ウェッジシャフトの違いと選び方
58度だけ重く・軟らかくするのはなぜ?
50度では気持ちよく振れるのに、58度の寄せになると手が急ぐ。アイアンと同じ硬さに揃えたはずなのに、短い距離だけ妙に打ちにくい。ウェッジシャフトを見直したくなるのは、そんなときだ。
フルショットが少ない、一番ロフトの寝たウェッジだけを少し重く・軟らかくする。これは試す理由のある組み方だ。ただし、重量を足すこととしなりを増やすことは別。50度、54度、58度に同じ答えを当てはめず、それぞれの仕事から選んでいきたい。
メーカー公式の設計・仕様と、条件が読める原試打をもとに比較。組み合わせ例と試し方はGOLF DNAの提案です。重量は特記のない限りカット前。独自の実測や、全員に共通するスピン順位は示していません。
50度と58度は、同じ仕事をしていない
50度は100ヤード前後を狙うクラブ、58度はグリーン周りから20〜30ヤードを打つクラブ。たとえばそんな使い分けなら、同じシャフトで揃える理由も、分ける理由も見えてくる。50度ではいつものアイアンのリズムで振りたい。58度では、半分以下の振り幅でもヘッドの重さと動きを感じたい。
Titleistのスタッフも、フルショットの多いギャップウェッジはアイアンと同じシャフトを出発点にし、寄せに使うウェッジは違うものを選んでもよいと説明している。ロフトが寝ているから自動的に軟らかくする、という話ではない。そのクラブで何を打つかで決める。
| 使い方 | まず比べたい組み方 | 気になる球と振り心地 |
|---|---|---|
| 50度:フルショットが多い | アイアンと同じモデル・硬さを基準にする | PWから持ち替えても切り返しを変えず、キャリーの間隔を作れるか |
| 54度:フルも寄せも使う | アイアン用と専用品を両方打つ | 大きく振ると吹ける、小さく振ると当てにいく、といった偏りがないか |
| 58度:寄せ・バンカーが中心 | 同重量で軟らかいもの、少し重いものを別々に試す | 20〜30ヤードで急がず下ろせるか。開いても打点と落とし所を揃えられるか |
もちろん、58度をフルショットでもよく使う人は、その球も捨てられない。逆に50度で転がすことが多いなら、寄せたときの振り心地も大事になる。番手名より、普段打っている球の割合を思い出したい。
一番下のウェッジだけ「重く・軟らかく」する理由
小さいアプローチで、切り返しから手が先に出てしまう。ヘッドの重さが分からず、最後だけチョンと合わせてしまう。そういう人が試す価値のある組み方が、寄せ用のウェッジだけを少し重く・軟らかくする方法だ。TaylorMadeも、高ロフトのウェッジに対してこの方向を一般的な候補として挙げている。
重さは振るリズム、軟らかさはしなりの感じ方
重量を足すと、手で急に動かそうとしたときの抵抗が変わる。しなりを増やすと、小さい振り幅でも切り返しでシャフトに重みが掛かる感触を得やすくなる。日本シャフトが専用のMODUS WEDGEをやや軟らかくしているのも、短いアプローチでしなりを感じ、タイミングを取りやすくするためだ。
ただ、重くした結果、振り下ろせず手前に落ちるなら重すぎる。軟らかくして、当たり際にヘッドを待てずすくい上げるなら、その動きは合っていない。「ゆっくり振ったつもりなのに強く入る」「振り幅を増やしても届かない」。そんな球が増えていないかを見たい。重さも軟らかさも、増やすほど寄るわけではない。
X100からSに替えても、必ず重くなるわけではない
ここは混同しやすい。通常DG HTのテーパーではX100が130g、S200が129g。X100からS200へ替えるのは、表示上の硬さを落とす方向であって、シャフト重量を増やす変更ではない。海外Tour IssueならS400は132g、X100は130gなので、こちらは「少し重く、Sフレックスへ」という比較になる。いずれもカット前の数字で、完成したクラブの差は組み方で変わる。
今のウェッジが軽すぎるのか、重さはよくて硬さだけ気になるのか。まず分けて考えると、いきなり20g重くして別物にしてしまうのを避けられる。58度だけ変えるなら、50度・54度はそのまま残し、前後のクラブから持ち替えて打つのもいい。
同じシャフトでも、フルとハーフで結果が変わった
ウェッジなら短いから何を挿しても同じ、とは言い切れない。米国のPlugged In Golfは2020年、5人が6種類のシャフトを、フルショットと部分ショットで各7球ずつ打つ比較を行った。ヘッドはNew Level M-Typeの56度に揃え、長さ・スイングウエイト・グリップを合わせている。
