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ギア/シャフト 調査・執筆

純正ツアーADと市販品、
振り心地と球筋はどう違う?

コブラ純正のツアーADは、先がしっかりしていて、自分で振っていける。それでも原試打ではが出た。市販のVFには左の引っかけを抑えた試打があり、CQには持ちの人が高いドローを打った試打がある。同じツアーADでも、ヘッドの動かし方はずいぶん違う。

今回は2024年DARKSPEED用の「TOUR AD for COBRA」と、市販のVF・CQ。切り返しでどこがしなるか、当たり際にヘッドが走るか、その感触が球にどう表れたかを見ていこう。

各媒体の原試打をもとにした比較。試打者・ヘッド・硬さが異なり、GOLF DNAが同じヘッドでシャフトだけを替えて実打した結果ではない。

純正ツアーADは、先がポンと走るタイプではなかった

「純正だから柔らかい」と思ってコブラのツアーADを振ると、印象が違うかもしれない。みんなのゴルフダイジェストでを打った癸生川喜弘は、同じヘッドの純正SPEEDER NXと比べて、ツアーADの先を硬く感じている。重さとしなりが程よくあり、自分にはこちらが振りやすかったという。コブラ純正2種の原試打 →

ヘッドが勝手に追い越してくれる感触より、自分の振る速さに素直についてくる感触。先の走りに合わせると当たり際が忙しくなる人なら、この純正から試してみたくなる。

その純正Sで、HS45.4m/sの掲載データは打ち出し10.2度、スピン2,649rpm。少し右へ出て左へ曲がり、着弾はセンターから8.7ヤード左だった。先がしっかりしているから、右にしか飛ばないわけではない。球は低めに出て、きちんとつかまっている。

ただし、この純正は45.25インチ、バランスD0.5。同時に打った純正NXは45.75インチ、D3だった。手応えの違いには、シャフトの曲がり方だけでなく、短さやヘッドの感じやすさも入っている。

VFは手元からしなって戻る。6Xでは左を気にせず振れた

市販のVFは中元調子。グラファイトデザインは、手元側で切り返しやすく、先端から中間は強く振ったときにも支える設計としている。純正から替えるなら、先がさらに硬いかだけでなく、切り返した瞬間に手元でしなりを拾えるかが気になる。VFの公式設計 →

GDOで6Xを打ったコウタロウは、先端に強い手応えがあり、叩いても左の引っかけが出なかったと評価した。しなりは感じられ、戻る力もあって、当たり際にはスピード感があったという。本人のHSは約50m/sだ。VFの原試打 →

一方、HS約40m/sのシオさんが打った5Sは、手元から中間の動きが滑らかで、当てるタイミングを合わせやすかった。球はストレートドロー。先はしっかりしていても動きを感じられたという。

同じVFの中に、この2つの感想がある。左が怖いからと6Xの結果だけ見て選ぶと、普段の力加減ではヘッドが戻らず、右に残る可能性もある。5Sで気持ちよくつかまる人が、6Xの左の出にくさまで同時に手に入れるとは限らない。

赤と黒の市販TOUR AD VF。グラファイトデザイン公式製品写真。写真の表記はVF-4 S
市販TOUR AD VF。グラファイトデザイン公式写真はVF-4 S。上の原試打は5Sと6Xで、写真の仕様とは異なる。

CQに替えると、ヘッドを走らせて高くつかまえる方向へ

コブラ純正の先の手応えは好きだけれど、軽く振ると球が低い、右へ抜ける。そんな人には、市販の中でもCQが気になる。メーカーが狙ったのは、当たり際の加速感と、つかまった高い球だ。VFと同じように左を抑えるつもりで選ぶと、話が変わってくる。CQの公式設計 →

クラブフィッターの石井建嗣は、CQ 5Sをに装着して試打。普段はフェードを打つ本人にも、打ち出しが高く、自然にドローする球が出た。先調子系が苦手でも振りづらさは強くなかったと報告している。CQ 5Sの原試打 →

石井は、近い性格のVRに対して、CQはグリップ付近にしなりを感じやすい余地があると分析した。切り返しで全く間が取れず、先だけが動くような感触とは違う。手元で切り返してから、ボールの手前でヘッドが出てくる。その動きでつかまえたい人には、VFとは別の面白さがある。

ただ、走るから柔らかいとは限らない。この5Sは45.5インチ、スリーブ込みのヘッド重量202gで261CPM。石井も、先調子のやさしさだけを期待すると硬く感じかねないと注意している。純正がしならないからCQのSへ、という選び方なら、まず普段の振り方でしなりを使えるかを確かめたい。

金と黒の市販TOUR AD CQ。グラファイトデザイン公式製品写真。表記はCQ-4 S
市販TOUR AD CQ。グラファイトデザイン公式写真はCQ-4 S、石井の原試打は5S。
試打条件と、比べられる範囲

コブラ純正の数字は、DARKSPEED Xに純正Sを装着した誌面掲載データ。VFのGDO記事は5Sと6Xを別の人が打っており、参照本文から試打時のヘッド・ロフト・使用球は特定できない。末尾の「マイクラブ情報」は試打クラブの仕様として扱っていない。

CQは石井によるG440 MAX・5S・45.5インチでの3球の試打。ロフトと使用球は参照本文に記載がない。別試打の数字を差し引いて、交換すれば何ヤード伸びる、何回転減るという数値にはしていない。261CPMも、この組み方と測定条件での値。

「ツアーADのS」だけでは、どの一本か分からない

原試打で取り上げた仕様と、メーカー公表値
モデル硬さ重量トルク調子
TOUR AD for COBRAS60g4.7度中
VF-5S56g4.3度中元
VF-6X67g3.3度中元
CQ-5S56g4.5度先中

純正はコブラ2024年日本版カタログ、市販はグラファイトデザインの単体シャフト公表値。メーカーの装着仕様資料とは重量表記が異なる場合がある。完成クラブの重量差や、硬さの順位を表す表ではない。

今回の純正Sは60g。VFの5SとCQの5Sは、単体の公表値がどちらも56gだ。市販に替えると必ず重くなるわけでもない。重さは近いのに、切り返しや当たり際の感触は違う。そこが、この3本を打ってみたくなるところだ。

「純正」と呼ばれる範囲にも注意したい。メーカーでカスタム注文したVFや、最初から市販CQが付くストックカスタムは、この記事では市販モデル側。クラブ専用に作られたfor COBRAとは分けている。今回のコブラ用の感触を、for PRGRなど別の純正ツアーADへそのまま当てはめることもできない。

こうした専用設計品と市販モデルの違いは、テンセイ、ベンタス、ディアマナ、スピーダーにもある。シャフトに書かれたブランド名だけ同じでも、しなる場所や球のつかまりまで同じとは限らない。

左を消したいのか、もう少しヘッドに走ってほしいのか

純正で普段は狙ったドローが打てるのに、強く振った一球だけ左へ巻く。そこを変えたいなら、VFで切り返しのしなりを感じながら振り抜けるか、試す理由がある。ただ左に行かなくなっただけでは、右への抜けやキャリー不足を見落とす。コースで使う力加減の球まで見たい。

反対に、純正の先が動かず、右へ低く出る球を無理につかまえているなら、CQの走り方が候補になる。手で返さなくても高さとドローが出るか。つかまりが増えたぶん、今度は左へ行きすぎないか。軽く振った球でも、少し飛ばしにいった球でも、同じあたりへ落とせるかを見てみたい。

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