ゴルフ業界分析

公表資料調査 · 2026年10月27日公開

ゴルフ場の建設・設計・改修にかかる費用|調査レポート

国内の施設数、運営会社の8期の設備投資、実名工事、設計・施工会社、建築予算、海外の資本投資まで。

GOLF DNA編集部 · 調査 2026年10月27日

日本を主対象に、実績・契約・予算・計画を区別して調査した。米国は比較材料。全国市場額と個別企業の投資は同一視していない。

一次資料企業発表当事者寄稿編集部の計算

01

調査対象と、先に押さえたい結果

対象は日本のゴルフ場の新設、コース設計、造成、既存コースの改修、散水・排水設備、クラブハウス等の建設・大規模改修、災害復旧。比較材料として米国の施設向け資本投資と大学所有コースの修復を調べた。通常の刈込み、施肥、防除と、掘削や設備交換を伴う更新は分けて扱う。

確認できた変化は三つある。国内の施設数は減少している一方、大手運営会社の設備投資は2024年3月期以降に増えている。ただし連結範囲の拡大とホテル建設の影響がある。個別施設では、浄化槽6,500万円、散水設備2,700万円など、プレー中に目立たない設備にもまとまった投資がある。公営施設では建築資材高騰による入札不調と予算増額が記録されている。

日本全体の建設・改修市場額は、今回確認した公表資料からは確定できなかった。運営会社の設備投資、施工会社の売上、個別契約は、同じ仕事を発注側と受注側から数えたり、工事以外を含んだりする。これらを足し合わせて市場規模にしない。各項目の金額を、実績、契約、予算、計画、当事者の説明に分けて示す。

出典 [1][5][7][17]

02

何を建設・改修費として読むか

「設備投資」「改修事業費」「工事請負額」「投資キャッシュフロー」は同じ数字ではない。設備投資には機械やカート、土地、ソフトウェア等が入る場合がある。工事請負額にも、設計や仮設、植栽、電気設備等が含まれるかどうかの差がある。支払った現金の年度と、設備投資を計上する年度が一致するとも限らない。

本調査では、何に支払う金額なのかを先に確かめた。グリーン単独の工事額が出ていない場合は、施設全体の設備投資をグリーン数で割らない。建物の補正予算は最終契約額や精算額と区別する。買収や土地取得は、コースの造成・改修とは別に記録する。

修繕費と資産計上の区別は各社の会計処理にも関わる。今回の資料だけで個々の工事の税務処理を判定することはしていない。会計上の設備投資額が小さい年にも、費用処理した修繕や日常管理はあり得る。設備投資額を、コースを維持する支出の全額とも呼ばない。

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分類は本調査の集計方法。各社の法定会計区分を置き換えるものではない。
数字の種類今回の読み方含めない推定
年度の設備投資その会社・年度・開示範囲の投資全国の工事市場額
工事履歴の契約額掲載された契約の金額工事数量が不明なままの単価
自治体の当初・補正予算その時点の事業計画最終支払・精算額
企業の投資発表発表時点の計画・説明着工・完成・全額支出の確認
企業買収・土地取得所有や資産取得の対価造成工事・グリーン改修費

出典 [25][7][6]

03

国内の施設数は6年で55減少した

日本ゴルフ場経営者協会の2024年版年次表では、都道府県への納税報告から集計するゴルフ場数は2019年度2,227、2020年度2,216、2021年度2,207、2022年度2,196、2023年度2,187、2024年度2,172。2019年度からの差は55、約2.5%の減少となる。長期の同系列のピークは2002年度の2,460である。

この系列には、隣接する都道府県にまたがる施設の重複がある。協会の説明資料は、2025年2月末の2,172から18を除き、実施設数を2,154としている。本稿の推移表とグラフは原表の集計方法をそろえ、2,154は別の観測値として載せる。過去の全年度から一律に18を引いた系列は作らない。

原表注記では、各年度の実際の利用月は3月から翌年2月。暦年でも4月始まりの会計年度でもない。また、施設数の差引は新設数ではない。廃止、休止、集計対象の変化、新設等の内訳を持たないため、「2024年に新設ゼロ」「15施設を解体した」とは読めない。

