体幹が 柔らかい ほど、 Xファクターは 大きくなる?
身体可動域・Xファクター
まず答え
単純にはなりません。低ハンデ男性15人を調べた研究では、体幹の伸展や側屈の柔軟性はXファクターと中程度に関連しましたが、軸回旋の柔軟性は関連しませんでした。回旋可動域が大きい人ほど、スイングで必ず大きな捻転差を使うわけではありません。
詳しい解説
体幹の柔軟性が高ければ、そのまま骨盤と肩の捻転差も大きくなるように見えますが、少なくとも熟練者では単純な関係ではありません。
Joyceの2017年研究では、低ハンデの男性ゴルファー15人を対象に、体幹の静的な可動域とドライバーショット中のXファクターを測定しました。この研究でいうXファクターは、肩と骨盤の分離角です。体幹の柔軟性は、軸回旋だけでなく、伸展や左右の側屈など複数方向で評価されています。
その結果、体幹の伸展と側屈の柔軟性はXファクターと中程度の相関を示しました。一方、体幹を左右へ回す軸回旋の柔軟性は、Xファクターと有意な相関を示しませんでした。つまり、静的に大きく回れる人が、実際のスイングでもその可動域を使って大きなXファクターを作るとは限りません。
この違いは、静的な可動域と、動作中に実際に使う可動域が別だからです。ゴルフスイングでは、骨盤・胸郭・肩・股関節など複数部位の動きとタイミングが組み合わさります。柔軟性があっても、本人のスイング戦略としてその可動域を使わない場合があります。
ただし、この研究は低ハンデ男性15人の横断研究です。柔軟性を高めてもXファクターが変わらない、と因果まで示したものではありません。また女性、高ハンデ、痛みがある人にも同じとは限りません。
実用上は、Xファクターを増やす目的で回旋ストレッチだけを増やすのではなく、本人の可動域、3D計測上の分離量、クラブヘッド速度、打点、球筋を一緒に見ます。柔軟性は『使える余地』の一つであって、Xファクターの大きさを自動的に決める指標ではありません。