手首の ウェアラブルセンサーは、 ゴルフスイング中の 手首 角度を どう 測る?
ウェアラブル・慣性センサー
まず答え
多くの慣性センサーは、手首角度そのものを直接測っているわけではありません。加速度や角速度などを測り、センサーの向きを推定し、装着位置や事前校正、別センサーとの相対姿勢などを使って手首角度を計算します。表示角度の精度は、センサー数・装着ずれ・校正・計算法で変わります。
詳しい解説
ゴルフ用のウェアラブルでよく使われる慣性計測ユニット(IMU)が直接取得するのは、主に加速度と角速度です。機種によっては地磁気も使います。画面に表示される「手首角度」は、これらの信号からセンサーの3次元姿勢を求め、身体やクラブとの関係を計算して作る値です。
実際のゴルフ研究でも、手首角度を求めるための構成は一つではありません。Chunらの研究では、前腕とクラブに付けた2個のIMUから3次元の向きを取得し、その相対関係を使ってコッキング/アンコッキングに関わる角度を計算しました。つまり、角度はセンサーが一つの数値として直接読み取ったものではなく、複数の姿勢情報から算出した値です。
一方、KimとParkの2024年の研究では、手首に装着した1個のIMUからゴルフスイング中の手首軌道を推定しました。20人の男性ゴルファーで光学式モーションキャプチャと比較し、センサーの向き推定とドリフト補正を加えることで軌道誤差を大きく減らしました。ただし、それでも位置は推定値であり、単一センサーから身体の各関節角を直接測ったわけではありません。
また、グローブに装着した慣性センサーをレーダーと比較した研究では、クラブヘッド速度の推定にばらつきがあり、誤差はクラブ種類などでも変化しました。これは、ウェアラブルの表示値がセンサー信号だけでなく、装着・校正・計算法の影響を受けることを示しています。
そのため手首角度を見るときは、「何度」という表示だけでなく、センサーがどこに何個付いているか、何を直接測って何を計算しているか、毎回同じ位置で校正できているかを確認します。別製品同士の角度をそのまま同じ基準として比較するのは避けた方が安全です。