国内のゴルフ場数は、減少が続く

税統計系列・県境施設の重複を含む

2,227 → 2,172 2019年度 → 2024年度

0場2,300場
20192,227場
20202,216場
20212,207場
20222,196場
20232,187場
20242,172場
2024年度は原表2,172、重複18を除く実施設数は2,154。推移図は原表で統一。実行月は3月~翌年2月。新設数を示す図ではない。出典:NGK年次表・説明資料。

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県境施設の重複を含む税統計系列。2019年の前年差は原表の2018年2,248との比較。
原表の年度ゴルフ場数前年との差
20192,227−21
20202,216−11
20212,207−9
20222,196−11
20232,187−9
20242,172−15

出典 [1][2]

04

営業施設調査と税統計をつなげない

一季出版の月刊『ゴルフマネジメント』2026年6月号の公開目次は、調査記事の見出しとして「全国営業中ゴルフ場数は2093コース、17減」を掲載している。営業中施設を調べる指標として参考になるが、税統計の2,172や重複調整後2,154とは、観測時点と対象の定義が違う。

今回、保存できたのは出版社自身の公開目次であり、記事全文や施設別集計表ではない。そのため、営業中2,093という見出し上の値は補足資料にとどめ、税統計から続く翌年の一点としてグラフには足さない。休止施設やショートコース等の扱いをこちらで推測して差を埋めることもしない。

「営業中施設が減る」と「既存施設への投資が止まる」は別の動きである。施設数は工事需要の背景を示すが、工事の件数・面積・金額を直接測ってはいない。国内需要の金額は、以下の企業開示と個別案件で別に確認する。

出典 [27][1]

05

平和グループの設備投資を8期そろえて読む

平和の決算説明資料のゴルフ事業設備投資は、2019年3月期60.27億円、2020年3月期60.89億円、2021年3月期52.67億円、2022年3月期71.10億円、2023年3月期73.06億円、2024年3月期120.51億円、2025年3月期177.28億円、2026年3月期422.12億円だった。

2019~2024年3月期は2024年3月期決算説明資料の年次表、2022~2026年3月期は2027年3月期第1四半期説明資料の年次表で確認した。重なる2022~2024年の値は一致する。この系列はゴルフ事業全体の設備投資であり、ホテルや機械、無形固定資産等を含む。工事の種類別に分解できない年を、コース改修額として補完していない。

2026年3月期はアコーディア・ゴルフの連結開始で集計範囲が変わる。従来のPGM中心の範囲と、その後のグループ全体を、同じコース群の投資増減として比較しない。年平均成長率で国内建設市場の伸びを示すことも避けた。

大手運営会社が、施設・設備へ投じたお金

平和グループ・ゴルフ事業/単位:億円

0億円450億円
201960.27
202060.89
202152.67
202271.10
202373.06
2024120.51
2025177.28
2026422.12
2027214.00 計画
各年3月期。2026年からアコーディアを連結。ホテル、機械等を含み、コース工事だけの額ではない。点線は2026年8月公表の通期計画。出典:平和決算説明資料。

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実績8期。2026年3月期は連結範囲が変わる。設備投資はコース工事のみではない。
3月期設備投資・億円範囲等
201960.27決算説明資料の事業別設備投資
202060.89決算説明資料の事業別設備投資
202152.67決算説明資料の事業別設備投資
202271.10決算説明資料の事業別設備投資
202373.06決算説明資料の事業別設備投資
2024120.51決算説明資料の事業別設備投資
2025177.28決算説明資料の事業別設備投資
2026422.12アコーディア連結開始

出典 [4][5]

06

最新の通期計画と四半期実績を分ける

2026年8月7日公表の2027年3月期第1四半期説明資料では、ゴルフ事業の通期設備投資計画は214億円。前期実績422.12億円から49.3%減の計画だ。会社はPGMホテルリゾート沖縄の建設工事に関する設備投資がおおむね前期までに完了したこと等を理由としている。

