ゴルフ百科事典

3Dスイング解析の「信号フィルタリング」って何?

3Dモーションキャプチャ・信号処理

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まず答え

モーションキャプチャの座標や力のデータに混ざる高周波ノイズを抑え、実際の動きの変化を読みやすくする処理です。ただし、強く平滑化しすぎると本来の高速な動きまで消えるため、方法と設定条件を確認する必要があります。

詳しい解説

3Dモーションキャプチャでは、身体やクラブに付けたマーカーの位置を短い間隔で連続取得します。ところが実際のデータには、カメラの追跡誤差、マーカーの揺れ、数値化の細かな誤差など、動作そのものではない高周波成分が混ざります。こうした成分を抑えて、動作として解釈したい変化を残す処理が信号フィルタリングです。

フィルターは細かな変動を減らす一方、処理を強くするとピークやタイミングなど必要な特徴も変えることがあります。ここでは処理の違いを示すため合成信号に移動平均を適用しています。七点という窓幅は推奨設定ではなく、実際は計測周波数、動作、目的、フィルター方式に合わせて選びます。

ゴルフの3D動作研究でも、位置データや力データにローパスフィルタをかけて高周波ノイズを抑える方法が使われています。例えばKimらの上肢動力学研究では、取得データに双方向5次Butterworthローパスフィルタを適用し、カットオフ周波数を10Hzとしました。別のゴルフ動作研究では、各マーカーの周波数成分を確認しながら10〜20Hzの範囲でカットオフ周波数を設定しています。

重要なのは、フィルタが単なる『ノイズ除去ボタン』ではないことです。設定を低くしすぎると、本来ある急速な回転や速度変化のピークまで小さくする可能性があります。逆に高すぎるとノイズが残ります。特に位置データから速度や度を計算すると細かなノイズが強調されやすいため、処理条件は結果へ影響します。

そのため、3D解析の数値を比較するときは、撮影速度だけでなく、どの種類のフィルタを使い、カットオフ周波数を何Hzにしたかも確認します。異なる処理条件のデータを、そのまま同じ尺度として比較しない方が安全です。