ゴルフ百科事典

保護対象の生き物がコース内で見つかったら、プレー区域や管理方法は変える必要がある?

生物多様性・保護種

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まず答え

必要になることがあります。ただし、見つけたらコース全体を閉鎖するという意味ではありません。まず種と場所、繁殖・営巣などの状態、法的な保護区分を確認し、影響が出る区域だけ刈込み・散布・伐採・車両・プレー動線を調整します。保護対象なら、自治体や専門家など関係機関へ確認してから管理方法を決めます。

詳しい解説

ゴルフ場で希少種や法的に保護された生き物が見つかった場合は、「今までどおり管理する」か「全面的に立入禁止にする」かの二択ではありません。最初に、その生き物が何という種か、どこにいるか、巣・繁殖地・餌場・移動経路のどれを使っているかを確認し、影響が及ぶ範囲を絞ります。

米国魚類野生生物局(USFWS)は、絶滅危惧種法で指定された動物について、許可なく傷つけたり殺したりするだけでなく、場合によっては重要な行動を妨げる生息地の改変も問題になると説明しています。一方で、法的な扱いは動物・植物、保護区分、土地、許認可の有無などで異なります。したがって、種名が分からない段階で「保護種らしいから大丈夫」「見つかったから全部止める」と自己判断しないことが重要です。

管理方法は、生き物の生活史に合わせて変わることがあります。たとえばUSGAが紹介するオオカバマダラの生息地管理では、ミルクウィード周辺で殺虫剤を避け、刈込み時期を移動・繁殖の時期に合わせ、区域全体を同じ時期に一斉に刈らない方法が示されています。USFWSも、保護植物によっては不適切な時期の草刈りや除草剤が個体群への脅威になる例を示しています。

プレー区域そのものも、必要なら部分的に調整します。巣や巣穴、湿地などへ球を探しに入ることが問題になる場合は、ロープや案内表示で立入りを避ける、カートの経路を変える、ラフや自然区域を広げる、といった対応が考えられます。USGAは、アウト・オブ・プレー区域が保護対象種の生息地として機能する例を紹介しています。重要なのは、必要な生息地を守りつつ、影響のない部分まで不必要に止めないことです。

実務では、①写真や位置情報を記録して種を確認する、②その場所で予定している刈込み・散布・伐採・排水・工事・車両走行を洗い出す、③繁殖期や営巣期など影響しやすい時期を確認する、④必要な緩衝区域や作業変更を専門家・関係機関と決める、⑤スタッフとプレーヤーへ立入ルールを共有する、という順序が安全です。

R&Aも、コース内の生物を調査・記録し、地域の専門家と関係を作ることを勧めています。日頃から生物調査をしておけば、保護対象が見つかったときに「突然の障害」として扱うのではなく、コース管理計画へ組み込みやすくなります。

なお、どの種が法的保護対象か、どんな行為に許可が必要かは国・都道府県・自治体などで異なります。したがって結論は、「見つけたら必ず全面閉鎖」ではなく、「種と利用場所を確認し、必要な範囲の管理とプレーを変え、法的な扱いは所管機関へ確認する」です。