ゴルフ百科事典

ゴルフ場の芝にとって「良い土」は、水はけが良ければ十分?

土壌・根域

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まず答え

いいえ。水はけは重要ですが、それだけでは足りません。根域には余分な水を逃がす力と、芝が使う水を保持する力、根へ空気を届ける孔隙のバランスが必要です。排水だけを速くしすぎても乾きやすくなるため、保水性・通気性・締まりにくさ・有機物などを合わせて見ます。

詳しい解説

ゴルフ場の芝にとって、水はけの良さは重要です。ただし「速く水が抜けるほど良い土」とは限りません。根は、水だけでなく酸素も必要とするため、根域には水が入る小さな孔隙と、排水後に空気が入る大きな孔隙の両方が必要です。

土粒のすき間(孔隙)には水と空気が入り、根の生育を支えます。図は拡大した模式断面で、固体・水・空気の割合や粒径は実測値ではありません。

USGAは、成熟したパッティンググリーンの性能を維持するうえで、排水と孔隙が特に重要だと説明しています。排水は余分な水を根域から動かし、孔隙構造は水を保持する部分と空気を保持する部分のバランスに関係します。過剰な有機物がたまると孔隙構造が変わり、通気や排水が低下して高温時の芝ストレスにつながることがあります。

一方で、砂主体の根域でも排水性だけを高めればよいわけではありません。USGAがグリーンを診断する際には、粒径分布、浸透速度、孔隙率、pH、水分保持力などを複数の物理・化学項目で確認します。水を保持できなさすぎる根域は乾燥しやすく、散水量や管理負担が増える可能性があります。

そのため「良い土」は一つの性能だけで決めません。余分な水は抜ける、必要な水は残る、根へ空気が届く、過度に締まりにくい、表層に有機物が偏りすぎない、といった条件を組み合わせて判断します。、気候、利用場所によって適切なバランスは変わるため、排水速度だけで土の良し悪しを決めないのが基本です。