ゴルフ場で いう 「芝の 水分」は、 土壌水分と 葉面の 濡れを 同じ ものとして 扱っていい?
芝・地面接触条件
まず答え
いいえ。土壌水分は根域や表層の土壌に含まれる水で、体積含水率などで測ります。葉面の濡れは、露・雨・散水などが芝葉や表面に残っている水です。測っている場所と意味が違うため、ショット条件では分けて記録します。
詳しい解説
「芝が濡れている」という一言では、物理的には何が濡れているのかを区別できません。少なくとも、土壌・根域に含まれる水分と、芝葉やキャノピー表面に残る水分は別の測定対象です。
土壌水分は、一定体積の土壌中にどれだけ水が含まれるかを体積含水率(VWC)などで表します。O'Brienらは砂主体のパッティンググリーンで、TDR式水分計を使って表面から1.2cm、2.5cmの浅い層のVWCを推定する方法を検証しました。測定深さを変えると見ている水分状態も変わるため、「土壌水分○%」という数値は、どの深さを測ったかまでセットで扱う必要があります。
一方、葉面の濡れは、露や降雨などによって芝葉やキャノピー表面に水が残っている状態です。短いベントグラスなどを対象にした2001年の研究では、露や降雨によるキャノピーの濡れを分光反射で測定しており、根域のVWCとは別の「表面の濡れ」として扱っています。
さらにBauerらのパッティンググリーン研究では、VWCと表面硬さを別々の指標として測定しています。水分は硬さへ影響する要因ですが、水分値そのものが硬さと同じ指標ではありません。つまり、地面がどれだけ水を含むか、芝葉が実際に濡れているか、表面がどれだけ硬いかは分けて観測する必要があります。
実用上は、「芝水分」という1項目だけで済ませず、①土壌・根域のVWCと測定深さ、②葉面・表面が乾いているか、露・雨・散水で濡れているか、③必要なら表面硬さ、を別々に記録します。そうすれば、同じ『ウェット』でも地面が軟らかい条件なのか、表面だけに水が残っている条件なのかを混同せずに比較できます。