ゴルフの 「左右フリーモーメント比」って 何?
地面反力・フリーモーメント
まず答え
左右フリーモーメント比は、リード足とトレイル足で生じる鉛直軸まわりのねじりモーメントを比較した値です。ただし正負の向きや算出式で意味が変わり、分母がゼロに近いと比が極端になるため、比率だけで左右の使い方や良し悪しは判断できません。
詳しい解説
フリーモーメントは、足裏と地面の接触面で生じる鉛直軸まわりのねじりモーメントです。左右フリーモーメント比は、左右の足を別々のフォースプレートで測り、そのねじり作用を同じ条件で比較するための指標です。
例えば、あるスイング局面でリード足のフリーモーメントをトレイル足のフリーモーメントで割れば左右比を作れます。ただし、研究や解析機器によって「リード÷トレイル」「左右差」「両足合計に対する割合」など表し方が異なります。さらにフリーモーメントには回転方向を示す正負があるため、単純な絶対値の比と符号付きの比では意味が違います。
Hanらの2019年研究では、ハンデ3以下の熟練男性63人を左右2枚のフォースプレートで測定し、各足の地面反力と地面との回転作用を分けて解析しました。クラブヘッド速度と関係する力・モーメント成分はリード足とトレイル足で同一ではなく、左右脚は異なる役割を持つことが示されました。Meisterらの2011年研究でも、フリーモーメントはクラブヘッド速度と関連する力学指標の一つとして計測されています。
したがって、左右フリーモーメント比が1:1に近いほど良いとは言えません。左右の足は同じ役割を同じ向き・同じ大きさで担う必要がなく、スイング局面やクラブによっても変わります。また一方の足のフリーモーメントがゼロ付近になる瞬間は、割り算による比率が非常に大きくなり、実際の力学的差以上に見えることがあります。
実用上は、①どちらを分子にしたか、②正負の向き、③どの時点の値か、④ピーク値か瞬時値か、⑤左右それぞれのN·m値を確認します。左右比は役割差を見る補助指標であり、単独の理想値や技能判定には使いません。