グリーンの カリウム施肥を 増やせば、 乾燥に 強い芝に なる?
施肥・カリウム
まず答え
不足を補うカリウムは重要ですが、多く入れるほど乾燥耐性が上がるとは限りません。暖地型グリーン芝4品種の試験では、窒素に対するカリウム比を1:1から1:4まで増やしても乾燥耐性は改善しませんでした。まず不足の有無を確認し、水分管理や芝種・品種も合わせて考えます。
詳しい解説
カリウムは芝の水分調節や細胞機能に関わる必須養分なので、不足すれば環境ストレスへの耐性が落ちる可能性があります。ただし、そのことと『カリウムを多く入れるほど乾燥に強くなる』ことは同じではありません。
2014年にAgronomy Journalで報告された研究では、USGA仕様の研究グリーンで、TifDwarf・TifEagleのバミューダグラス、SeaDwarfのシーショアパスパラム、PristineFloraのゾイシアグラスを使い、散水量とカリウム量を変えて乾燥耐性を比較しました。カリウムは窒素に対して1:1、1:2、1:3、1:4の比率で施用されています。
その結果、カリウムを窒素より多くした処理でも、試験した品種の乾燥耐性は改善しませんでした。一方、乾燥への反応には芝種・品種差があり、試験条件ではバミューダグラス2品種の乾燥耐性が低く、PristineFloraとSeaDwarfが高い傾向を示しました。つまり、水不足への強さを左右したのはカリウム量だけではありませんでした。
別のクリーピングベントグラス研究でも、砂質根域でカリウム施肥量を広く変えた2年間の試験で、芝の色、品質、ボールロールなどにカリウム追加の有益な効果は確認されませんでした。これはカリウムが不要という意味ではなく、必要量を満たした後の追加施肥が必ず性能向上につながるわけではないということです。
実務では、土壌・葉分析や芝の生育を見て不足している場合にカリウムを補い、乾燥対策は根の深さ、土壌水分、散水方法、芝種・品種、気温や風なども含めて設計します。『ストレス耐性を上げたいから念のため多め』という施肥は、一次研究からは支持されません。