部分ショットでは、5人中4人に、最もスピンの多いシャフトと少ないシャフトで1500rpm以上の差が出た。ただし、ある人で最もスピンが入ったシャフトが、別の人では最も少なかった。さらに、フルショットでよかったものが、部分ショットでも同じ結果になるとは限らなかった。
これは「交換すれば1500回転増える」という数字ではない。試験内の最大差であり、製品別の万能ランキングでもない。各シャフトの重量・硬さやボールなど、記事本文から揃っていると確認できない条件も残る。それでも、寄せ用の58度を選ぶのにフルショットだけで決めてしまうと、肝心の使い方を見落とすことはよく分かる。
DGは定番。でも115、EX、Spinnerは分けて見る
アイアンのDGが気持ちよく振れているなら、ウェッジでも同じものを基準にしたい。切り返しの重みと、当たり際に先が暴れにくい感触を、そのまま寄せにも持ち込めるかを見る。X100が小さい振り幅では張りすぎると感じるなら、S系やウェッジ専用品と打ち比べる。
| モデル | 重量・硬さの例 | 選ぶときの違い |
|---|---|---|
| Dynamic Gold HT | S200 129g/X100 130g | アイアンと同じ感触を基準にする。HTはロゴの仕様変更 |
| Dynamic Gold EX TOUR ISSUE | S200 131g/X100 132g | 重量管理を詰めたい場合。EXだから別の高スピン設計という意味ではない |
| Dynamic Gold 115 | S200 115g | 軽量アイアンとの段差を抑えるウェッジ専用品。中低弾道を狙う |
| TOUR ISSUE ONYX BLACK PCB | S200 129g/X100 130g | ウェッジ専用の黒塗装仕様。色で球筋が変わると考えない |
| Dynamic Gold Tour Issue(海外) | S400 132g/X100 130g | S400とX100を比べるときは地域・仕様も合わせる |
90〜100g台のアイアンから、いきなり130g前後のウェッジへ移ると、その1本だけ持ち替えた感じが強くなることがある。DG115は、この間をつなぐために作られた115gの専用品だ。メーカーも、軽量アイアン→ロフトの立ったウェッジにDG115→SWに通常DG、という組み方を例にしている。
DG115と、アイアン用にも展開されるDG MID115は別のモデルだ。また、EXは重量公差の管理が主な違い。いまのDGの振り心地が好きで、複数のウェッジの重さを揃えたいなら意味があるが、「EXにすればもっと軟らかい」「スピンが増える」とは考えない。
Spinnerは年代と正式名称まで見る
Dynamic Gold Spinnerはスピンを重視した別の選択肢だが、古いDG Spinner、現行の市販品、完成品クラブに標準装着されるSpinner表記をひとまとめにしないほうがいい。現行米国公式ページにも重量表示の不整合があり、名前だけで何g・どの硬さと断定するのは避けたい。購入候補が決まったら、その型番の仕様とカット指示まで照合する。
Project XやMODUSのアイアン用を、ウェッジまで揃える選び方も普通にある。専用品へ替える前に、いまのアイアンと同じシャフトのウェッジで寄せてみる。そこで不満がないなら、無理に別物にする必要はない。
MODUS WEDGEは、TOUR105・115・125の短い版ではない

MODUS WEDGEは105・115・125の3種類だが、実重量は111g・122g・133g。同じ番号のアイアン用TOURと同じシャフト、という意味ではない。専用品は小さい振り幅でのしなりを感じやすく、メーカーは低い打ち出しとスピンのばらつきの少なさを狙っている。
| モデル | 重量 | 振り心地を比べるポイント |
|---|---|---|
| 105 | 111g | 軽さとしなりを使い、手先だけで当てずに振れるか |
| 115 | 122g | 手元で重さを感じ、切り返しを急がずヘッドを運べるか |
| 125 | 133g | クラブ全体の重量を使えるか。重さのために振り幅が縮まらないか |
日本シャフトのFAQでは、TOUR105にはWEDGE105、TOUR120にはWEDGE115、TOUR125・130にはWEDGE125が基本の提案になっている。TOUR105から短い寄せやラフ・バンカーの安定を重視してWEDGE115、TOUR120からWEDGE125という選択も示している。
たとえば50度はTOUR105のまま、58度だけWEDGE105か115を打つ。小さい振り幅でしなりを感じたいなら105、重みを少し増やしてリズムを作りたいなら115を比較する。この2本は重量も違うので、感触がよくなった理由を「軟らかくなったから」だけで片づけない。
