3Dスイング解析の 「右股関節外転・内転」って 何?
関節運動・股関節
まず答え
右股関節の外転・内転は、右大腿骨が骨盤に対して身体の外側・内側へ動く成分です。右打ちでは右脚がトレイル側ですが、骨盤の横移動や側屈とは別の相対運動として3D解析します。角度の大小だけで良し悪しは決めません。
詳しい解説
股関節の外転・内転は、大腿骨と骨盤の相対運動です。一般に、大腿が身体の外側へ離れる方向が外転、内側へ近づく方向が内転です。ゴルフの3D解析では骨盤と大腿にそれぞれ座標系を置き、骨盤自体の回転・傾き・並進とは分けて関節角を求めます。
右打ちでは右脚がトレイル側になります。したがって、映像で右腰や右膝が横へ動いて見えることと、3D計測上の右股関節外転・内転は同じではありません。骨盤そのものが回転・側屈・移動しているため、見た目の横移動だけでは股関節角を決められません。
Takagiらは右打ちの熟練ゴルファー31人を光学式3D動作解析と2枚のフォースプレートで計測し、骨盤の縦軸回転に寄与する力学的要因を調べました。その結果、ダウンスイングでは右のトレイル股関節の伸展トルクと外転トルクが骨盤回転へ寄与し、左のリード股関節では屈曲・内転トルクが主に寄与しました。左右の股関節は鏡像のように同じ役割をしているわけではありません。
また、競技ゴルファー16人を筋電図で調べた研究では、フォワードスイング開始時にトレイル側の股関節伸筋・外転筋とリード側の内転筋が活動し、骨盤回転の開始に関わることが示されました。ただし、筋活動や関節トルクは関節角度そのものではありません。
実際のデータを読むときは、①右打ち・左打ちのどちらか、②右脚がリード側かトレイル側か、③外転・内転の正負をどの座標系で定義したか、④角度・角速度・トルクのどれを表示しているかを確認します。右股関節の外転・内転量だけを単独の理想値にせず、骨盤回旋、股関節の屈曲伸展・内外旋、膝、地面反力、打球結果と同じ局面で合わせて評価します。