ゴルフボールの 抗力係数は、 速度や 回転が 変わっても 一定?
空気力学
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詳しい解説
抗力係数は、空気抵抗の大きさを速度・空気密度・投影面積で無次元化して比べるための値です。ゴルフボールでは一つの固定値ではなく、流れの状態とボール表面の条件で変わります。
鳴尾らは実球を最大1万rpm、風速80m/sまで回転させて風洞計測し、実際の飛行条件では抗力・揚力・空力トルクの各係数が回転を表すスピンパラメータに依存することを示しました。一方、その実験範囲ではレイノルズ数への依存は小さい結果でした。
別の実験では、市販13種類のゴルフボールを18〜91m/sで調べ、低速側から高速側へ移る途中の『ドラッグクライシス』付近で抗力係数が大きく低下し、高速側では比較的低い値へ落ち着くことが確認されています。ボールごとの差もあり、ディンプル設計で抗力係数は同じではありません。
つまり『速度が変われば必ず同じ割合で抗力係数も変わる』でも、『ゴルフボールの抗力係数は常に一定』でもありません。速度域がドラッグクライシス付近か、その後の領域か、回転量、ディンプル形状によって変化の出方が異なります。
弾道計算では、1個の固定した抗力係数だけで全飛行を説明すると近似になります。飛行中はボール速度と回転数がともに変わるため、精密に扱うなら、その条件に対応した抗力係数を使います。実測値を比較するときも、別の速度・回転・ボールを同じ抗力係数とみなさないことが重要です。