ゴルフ百科事典

ラフでフライヤーになる球と飛距離が落ちる球を、打つ前にどう見分ける?

ラフ・ライ判断

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まず答え

完全には見分けきれませんが、まずボールの露出と、インパクトまでにクラブが通る芝の量を見ます。比較的ボールが浮き、フェースとボールの間に薄く芝が入りそうなライは低スピンのフライヤーになる可能性があり、深く沈んで厚い芝を先に切るライはクラブやボールの速度が落ちやすくなります。

詳しい解説

ラフからの1打は、見た目だけで「必ずフライヤー」「必ず飛ばない」と断定することはできません。ただし、打つ前に最初に見るべき情報は、ボールが芝からどの程度露出しているかです。

同じ高さでも芝の密度や葉・茎の構造で、球の支え方とクラブへの抵抗は変わります。高さや密度だけでは難度を決められず、実際のボールライ、芝種、水分も確認します。図は芝種の識別図や、球の位置を予測する図ではありません。

Strunkらは、2人のゴルファーが7番アイアンで異なる芝丈・ボールライから打ったショットを調べました。ボールが芝からどの程度見えているかを画像で数値化したところ、ボールライはキャリー、、スマッシュファクターに有意に関係しました。つまり、同じクラブでも「ボールが芝の中でどう座っているか」は、飛距離を読むための重要な観測項目です。

実戦では、ボールが比較的高く浮き、クラブフェースとボールの間に少量の芝が入りそうでも、ヘッド自体は大きく減速しにくいライでは、スピンが減るタイプのショットを警戒します。反対に、ボールが深く沈み、インパクト前に厚い芝を切らなければならないライでは、クラブヘッド速度やボール初速が落ちる側のリスクを大きく見ます。

この区別が必要なのは、ラフではフェースとボールの接触条件が変わるからです。USGAとR&Aが行った溝規則の研究でも、ラフからのショットで溝形状がスピン性能に影響することが確認され、それが2010年からの溝規則変更の根拠になりました。また、クラブとボールの衝突研究では、接触面の接線方向の力が打ち出しスピンに関係することが示されています。

ただし、打つ前の見た目から最終キャリーを正確に予測する固定式はありません。Strunkらの研究も参加者は2人で、やクラブ、速度が変われば影響量は変わります。フライヤーと距離低下は完全な二択ではなく、「スピン低下」と「速度低下」が同時に起きることもあります。

実用上は、①ボールの露出、②ボール後方からインパクトまでに通る芝の量、③ヘッドが大きく減速しそうか、の順で見ます。長く飛ぶ側と短くなる側の両方があり得るライでは、ピンぴったりの距離を狙わず、グリーン手前と奥の危険度を比べて、外れても大きな失点にならない番手と狙いを選びます。