所や時期、や水への移動しやすさ、分解の速さ、対象外の生物がどれだけ曝露するかを合わせて評価します。

詳しい解説

農薬の環境負荷は、「年間に何kg使ったか」だけでは比べられません。同じ使用量でも、成分の性質や散布条件が違えば、周辺の水や生物への影響は変わります。

米国EPAの農薬に対する生態リスク評価では、対象外の動植物への毒性だけでなく、農薬が土壌・水・空気の中でどのように分解・移動するか、どの程度の濃度にどれくらいの期間さらされる可能性があるかを組み合わせて評価します。つまり、量は重要ですが、毒性と曝露の両方を見なければリスクは分かりません。

ゴルフ場でも同じです。USGAは、単純な製品量だけではなく、有効成分、使用率、対象生物への毒性などを含めて比較する方法を紹介しています。実例では、同じ病害へ使える2種類の殺菌剤でも、推奨量や有効成分濃度、毒性特性が違うため、環境影響の指標には大きな差が出ました。少量で使える製品だから必ず環境負荷が小さい、とは限りません。

散布する場所も重要です。水路や池に近い場所、地下水へ移動しやすい土壌、雨の直前などでは、同じ成分・同じ量でも周辺環境へ移る可能性が変わります。逆に、必要な場所だけを狙う部分散布、発生予測に基づく適期散布、流出しにくい条件での散布などは、不要な曝露を減らす方法になります。

そのため管理では、①本当に防除が必要か、②どの成分が対象に有効か、③必要最小限の範囲と量で済むか、④水や対象外生物へ移りにくい条件か、⑤散布後の結果を記録して次回の不要な散布を減らせるか、を合わせて判断します。これはIPM(総合的病害虫・雑草管理)の考え方とも一致します。

したがって、農薬使用量の削減は環境負荷低減の重要な目標の一つですが、「量が少ない=必ず低負荷」とは言えません。量に加えて、成分の毒性、環境中での動き、曝露の可能性まで見て初めて比較できます。