3Dスイング解析の 「左足関節の 回内・回外」って 何?
足部・足関節運動
まず答え
左足の回内・回外は、足部が単純に内側・外側へ倒れるだけでなく、複数の関節が組み合わさって起こる立体的な動きです。右打ちでは左足はリード足ですが、計測器によっては回内・回外ではなく内反・外反など別の成分で表示するため、同じ指標として混同しません。
詳しい解説
「回内・回外」は、足部と足関節複合体の3次元的な運動を表す言葉です。回内は一般に足部の外反・外転・背屈方向の成分を含み、回外はその反対側の内反・内転・底屈方向の成分を含む複合運動として扱われます。したがって、足首が左右へ傾いた角度だけをそのまま回内・回外と呼ぶのは正確ではありません。
Lundbergらは健康な8人の足部に骨マーカーを設置し、X線立体計測で回内・回外時の足関節複合体を3次元解析しました。動きは一つの関節だけで起こるのではなく、距舟関節や距骨下関節など複数の関節に分配されることが示されています。このため、足部の回内・回外を単一軸の角度として読むときは、計測器が何を代表値にしているかの確認が必要です。
ゴルフの3D研究でも、足首・足部は複数平面に分けて計測されます。Hakukawaらの2026年研究では、ゴルファーの疲労前後を比較し、リード脚の足関節について矢状面の背屈・底屈だけでなく、前額面の内反・外反の可動域も評価しました。疲労後にはリード脚の足関節可動域が一部減少し、下肢の使い方がスイング条件によって変わり得ることが示されました。
右打ちで左足を『回内している』『回外している』と評価する場合でも、それを足圧中心が内側・外側へ動いたことと同一視しません。足圧は地面との力の作用位置、回内・回外は足部の運動で、別の量です。また、つま先を外へ向けたアドレス角とも別です。
実用上は、①右打ち・左打ちとリード足の確認、②回内・回外そのものか内反・外反表示か、③どの関節・セグメントを使った角度か、④アドレス・トップ・インパクトなどの時点、⑤同じ計測器・座標系か、をそろえます。回内・回外の量だけを固定の理想値へ合わせず、膝・股関節、足圧、地面反力、打点や球筋と合わせて評価します。