同じ資料の2026年4~6月のゴルフ事業設備投資は72.80億円で、前年同期100.89億円に比べ27.8%減。これは通期実績の更新ではなく、3か月分の進捗である。72.80億円を4倍して着地を予測することや、通期計画214億円を支出済みとして年次グラフへ実績表示することはしない。

大型ホテルの工事が終われば設備投資が減る一方、通常のコース更新が続く可能性はある。今回の事業別合計だけでは、その内訳や工事ごとの進捗は確定できない。従って、計画減をそのまま改修需要の崩壊と解釈する根拠もない。

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通期計画・四半期実績の公表は2026年8月7日。予測への上書きや単純年率換算はしない。
期間・段階ゴルフ事業設備投資比較
2026年3月期・実績422.12億円ホテル建設を含む
2027年3月期・通期計画214.00億円前期比49.3%減の計画
2027年3月期1Q・実績72.80億円前年同期100.89億円

出典 [5][6]

07

同じ会社でも、資料の数字に差がある

平和の決算説明資料では、ゴルフ事業の設備投資は2024年3月期12,051百万円、2025年3月期17,728百万円。有価証券報告書の「設備投資等の概要」に記載される主なゴルフ事業の金額は、それぞれ12,044百万円、17,721百万円となっている。両年とも7百万円の差がある。

2026年3月期は説明資料・有価証券報告書とも42,212百万円で一致する。差がある過年度について、その理由を今回の記述だけから確定することはできなかった。配賦や集計区分の違いなどを推定して説明はしていない。年次比較は説明資料に統一し、有報の値を途中から差し込まない方法を採った。

この差は投資の大勢を変える規模ではないが、元数値を再現するために残した。端数を億円に丸めれば見えなくなる差でも、原表と集計表が違う時は、どちらの系列を使ったか分かるようにしている。

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年次推移は説明資料系列に統一。差の原因は未確定。ページ番号は出典一覧に記載。
3月期説明資料・百万円有報の主な投資・百万円
202412,05112,044
202517,72817,721
202642,21242,212

出典 [4][5][28][29][6]

08

相模原の2025年投資は、浄化槽と散水だけで9,200万円

の2025年12月期有価証券報告書は、設備投資等の総額を245百万円とし、浄化槽更新65百万円、西コース撒水設備改修27百万円を挙げている。この2件の合計は9,200万円で、年度総額の約37.6%に当たる。

そのほかには、コース内売店等の建替、歩経路の改修、乗用カートと管理機械の購入がある。差引1億5,300万円を、残りのコース工事費と呼ぶことはできない。各工事の数量、面積、材質、設計監理費・消費税等の細目は、この概要だけではそろわないため、全国共通の単価に換算していない。

この事例が示すのは、コースの見た目を変える工事と同じ年度に、営業を支える設備の更新も発生することだ。浄化槽や散水設備はプレーヤー向けの改装写真では目立ちにくいが、年度の投資内訳では大きな項目になっている。

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差引額は編集部計算。売店・経路・カート・機械等を含み、工事費だけには分離できない。
2025年12月期の項目金額
設備投資等の総額2億4,500万円
浄化槽更新工事6,500万円
西コース撒水設備改修工事2,700万円
上記2件以外の差引額1億5,300万円

出典 [7]

09

13億円の投資のうち、11億円は土地だった

同社の2023年12月期の設備投資等は1,306百万円。主なものとして、第2駐車場隣接土地購入1,131百万円が記載されている。土地が年度総額の約86.6%を占め、差引は175百万円となる。

概要には西コースAグリーン改修、芝刈機等の購入、売店関連等も含まれる。差引1億7,500万円をグリーン単独の工事額にはできない。また、土地の購入が入った2023年と、浄化槽・散水改修の2025年の年度総額だけを比べて、コース改修が8割減ったと説明することもできない。

「設備投資」「再開発総額」と書かれた金額を、すべて施工会社の売上に置き換えないための重要な事例である。土地取得、所有会社の買収、設備の新設・更新は、資金の使途が違う。元資料で分かるところまでは切り分け、分からない残りに架空の内訳を付けない。

