ゴルフで いう 「母趾球圧」って 何?
足圧・セットアップ
まず答え
母趾球圧は、足裏のうち母趾の付け根に近い内側前足部へかかる局所的な足底圧を指す実務的な表現です。左右どちらの足に何%乗っているかという荷重配分や、足圧中心(COP)の位置とは別の情報です。
詳しい解説
「母趾球」は一般に親指の付け根周辺の前足部を指します。ゴルフ解析で「母趾球圧」と言う場合は、その付近の足裏センサーで測る局所的な足底圧を意味するものとして扱うのが安全です。ただし、研究や計測機器によって足裏を分ける領域名や境界は異なるため、ゴルフ共通の単一規格値ではありません。
Navarroらの2022年の研究では、右打ち55人のゴルファーを対象に、薄型インソールセンサーで足底圧を100Hz計測し、足裏をつま先、内側・外側の前足部(中足骨部)、内側・外側の土踏まず、内側・外側のかかとの7領域へ分けました。圧の分布は左右の足やスイング局面で変化し、技能水準による差も確認されています。つまり「左足に何%、右足に何%」という総量だけでは、母趾球周辺を含む足裏のどこへ圧が集まっているかまでは分かりません。
同研究は、足圧中心(COP)が同じ位置でも足裏の圧分布は異なり得るため、COPの位置だけから局所的な圧分布を正確に推定できないと説明しています。母趾球圧とCOPは関連していても同じ指標ではありません。
また、18人の右打ちゴルファーを対象にした別の一次研究では、靴内の足底圧を500Hzで測る一方、天然芝上のフォースプレートで地面反力を1000Hz計測しました。局所的な足底圧と、足全体が地面から受ける力は別々に計測する量です。
したがって実用上は、①左右足の総圧・荷重配分、②母趾球周辺など足裏各部の局所圧、③COPの移動、④フォースプレートで測る地面反力を分けて読みます。「母趾球圧が高いほど良い」と固定せず、同じ機器・同じ領域定義で複数球を比較し、局面、打点、球筋などと合わせて見るのが適切です。