ゴルフ百科事典

ゴルフ練習の「学習転移」って何?

運動学習・転移

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まず答え

学習転移は、ある条件で練習して身につけた技能が、距離・クラブ・環境など条件を変えた場面でも役立つことです。同じ条件を時間を空けて再現できるかを見る「保持」とは別で、練習したことを別条件へ持ち出せるかを見ます。

詳しい解説

練習で同じ距離・同じクラブを上手く打てるようになっても、条件が変わったときに同じ技能を使えるとは限りません。運動学習では、練習した技能が新しい条件でも役立つかを「転移」で確認します。ゴルフなら、パットの距離を伸ばす、違う傾斜へ移る、別のクラブを使う、練習環境から実戦環境へ移る、といった変化が転移の例になります。

Palmerらはゴルフ未経験者に150cmのパットを練習させ、翌日に同じ150cmで保持を、180cmで転移を測りました。練習中に達成しやすい成功基準を示された群は、翌日の保持だけでなく距離を伸ばした転移テストでも精度が高くなりました。この設計では、同じ距離で残っているかと、別距離へ使えるかを分けて評価しています。

別のゴルフパッティング実験でも、習得・保持・転移を別段階に分け、練習より長い距離へ変えた転移テストが使われています。つまり、練習中の成績や同条件での保持が良くても、それだけで別条件への転移まで保証されるわけではありません。

転移には『近い転移』と『遠い転移』という考え方があります。たとえば2mのパット練習から2.5mへ移るのは条件が近く、練習マットから傾斜・芝・風のあるコースへ持ち出すほど条件差は大きくなります。ただし、どこからを近い・遠いと呼ぶかにゴルフ共通の固定境界はありません。

実用上は、練習の最後に同じ球を繰り返すだけで終えず、距離・クラブ・狙い・ライなどを一つ変えた初球で確かめます。そこで技能が使えるかを見ると、『練習問題だけ解ける状態』と『条件が変わっても使える状態』を分けやすくなります。