自動散水設備が 普及する 前、 ゴルフ場は どうやって 芝に 水を 与えていた?
散水・水資源
まず答え
ホースによる手散水や、人が移動・操作するスプリンクラーなどで必要な場所へ水を与え、地域やコースによってはグリーンやティーなど一部だけを散水して、フェアウェイはほとんど散水しない運用もありました。自動化は、こうした人手中心の散水を広い面積で制御しやすくしたものです。
詳しい解説
現在のゴルフ場では、中央制御から多数のスプリンクラーを自動運転できる設備が一般的ですが、昔からコース全体を自動で散水していたわけではありません。
自動化以前の基本は、人が水を運び、必要な場所へ直接かける方法でした。ホースを使った手散水や、人が設置・移動・操作するスプリンクラーが使われ、限られた水と人手をグリーンやティーなど重要な場所へ優先して配分する運用が行われていました。
USGAのゴルフ場水利用の歴史資料には、1931年の「フェアウェイスプリンクラーの設置と利用」、1932年の芝への散水、1969年の「自動散水と転換」などが並んでいます。これは、散水設備が段階的に発達し、手作業や初期のスプリンクラーから自動制御へ移っていったことを示します。
地域によって散水範囲も大きく違いました。ASGCAが紹介するRiddell's Bay Golf and Country Clubの事例では、グリーンにはポップアップ式スプリンクラーが使われる一方、ティーは必要に応じて手散水し、フェアウェイは散水しない運用が記録されています。つまり、設備が一部に入った後も、コース全体が同時に自動化されたとは限りません。
手散水は今でもなくなっていません。USGAは、乾燥した小さな区域だけへ水を与える場合、広い範囲を一度に散水する自動設備より手散水の方が水を絞り込めると説明しています。現代では自動設備を基礎にしつつ、局所的な乾燥へ人が補う形で併用されています。
したがって、自動散水設備が普及する前は「コース全体を同じように水やりする」というより、人が必要区域を見ながら水を届け、散水する場所自体を限定する方法が中心でした。自動化の大きな変化は、広い面積を少ない人手で、時間と場所を細かく制御できるようにしたことです。