ゴルフ百科事典

ミスの原因を頭で理解しても、体がすぐ直らないのはなぜ?

運動学習・明示知と暗黙学習

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まず答え

原因を言葉で理解することと、その修正を安定した動きとして再現することは別の学習過程だからです。頭では正しい修正を分かっていても、運動系が新しい感覚や誤差に適応するには、実際の動作と結果を結び付ける反復が必要です。

詳しい解説

運動学習では、意識して使う「明示的な戦略」と、誤差を受けながら動作そのものが変わる「暗黙的な適応」を分けて考えます。原因を説明されて「次はこう動こう」と理解できるのは主に前者ですが、それだけで毎回同じ動作が自動的に出るとは限りません。

原因を理解した後も、実際の動きと結果を繰り返して確認します。図は実践時の確認の流れで、明示的戦略と暗黙的適応の神経機構や研究の実測結果を再現していません。

研究では、明示的な狙い直しと暗黙的なは同時に働きながら、誤差への反応のしかたや変化の速さが異なることが示されています。意識的な戦略で一時的に結果を合わせられても、無意識側の適応が別に進み、両者が一致しないこともあります。

ゴルフのパッティングを使った研究でも、動きを言葉で細かく管理する学習と、より手続き的に身につける学習では、後から別の認知課題を加えたときの影響が異なりました。つまり「説明できること」と「考えなくても再現できること」は同じではありません。

そのため、ミス原因を理解した後は、修正点を一度に増やすより、1つの変更を実際に試し、・球筋・計測値などの結果を複数球で確認します。改善が繰り返し出るなら、その動きと結果の対応を体側に学習させていきます。1球だけ直った、あるいは頭では納得できた、という段階で定着したとは判断しません。

ただし、ここで使われる研究の多くは実験室の視覚運動課題やパッティング課題です。フルスイングの複雑な動きをそのまま同一視することはできませんが、「明示的な理解と暗黙的な運動学習は別の成分を持つ」という点は、すぐ直らない理由を考える基礎になります。