ゴルフ百科事典

遠くの山や海をコース景観に取り込むと、ホールの見え方はどう変わる?

景観・ランドスケープ

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まず答え

遠景が視線の行き先になり、ホールの方向や奥行き、土地らしさを感じやすくなります。設計ではティーやフェアウェイから見える山・海・湖などを意図的に正面や斜め方向へ置き、近景との対比で景観の印象を強めます。

詳しい解説

ゴルフコースの景観は、フェアウェイやバンカーなどホール内部の要素だけで作られるわけではありません。遠くの山、海、湖、街並みなどを視界へ取り込むと、それらが大きな視覚的な基準点になり、プレーヤーはホールの向きや空間の広がりを感じやすくなります。

遠くの山や水面はホールの方向や空間の広がりを感じる基準になります。図は近景・中景・遠景を分ける架空の景観で、TPC Colorado等の実在コースを再現したものではありません。眺望をどう見せるかとともに、安全、戦略、地形との適合や将来の樹木・建物による変化も考えます。奥行きや距離の実測値を示す図ではありません。

American Society of Golf Course Architects(ASGCA)が紹介するTPC Coloradoの設計では、ロッキー山脈や大きな水面への眺望を最大化するようにやホールの向きを組み立てています。つまり遠景は単なる背景ではなく、どちらへ視線を導くか、どの場面で景観を見せるかを決める設計材料として使われます。

近くの芝面や樹木だけが見える場合と比べ、遠景があると手前・中間・遠方という複数の距離層が生まれます。そのためホールの奥行きやスケールを感じやすくなり、その土地固有の山や海が見えることで「この場所でプレーしている」という場所性も強くなります。

一方、眺望が良ければ自動的に良い設計になるわけではありません。遠景を見せるためにホールの安全性や戦略性、地形への適合を犠牲にしてはいけません。また樹木の成長や建物の新設で眺望が変わることもあります。

したがって遠景の取り込みは、景色を飾るというより、視線の方向、空間の奥行き、コース固有の印象をつくるためのランドスケープ設計の一部として考えます。