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グリーンの散水は、土壌水分計の数値だけで決めていい?

灌水・土壌水分

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まず答え

数値は重要ですが、それだけでは決めません。体積含水率は散水判断を客観化できますが、適正値は根域材・・季節・測定深さで変わります。複数地点を同じ方法で測り、蒸発散量、天気予報、芝の状態、硬さなどと合わせて判断します。

詳しい解説

水分計は、グリーンの散水を「見た目や触った感覚だけ」で決めないための有力な道具です。多くの機器は根域の体積含水率を割合で示し、同じ場所を継続して測ることで、乾き始めた地点や過湿地点を早く見つけられます。

水分計はプローブ周囲の電気的な性質などから体積含水率を求めます。同じ計器、深さ、手順で複数地点を記録し、天候や葉・根域の状態と合わせて使います。図の形状や六地点の配置は説明例で、必要測定点数や全国共通の適正VWCを指定しません。

ただし、表示された数字に全国共通の正解値があるわけではありません。USGAは、適切な水分範囲は根域の砂・土壌特性、芝種、季節、根の深さ、目標とする硬さやプレー性によって変わるとしています。同じ15%でも、あるグリーンでは十分な水分で、別のグリーンでは乾燥ストレスに近いことがあります。

測定場所も重要です。グリーン内には高い場所と低い場所、日向と日陰、風が当たる場所、交通が集中する場所があり、水分は均一ではありません。USGAは、代表値を得るには複数地点を測る必要があり、研究では少なくとも一定面積ごとに複数回測る方法が示されています。1か所だけの値でグリーン全体を代表させると、乾燥点や過湿点を見落とす可能性があります。

散水量を決める時は、その日の蒸発散量や天気予報も合わせます。USGAの管理事例では、朝の体積含水率と当日の予測蒸発散量を組み合わせ、必要な水量を決めています。雨の予報がある日と、強風・高温で蒸発散が大きい日では、朝に同じ数値でも必要な散水量は変わります。

また、水分計は測っている深さ周辺の状態を数値化するもので、根の健康、病害、塩類、表面硬さまで直接判断する機器ではありません。水分が適正でも根が浅い、排水が悪い、表面有機物が多いなど別の問題があれば、芝やプレー性は悪化します。

実務では、自コースで芝が健全かつ狙った硬さを保てる水分範囲を記録し、その範囲を散水開始の目安として使います。単発の数字より、同じ地点・深さ・手順で蓄積した変化と、天候・芝・プレー面の状態を組み合わせることが重要です。