反対に、転がしを多く使い、アイアンと同じ感覚で振り幅を変えたい人には、メーカーもアイアン用を勧めている。MODUSを使っているから専用WEDGEが正解、ということではない。
KBSは、球を上げたい人と抑えたい人で選ぶものが変わる
KBSのウェッジ用は、全部が「スピンを増やすための軟らかいシャフト」ではない。HI-REV 2.0と610 WEDGEを見ると、狙っている方向がはっきり違う。
| モデル | 重量・フレックス | 狙う動きと球 |
|---|---|---|
| KBS WEDGE | R110/S120/X130g | TOURの感触を残し、先端をしっかりさせてスピンをコントロール |
| TOUR-V WEDGE | 125g | TOUR-Vの感触に重さを足し、小さいスイングで操作しやすくする |
| 610 WEDGE | R110/R+115/S120/S+125g | 手元と先端の剛性を高め、低いコントロール弾道を狙う |
| HI-REV 2.0 WEDGE | R115/S125/X135g | 先端を動きやすくして有効ロフトを増やし、高い打ち出しとスピンを狙う |
58度で低く出すつもりがふわっと上がる、振り込むと高さが揃わない。そんなときの比較候補が610。しっかりした先端を自分で運ぶ感触が合うかを見る。一方、ヘッドの動きを感じながら高さを出したいならHI-REV 2.0が対照になる。こちらは先端のしなりを使う設計だ。
同じSでも610は120g、HI-REV 2.0は125g。硬さの記号を揃えただけでは、重量まで同じ比較にはならない。また、610のバット径は.610インチで、他の3モデルの.600インチと異なる。同じグリップを挿しても握った太さが変わり得るので、手元の感触も一緒に見たい。

上げる設計・抑える設計は、打ち比べる候補を分けるための手掛かりだ。先ほどの6種類の比較試験にもKBSの4モデルは含まれているが、全員で同じスピン順位にはならなかった。名前にHI-REVと付くから、自分でも必ず一番スピンが入る、とまでは決めない。
RAUNEは、重さを残したまましなり方を選べる
カーボンにしたいけれど、軽すぎるウェッジにはしたくない。そんな人にも選びやすいのがRAUNE WEDGEだ。w85・w100・w115の各モデルにWEDGEとWEDGE+があり、プラスのほうが硬い。w115は両方とも120gなので、ほぼ重量を変えずに、しなりの感じ方を比べられる。
| モデル | WEDGE | WEDGE+ |
|---|---|---|
| w85 | 85g/R相当 | 87g/S相当 |
| w100 | 100g/R相当 | 101g/S相当 |
| w115 | 120g/S相当 | 120g/X相当 |
吉田朋広氏の2026年の試打では、w100のWEDGEは手元に粘りがあり、切り返しを取りやすい感触。WEDGE+ではしなりが抑えられ、先端の動きが少なく、打ち込む球や低い打ち出しの加減をイメージしやすいと報告している。
w115のWEDGEでは、重さを使って下ろしながら、手元が硬すぎずタメを作れる感触。WEDGE+では全体の張りが増え、粘る感触やしなり幅は減るという評価だ。「重いカーボン=板のように硬い」と想像しているなら、この同重量の2本を打つと違いを探しやすい。
これは同氏の試打感想で、全モデルを同条件で数値比較した結果ではない。WEDGEだから高く、WEDGE+だから低くなる、と一列には並べない。20〜30ヤードの切り返しで少し待ちたいのか、手元とヘッドを一緒に動かしたいのかで選びたい。w115の「115」は実重量115gではない点にも注意。
MCIのSOLIDとMILDは、実際に好みが逆転した
フジクラのMCI SOLID/MILDは、同じくらいの重さで、しなり方を選び分けるウェッジ専用モデル。SOLIDは先中調子、MILDは中元調子だ。国内公式では現在、過去モデル欄に載っている。2025年に刷新されたアイアン用のNEW MCIとは分けて考えたい。
| モデル | SOLID | MILD |
|---|---|---|
| MC85 WEDGE | 87g/先中調子 | 88g/中元調子 |
| MC105 WEDGE | 108g/先中調子 | 108g/中元調子 |
| MC125 WEDGE | 124g/先中調子 | 125g/中元調子 |
2016年のGDOの比較では、フォーティーンRM-22に挿したMC125の2タイプで30ヤードを狙っている。ミーやんはMILDでスピンを掛けやすく、ツルさんはSOLIDのほうがヘッドを扱いやすかった。ツルさんはMILDだと切り返しの間が合わず、ダフリやトップが増えたとも話している。
