ゴルフ百科事典

3Dスイング解析の「身体重心速度」って何?

3Dスイング解析・身体重心

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まず答え

身体重心速度は、全身の質量中心が時間あたりにどの方向へどれだけ速く移動しているかを表す値です。重心の位置そのものや、フォースプレートの圧力中心()の移動速度とは別で、3D動作データから求める場合は身体モデルと座標系をそろえて比較します。

詳しい解説

身体の質量中心(CoM)は、各身体部位の質量と位置を考慮して全身を一つの点として表したものです。「身体重心速度」は、その点の位置が時間とともにどれだけ変化したか、つまり質量中心の移動速度を表します。前後・左右・上下の各方向に分けて見ることができます。

身体CoMは身体各部の質量と位置から求める点で、その位置の時間変化が速度です。図は一方向の定義を示す架空例です。実際のスイングでは座標軸とモデルをそろえ、方向成分と瞬間の速度を区別して読みます。COPの移動速度とは別です。

位置と速度は別の情報です。たとえば身体重心がほぼ同じ位置に見える局面でも、方向転換の途中なら速度が変化している場合があります。逆に、重心が大きく移動したからといって、その瞬間の速度が最大とは限りません。

Najafiらは、ゴルフスイング中の身体CoM軌跡をウェアラブルセンサーから推定し、Viconによる動作計測と比較しました。これは身体CoMがスイング中に時間変化する軌跡として扱えることを示しています。またKimらはプロ20人でボール位置を左右へ小さく変えたとき、地面反力・身体姿勢とともにwhole-body CoMが変化することを3D計測しました。

注意したいのは、フォースプレートの圧力中心(COP)とは別物だという点です。COPは地面反力の作用位置で、身体CoMは身体各部の質量分布から求める位置です。COPが速く移動しても、身体重心が同じ速さで移動したとは限りません。

実用上は、①どの身体モデルでCoMを求めたか、②座標軸の向き、③前後・左右・上下のどの速度か、④同じクラブとスイング局面かをそろえて比較します。速度が大きいほど良いという単独評価ではなく、CoM位置、地面反力、COP、打球結果と合わせて読みます。