ゴルフ百科事典

ゴルフ解析の「胸腰椎分離」って何?

体幹・脊椎の3D解析

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まず答え

胸腰椎分離は、体幹の回旋を一つの角度だけで見ず、胸椎側と腰椎側がそれぞれどれだけ回旋しているかを分けて見る考え方です。標準化された単一指標とは限らないため、測定する椎体や座標系の定義を確認します。

詳しい解説

ゴルフの体幹回旋は、胸郭から骨盤までが一枚の板のように同じ角度で回るわけではありません。「胸腰椎分離」は、体幹の回旋を胸椎側と腰椎側へ分け、それぞれの軸回旋が全体にどう寄与しているかを見る考え方として整理できます。

Prumらはゴルファー3人を対象に、低線量の二方向X線画像と3次元脊椎モデルを使って、胸椎と腰椎の軸回旋を別々に算出しました。この研究では、胸椎回旋をC7とL1の座標系の差、腰椎回旋をL1と骨盤の座標系の差として定義しています。約45度の体幹回旋姿勢で測った結果、2人では胸椎と腰椎の回旋が比較的均等に分かれた一方、1人では腰椎が全体の約3分の2を占め、回旋の配分に個人差がありました。

実際のスイングでも、腰椎とその下の関節は同時に同じ割合で動くわけではありません。Munらがプロ15人のゴルフスイングを3次元計測した研究では、腰椎回旋と股関節回旋には平均0.81の比較的強い連動がありましたが、ダウンスイングの早い段階ではリード側股関節の寄与が大きく、終盤では腰椎の寄与が大きくなるなど、局面で役割が変わりました。

したがって、胸腰椎分離を見る目的は「胸椎を何度、腰椎を何度にする」という理想値を作ることではありません。体幹全体の回旋量が同じでも、胸椎側と腰椎側の配分やが違う可能性を切り分けるための見方です。

なお、胸椎・腰椎の境界や角度計算の方法は研究・機器で異なります。Prumらの研究は3人の静的な回旋姿勢を使った予備研究であり、その数値をスイング中の標準値にはできません。比較するときは、①胸椎と腰椎の境界、②どの座標系を使うか、③静止姿勢か動的スイングか、④同じ計測方式かをそろえます。