面白いのは、ツルさんがドライバーやアイアンでは中〜元調子を好んでいたこと。ウェッジでは先中のSOLIDが合い、全体がしなるように感じたという。アイアンの好みをそのまま移しても、寄せで同じ答えになるとは限らない。
この試打は旧MC125の話だ。NEW MCIの性能比較にしたり、MILDよりSOLIDが誰でもスピンを増やす証拠にしたりはしない。中古や手持ちのSOLID/MILDを選ぶなら、切り返してからヘッドが下りてくる間が合うか、実際の短い距離で比べたい。
島田、ATTASにも専用品。アイアン用を使う方法もある
| モデル | 重量 | 選択肢としての特徴 |
|---|---|---|
| 島田 K’s-wedge NW110/HW120 | 111g/121g | ともにS相当・中調子。NWから重いHWを比べられる |
| ATTAS SPINWEDGE IP 80/100/125 | 88g/108g/123g | 1FLEX、手元を緩めたカーボン。国内公式で在庫限り |
| DART V TSPX SCORE WEDGE(海外) | 105:104g/120:120g | WEDGEフレックスの専用仕様。日本の取扱い・納期は別途確認 |
島田のNW110とHW120は、カット前が111gと121g。メーカーが別に載せている標準カット後重量は104gと117gだ。他社のカット前重量と、こちらのカット後重量を混ぜて比較しない。どちらもS相当とされるが、同じSという記号だけで他社と同じ硬さには揃わない。
ATTAS SPINWEDGE IPは、手元を緩めた設計のカーボン専用品。アイアンをカーボンにしていて、短い寄せでも手元のしなりを感じたいときの候補になる。ただし、公式で在庫限りとなっているので、新品で何本も揃える前に手配できる重量を確かめたい。
海外ではDART VにもSCORE WEDGEという専用仕様がある。通常のアイアン用DART VのWedge番手とは別に載っており、「ウェッジに挿せる」と「ウェッジ専用」は同じ意味ではない。日本向けにそのまま注文できるとは限らないので、ここでは選択肢の紹介までにしておく。
TRAVIL、MCI、SteelFiberなど、アイアンで使っているカーボンをウェッジまで続ける方法も候補になる。その場合も、使う番手とメーカーのカット指示、装着するヘッドに合うチップ形状を工房で合わせる。専用WEDGEという文字の有無より、いま気に入っている重さと動きをどこまで残したいかから考えたい。
「重い」と「ヘッドが効く」は違う。番手ずらしも別の話
シャフトを重くする/ヘッドを重くする
130gのシャフトに替えたことと、ヘッドに鉛を貼ったことは同じではない。シャフトのどこに重さがあるか、長さ、グリップの重さでも持った感じは変わる。総重量が増えても、ヘッド側の重みが強く感じられるとは限らない。D3やD4というスイングウエイトの数字だけで、2本の振り心地を揃えたつもりにもなりたくない。
重軟を試したいなら「いまの58度より少し重く」だけでなく、「切り返しで重さが分かり、20ヤードで手を急がせずに下ろせる感じが欲しい」と伝えると話が早い。重さがよくて硬さだけ気になるなら、RAUNEの同重量の硬さ違いのような比較から始める方法もある。
8番用を挿す話と、8番アイアンの長さで使う話は違う
番手別シャフトでは、長い番手用を短い番手へ使い、仕上がりの長さは目的のウェッジに合わせる「ソフトステップ」がある。同じモデル・硬さの範囲で、しなりを増やす方向の調整だ。ウェッジを長くする操作ではないし、硬さが何段階も必ず落ちるという共通換算もない。
「8番用を入れればスピンが増える」という作り方だけをまねするのは勧めにくい。元のフレックス、番手設計、チップ長、挿し込み長で仕上がりが変わる。ひとつ上のフレックスを使う方法まで混ざると、単純な軟らかさの比較ではなくなる。今回は特定の番手ずらしを万能な処方にはしない。
テーパー品を軟らかくしたいからと、自己判断で先端を切るのも違う。たとえばDART Vの公式指示は、テーパーは先端カットをせずバット側で調整する。メーカーごとの指示に合わせ、必要な硬さは使う番手やモデルから選ぶ。シャフトだけ替えたつもりで、長さや握りの太さまで大きく変わらないようにしたい。
50・54・58度なら、こんな分け方から試せる
以下は、メーカー資料をもとにした打ち比べの出発点だ。GOLF DNAで全組み合わせを実測した一覧ではない。いまのウェッジがよければ、その1本を必ず比較に残したい。
| いまのアイアン・悩み | 50度/54度の基準 | 58度で比べたい候補 |
