ゴルフ百科事典

3Dスイング解析の「関節中心」って、どうやって決めている?

3Dモーションキャプチャ・関節中心

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まず答え

関節中心は、カメラが直接見つける点ではありません。身体表面のマーカー位置や身体寸法、関節を動かしたときの軌跡などから解析モデルが推定します。使う推定法が違うと、その後に計算する関節角なども変わり得ます。

詳しい解説

3Dモーションキャプチャで見えているのは、基本的に身体表面へ付けたマーカーや映像上の特徴点です。股関節の中心のように身体の内部にある関節中心を、カメラが直接撮影しているわけではありません。

関節中心の決め方には複数あります。代表的なのは、骨盤幅や奥行きなどの身体寸法と表面の骨指標から位置を予測する方法です。HarringtonらはMRIで確認した股関節中心と身体寸法を比較し、骨盤寸法を使った予測式を検討しています。もう一つは、関節をいくつかの方向へ動かし、隣り合う身体部位の相対運動から回転中心を求める「機能的」な方法です。SchwartzとRozumalskiは、2つの身体部位の動きを追跡し、観測された回転軸が最もよく交わる位置から有効な関節中心を推定する方法を示しました。

カメラ配置と向きを校正し、各画像内の同じマーカーの位置から3D座標を再構成します。身体やクラブの姿勢、関節中心などは、その座標をモデルへ対応させて求める値です。実際には複数マーカー、遮蔽への対策、ラベル付けなども必要です。

つまり、画面上の関節中心は「見えた点」ではなく、マーカー配置、身体モデル、身体寸法、校正動作、計算法を組み合わせて作る推定値です。実際の研究でも、股関節中心の算出法や利用できる関節運動の範囲によって推定誤差が変わることが報告されています。

そのため3Dスイング解析で骨盤や脚の角度を見るときは、数値だけでなく、どの関節中心モデルを使っているかも重要です。同じ選手でも解析方式が違えば関節中心が少しずれ、その中心を基準に計算する関節角や動きの解釈が変わる可能性があります。別システム同士を比較するときは、関節中心の定義と推定方法が同じかを確認するのが安全です。