都市の ゴルフ場を 緑地と して 残す 価値は、 面積だけで 判断できる?
都市緑地・生態系サービス
まず答え
面積だけでは判断できません。同じ広さでも、樹林・草地・池などの構成、周辺の市街化度、他の緑地とのつながり、雨水を受ける位置、生物多様性、地域が利用できる度合いで価値は変わります。面積は重要ですが、冷却・雨水管理・生息地・景観などの機能を実際に測って評価する必要があります。
詳しい解説
都市のゴルフ場を「何ヘクタールの緑地か」だけで評価すると、残す価値を見誤ることがあります。緑地が地域にもたらす機能は、広さだけでなく、どこにあり、何で構成され、周辺とどうつながっているかで変わるためです。
USGAが支援した複数土地利用の研究では、ゴルフ場は住宅地や工業地と比べて都市の冷却、送粉者の生息環境、雨水や栄養塩の保持などで異なる機能を示しました。特に冷却は、芝と樹木がまとまって連続する大きな緑地であることが影響するとされています。つまり、同じ面積でも細切れの植栽と、まとまった芝・樹林・水辺を持つ土地では働きが同じとは限りません。
生物多様性も総面積だけでは決まりません。USGAは、平均的な18ホールのゴルフ場には自然区域や水域が含まれ、それらが鳥、昆虫、両生類などの生息地になり得ると説明しています。R&Aも、実際のコースで生物調査を行い、どの種がどの環境を利用しているかを記録することを勧めています。芝だけが広いコースと、在来草地・樹林・湿地が連続するコースでは、生態的な価値は同じではありません。
雨水管理では「どこにあるか」が重要です。舗装や建物が多い都市では、雨がすぐ側溝や河川へ流れやすくなります。EPAは、樹木や植生を含む緑の基盤が雨水を吸収・浸透させ、流出量や汚濁負荷を抑えられるとしています。周辺住宅や道路から水を受ける低地のゴルフ場なら、単なる緑地面積以上に地域の排水機能へ関わっている場合があります。
さらに、人の利用価値もあります。散歩や自然観察など非ゴルファーにも開かれているか、景観として地域から見えるか、他の公園や河川緑地をつなぐ位置にあるかでも公共的な価値は変わります。逆に、面積が大きくても環境管理が不適切なら、肥料・水使用などの負荷が便益を相殺する場合もあります。
評価するなら、①総面積、②樹林・草地・池・湿地などの内訳、③周辺の舗装・建物の多さ、④雨水の流入と貯留機能、⑤生物種と生息地、⑥他の緑地との連続性、⑦冷却や景観、⑧地域利用、を分けて確認します。
したがって「広いから残す価値が高い」とも「ゴルフ場だから緑地価値が高い」とも自動的には言えません。面積を土台にしつつ、その土地が実際に提供している機能を測って比較するのが適切です。