ゴルフ百科事典

新しいゴルフコースのルーティングは、土地のどこを見て最初に決める?

ルーティング・現地調査

あとで読む保存した記事へ →

まず答え

最初に見るのは、1つの名物ホール候補ではなく土地全体です。地形図と現地を照らし合わせ、尾根・谷・高低差、植生、水系や湿地、敷地境界、安全上の制約、クラブハウスやアクセス位置を把握し、その条件の中で自然なホール候補をつないでいきます。

詳しい解説

新設コースのは、「ここに18番を置く」と一点から決めるより、まず土地全体の骨格と制約を把握する作業から始まります。American Society of Golf Course Architects(ASGCA)が紹介する設計家の実務では、最初の手掛かりとして地形図を使い、広い土地の起伏を一度に把握する考え方が示されています。

ルーティングは土地の地形と制約を確認し、ホール候補や施設、次ホールへの接続を組み立てます。図は考える要素を示す架空の概念図で、18ホールの完成計画、湿地の法定境界や安全な離隔距離を示しません。橙色の破線は接続を考えるルート候補で、打球方向や施工すべき経路ではありません。

地形図で見るのは、高い所と低い所だけではありません。尾根、谷、自然な斜面、水の流れ、既存の植生などを見て、できるだけ大きな造成をせずにゴルフの戦略へ使える地形を探します。ASGCAの設計家W. Bruce Matthewsも、土地の地形と植生を「読む」こと、自然地形をルーティングへ生かすことを設計の基礎として説明しています。

同時に、使えない場所や動かしにくい条件も先に確認します。ASGCAは、新規開発では湿地や河川などの境界を把握しないまま現実的な計画を進めることはできないとしています。さらに道路、住宅、敷地境界、クラブハウス位置、安全な打球方向、排水、維持管理費などもルートを制約します。

そのうえで、グリーンやティーに向く場所、自然に戦略が生まれる地形、歩きやすい次ホールへの接続を組み合わせて複数の案を作ります。ASGCAは、良いルーティングが環境への影響、維持管理費、排水、安全性まで含めてマスタープランの中に収まることを重視しています。

つまり最初に決めるべきものは「最初のホール」より「この土地の使える骨格」です。地形と制約を先に読み、その中から強いホール候補を見つけ、18ホール全体が無理なくつながるよう調整していくのが基本です。