13.06億円のうち、11.31億円が土地取得

相模原ゴルフクラブ・2023年12月期の設備投資等

土地購入 11.31億円第2駐車場隣接地

その他 1.75億円グリーン改修・機械等が混在

年度投資総額をコース改修額にはしない。差引額もグリーン単独の金額ではない。出典:同社2023年12月期有価証券報告書。

出典 [25]

10

同社の将来投資計画は3億4,145万円、自己資金

2025年12月期末時点の重要な設備計画は、ハウス及び周辺設備104,950千円、コース内建物112,500千円、コース内土木工事53,000千円、コース作業用機械45,200千円、その他25,800千円。合計341,450千円、3億4,145万円となる。全項目の資金調達方法は自己資金である。

主な内容は、管理棟、キュービクル、トイレ、シャワー、防球ネット、外周フェンス、スプリンクラー、井戸ポンプ、池土留め、歩経路、芝刈機、散布機、カート、グリーン送風機など。コースの土木工事は計画の一部であり、全額をコース造成額に置き換えることはできない。

この表は期末現在の予定で、完成・支払の確認ではない。項目ごとの着工月や完成月も同じ表には示されていないため、すべてが翌年度に実行されたと断定しない。資金を自己資金と記載する一施設の例から、全国の改修が借入なしで行われるとも一般化しない。

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2025年12月期末の予定。合計3億4,145万円。工事、機械、車両等が混在する。
設備の内容投資予定額資金
ハウス及び周辺設備10,495万円自己資金
コース内建物11,250万円自己資金
コース内土木工事5,300万円自己資金
コース作業用機械4,520万円自己資金
その他2,580万円自己資金

出典 [7]

11

小金井のグリーン改修も、年度総額とは分ける

小金井ゴルフの2025年12月期有価証券報告書は、設備投資総額を116,895千円と記載している。主なものは浴槽濾過機の更新、従業員道路やコース内の舗装、乗用5連リールモア、18番クリーク、1番・4番グリーンの改修等である。

グリーン改修が実際の投資項目に含まれることは確認できる。しかし、総額1億1,689.5万円を2面で割って1面当たりの費用を作ることはできない。設計費、掘削量、床材の交換範囲、芝、周辺造成、排水、仮設等の内訳も、この概要では分からない。

国内の著名コースでも、浴室、道路、機械、コースの水辺、グリーンを同じ年度に更新している。改修需要を考える時には、こうした異なる種類の支出が重なっていることを押さえたい。会社の財務開示は施設全体の投資規模を知る資料として有用だが、個別工事の見積書の代わりにはならない。

出典 [11]

12

災害復旧は、通常の計画改修と別に発生する

村上市の場施設カルテには、2022年度の工事履歴として、防球ネット等災害復旧7,920千円、コース内設備等災害復旧5,884千円、バンカー等災害復旧7,987千円、コース舗装等災害復旧3,109千円が掲載されている。記載された4契約の合計は24,900千円、2,490万円である。

同じ年度の空調設備更新1,958千円は災害復旧の名称ではないため、上の合計に入れていない。また、この4契約だけで施設全体の復旧総額が網羅されるかは確認できず、補助金や保険金を差し引いた実負担ともいえない。バンカー等の数量が不明なため、1個当たりの復旧費に換算することもできない。

老朽設備を予定に沿って直す仕事と、災害後に営業再開へ向けて行う仕事は、発注のきっかけが違う。災害復旧額が増えた年を、そのまま通常改修の単価上昇や施設の高級化の証拠にしない。なお、同カルテの年度別管理運営費は投資的経費を除くため、工事履歴と単純に合算して総費用を作っていない。

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掲載された災害復旧4契約。合計2,490万円。被害数量・面積・施設全体の復旧総額は未確認。
2022年度の掲載工事契約金額
防球ネット等災害復旧792.0万円
コース内設備等災害復旧588.4万円
バンカー等災害復旧798.7万円
コース舗装等災害復旧310.9万円

出典 [8]

