3Dスイング解析の 「関節角」と 「角速度」は 何が 違う?
3D動作解析・運動学出力
まず答え
関節角は「身体部位どうしがどのくらい曲がっている・回っているか」、角速度は「どの軸まわりにどれくらい速く回っているか」を表します。同じ角度でも、到達する速さやピークの時刻は違います。3D解析では、角度の変化率と角速度の算出方法も確認します。
詳しい解説
3Dスイング解析では、関節角と角速度は別の情報です。関節角は身体部位どうしの向きや回転量を角度で表し、アドレス、トップ、インパクトなど特定時点の姿勢を比較するのに使います。角速度は、指定した軸まわりの回転の速さを表し、回転が加速・減速する局面やピークの大きさ・時刻を見るのに使います。単一の軸まわりの回転なら角度の時間変化で表せますが、3次元のEuler角をそれぞれ微分した値は、一般に角速度ベクトルの各成分と同じではありません。
たとえば骨盤がトップで同じ角度まで回っている2人でも、ダウンスイングで骨盤を戻す速さやピーク角速度の時刻は同じとは限りません。逆にピーク角速度が高くても、インパクト時の角度が同じになるとは限りません。そのため「何度回ったか」と「どれだけ速く回ったか」は分けて読みます。なお、空間に対する骨盤の向きはセグメント角であり、身体部位どうしの相対的な関節角とは区別します。
ゴルフの3D計測研究でも、骨盤・胸郭などについて角変位とピーク角速度は別々に算出されています。熟練ゴルファーを扱った研究では、角変位だけでなく連続する角速度やピーク角速度を調べ、スイング中の動きの大きさと速さ・タイミングを別の指標として評価しています。
また、角速度を計測した姿勢の時間変化から求める場合は、サンプリング周波数や平滑化処理の影響を受けやすい値です。別の機器や解析ソフトの数値を比べる場合は、座標系、関節角の定義、計測周波数、フィルター処理が同じかを確認します。単純に角速度が高いほど良いスイング、という意味ではありません。