|---|---|---|
| TOUR105。58度の短い寄せで手が急ぐ | 50度は同じTOUR105。54度はフルとハーフを両方試す | WEDGE105と115。しなりの感じやすさと、重さを増やす効果を比べる |
| DG X100。58度だけ硬く感じる | フルショット用はX100を残す | S系や専用品。同じDGでもS200にすると重量増とは限らない |
| 軽量カーボン。ウェッジだけ重くて振れない | 同系統のアイアン用、または無理のない中重量帯 | RAUNE w85、MODUS WEDGE105、DG115など。素材も重量も違うので候補を一度に増やしすぎない |
| 120g前後は合うが、58度でしなりが足りない | いまの組み方を基準に残す | RAUNE w115のWEDGEとWEDGE+。ともに120gで動きを比較 |
| 寄せの打ち出しが高すぎる/逆に高さが欲しい | まずロフト・打点・ソールの接触を確認 | 前者はKBS610、後者はHI-REV2.0を対照に。設計意図と自分の球が合うかを見る |
58度だけ替えて寄せやすくなっても、54度へ持ち替えたときに急に軽く感じたり、打つ強さが変わったりするなら、そこまで含めて見直す。1本の気持ちよさと、セットで使ったときの距離感は、どちらも欲しい。
試すのはナイスショット1球より、20〜30ヤードのいつもの寄せ
新しいシャフトを打つと、つい気持ちよくフルショットしたくなる。でも、58度で普段よく打つのが20〜30ヤードなら、まずその距離からでいい。いまのクラブと交互に打ち、少し短く持つ球、フェースを開く球も混ぜる。切り返しで待てるか、最後だけ手を足していないかを確かめる。
次に50〜70ヤードなど、自分が実際に使う中途半端な距離を打つ。同じ振り幅のつもりでキャリーが極端に変わらないか、高く抜けてショートする球や、低く強く入って飛びすぎる球が減るかを見る。数球の最大スピンより、普段の当たりで落とし所をまとめられるほうが役に立つ。
フルで使う50度・54度は、最後にPWからのキャリーの間隔を確認する。打点、打ち出し、スピン、キャリーを一緒に見たい。シャフトを替えて振りやすくなっても、ロフトやソールが使い方と合わず、フェースの上に当たって高く短くなるなら、別の調整が残っている。
ボールは普段使うものに揃え、フェースとボールの汚れ・水分も揃える。仕上げは芝と砂から。マット上でよくても、薄い芝で跳ねる、砂で止まる、といった違いはそこで出る。欲しいのは強く打った1球のスピンではなく、怖がらずに打てるいつもの寄せだ。
よくある疑問
ウェッジはアイアンより必ず重くしたほうがいい?
必須ではない。短い寄せでクラブの重さを使いたいなら候補になるが、すでに重くて振れない人には逆効果になり得る。フルショットの多いGWなら、アイアンと同じシャフトを基準にする方法もある。
58度だけ軟らかくしてもいい?
普段が寄せ・バンカー中心なら試す理由はある。50度・54度との持ち替えも含め、いつもの小さい振り幅で打つ。58度のフルショットも使う人は、その球の高さとキャリーも捨てずに比べたい。
DGのX100からS200にすると重軟になる?
通常DG HTのテーパーではX100が130g、S200が129gなので、重量増にはならない。硬さと重さは別々に見る。海外Tour IssueのS400は132g、X100は130g。地域・型番とカット条件も合わせる。
MODUS WEDGE115は115g?
カット前は122g。WEDGE105は111g、125は133gだ。同じ番号のアイアン用MODUS TOURと同一製品ではない。
先が軟らかいほどスピンは増える?
全員に共通する関係ではない。KBS HI-REV2.0はその方向の設計だが、原比較試験ではスピンの多いモデルが打者によって入れ替わった。打点と当たり方、普段の振り幅まで含めて比べる。
MCI SOLID/MILDとNEW MCIは同じ?
別の製品。SOLID/MILDは国内公式で過去モデル扱いのウェッジ専用品。2025年刷新のNEW MCIはアイアン用で、旧MC125の30ヤード試打を新型の性能として読まない。
RAUNEのWEDGEとWEDGE+の違いは?
プラスのほうが硬い。w85とw100はWEDGEがR相当、プラスがS相当。w115はS相当とX相当で、両方120g。すべてのWEDGEが同じ硬さではない。
工房には何を伝えるといい?
アイアンと各ウェッジのシャフト、完成長、よく使う距離、困るミスを伝える。「58度はフルで振らず30ヤードとバンカーが中心。小さい切り返しで重さを感じたい」のように、欲しい球と使い方が分かると候補を絞りやすい。