2011年、iPhone 4がパター計測器になった PINGが15年前に始めた「スマホでフィッティング」
GOLF DNA編集部🌐

3行まとめ
- 2011年のiPINGは、iPhone 4をパターに固定し、5球でストロークタイプ・フェース角・テンポを測る無料アプリだった。
- 30ドルのクレードルとスマホ内蔵センサーで、練習だけでなくパター選びまでつなげた。
- 2026年現在もiPING 2.0は残り、一般向け練習アプリから正規フィッター向けの計測・提案ツールへ姿を変えている。
2011年、まだ「スマホでゴルフを計測する」こと自体が珍しかったころ、PINGはかなり大胆なことをやっていた。
iPhone 4をパターのシャフトに固定し、その中に入っているセンサーでストロークを測る。専用の大型計測器ではない。普段持ち歩くスマートフォンを、そのままパター計測器にしてしまった。
名前は「iPING」。今見ると単純に思えるが、やっていたことは意外に今っぽい。
30ドルのクレードルで、iPhoneが「パター用計測器」になった
2011年6月に紹介されたiPINGは、アプリ自体は無料。iPhone 4または第4世代iPod touchを、30ドルの専用クレードルでパターのシャフト下部に固定して使う仕組みだった。
当時のPING発表では、この2機種を対象にした理由も明快だった。加速度センサーとジャイロの両方を備え、その動きからパターの挙動を記録できたからだ。
測ったのは主に3つ。
ストローク中にフェースがどれだけ回転するかを見る「ストロークタイプ」、インパクト時のフェース角、そしてバックスイングとフォロー側の時間関係を見るテンポだった。
つまり、ボールが入ったか外れたかではなく、**打ち方そのものの再現性**をスマホで数字にしようとしていた。
5球打つと「あなたはこう振る」が出てくる
計測モードでは5球を打つ。
すると、ストロークタイプ、インパクト角、テンポが記録され、その安定度から「Putting Handicap(PHcp)」というアプリ内の指標が計算された。
ここが面白い。
iPINGは単なる練習記録アプリではなかった。PINGはストロークタイプを、ストレート、やや弧を描くタイプ、強く弧を描くタイプのように分類し、それをパター選びへつなげた。
2011年8月の日本向け報道でも、5回のパットを分析して、自分に合うヘッドやネックタイプを探せると紹介されている。日本語版は無料で配信され、専用クレードルは3,480円で発売予定と案内された。
「測る」だけで終わらず、「だから、どのパターが合うか」まで進めたわけだ。
15年前にすでに「計測→分類→道具選び」までつながっていた
今なら、スマホやウェアラブル端末に加速度センサーやジャイロが入っていることは珍しくない。
だが2011年のiPINGで面白いのは、スマホを使ったことそのものより、データの使い道にある。
ストロークを測る。 特徴を分類する。 安定度を見る。 その結果からパターを選ぶ。
現在のゴルフ計測サービスで当たり前になったこの流れを、PINGはかなり早い段階で一般向けスマホに持ち込んでいた。
もちろん、iPINGを使えばスコアが何打縮まる、という独立した効果検証があったわけではない。PHcpも実際のハンディキャップではなく、アプリ内でストロークの一貫性を見るための指標だ。
それでも、感覚で語られがちだったパッティングを、手元の端末で観測できるようにした意味は大きい。
そして2026年、iPINGはまだ生きている
さらに面白いのは、iPINGが「2011年の懐かしいアプリ」で終わっていないことだ。
2026年9月25日時点でも、AppleのApp StoreにはPINGのアプリが掲載され、iPING 2.0としてパター計測機能が案内されている。
ただし役割は変わった。
現在はPINGの正規フィッターや販売店向けの道具とされ、計測項目も、フェースの回転量、インパクト角、テンポに加えて、ライ角とシャフトの傾きまで5項目に増えている。
App Storeの履歴によれば、2019年にはアプリを正規フィッター向けのパターフィッティングツールとして再設計し、20万を超えるパッティングストロークのデータを使う仕組みへ進化した。
2011年は「自分のiPhoneをパターにつけて測る」道具だった。
2026年は、その考え方がフィッティングの現場へ入っている。
15年前に先を走っていたのは、スマホをクラブにつけたことだけではない。
出典:engadget.com / GDOニュース / ALBA Net / apps.apple.com
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- ただし対象は2,000人超の熱心なゴルファーで、日本の一般ゴルファーを直接測った調査ではない。