13

板倉の建替は、資材高騰と入札不調で約1.56億円増えた

群馬県の2024年度補正予算説明資料は、クラブハウス建設工事について、事業費を当初680,000千円から補正後835,566千円へ増額している。増額155,566千円は1億5,556.6万円、当初比22.9%となる。

県は、工事用資材等の価格高騰の影響で入札不調となったため事業費を再積算し、建築費と電気工事費の不足額を増やすと説明する。完成見込みも当初の2024年度中から2025年度後半へ変更されている。2024年度の資料で示された予算と見通しであり、その後の最終契約額・精算額・実際の完成日を証明するものではない。

同じページには道路パトロール業務の現契約額886,523千円等、別事業の数字も並ぶ。表の列と行を画像で照合し、その金額を板倉の工事費に取り込まないようにした。この事例から確認できるのは、価格変動が予算と工程の両方に影響したこと。全国のクラブハウスが一律22.9%値上がりしたという統計にはならない。

板倉のクラブハウス予算は、22.9%増えた

2024年度補正資料に記載された事業費/単位:億円

0億円9億円
当初6.8000
補正後8.35566

+1億5,556.6万円

資材高騰 → 入札不調 → 再積算・予算増額

当時の予算改定。最終精算額ではない。完成見込みも2024年度中から2025年度後半へ変更。出典:群馬県補正予算説明資料。

出典 [17]

14

2026年度の建物予算は、本体・解体・仮設を分ける

群馬県の2026年度企業局当初予算では、板倉ゴルフ場にクラブハウス解体建替設備撤去工事10,000千円、仮設クラブハウスリース等20,570千円を計上している。にはクラブハウス解体工事30,800千円、長寿命化改修工事191,532千円、工事管理業務委託等1,122千円がある。

これらは同年度予算の個別項目であり、板倉の建替本体の総額が1,000万円という意味ではない。前橋の掲載3項目の算術合計は223,454千円、2億2,345.4万円となるが、これだけで全期間の事業費が網羅されるかは確定できない。補正や年度をまたぐ支出の有無を確認せず、過年度と機械的に合算しない。

企業局予算全体の建設改良費228億円には、電気、水道、工業用水道、団地造成等も入っている。この総額をゴルフ場改修予算にはしない。施設管理事業にも格納庫や賃貸ビルが含まれるため、部門合計の6億円をゴルフだけに割り当てることも避けた。

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当初予算の掲載項目。契約額・最終支払額・工事全期間の総額とは区別する。
施設2026年度の項目予算額
板倉解体建替設備撤去工事1,000万円
板倉仮設クラブハウスリース等2,057万円
前橋クラブハウス解体工事3,080万円
前橋クラブハウス長寿命化改修1億9,153.2万円
前橋工事管理業務委託等112.2万円

出典 [9]

15

建物の改修は、難易度ではなく使いやすさに投資する

埼玉県の2016年決算特別委員会審査記録では、のクラブハウス改築について、2015~2016年度の継続費による工事を説明している。県企業局が所有資産を整備し、貸付料で改修費を回収する仕組みとされる。発注は一般競争入札で、建築以外に空調等の契約もある。

改修理由は、老朽化した浴室やトイレへの改善要望、利用者離れへの懸念。2段ロッカーを1段にし、脱衣室を分け、パウダーコーナーを設け、女性客の増加に対応できる可動式の仕切りを採用したと説明される。これは施工費の相場資料ではなく、誰が整備し、どう回収し、何を改善するかを確認する事例である。

大規模改修を、高級化や競技難度の引上げだけで捉えないことが重要だ。築年数が進んだ施設では、浴室、空調、給排水、トイレ、ロッカー等の更新も営業継続に関わる。同記録から全国の改修理由の割合は算定できないが、利用者の快適性や客層への対応という具体的な投資目的が確認できる。

出典 [19]

16

東洋グリーンは全社売上48.58億円、工事だけの会社ではない

東洋グリーンの2026年会社概要では、全社売上高は2023年12月期41.73億円、2024年12月期44.49億円、2025年12月期48.58億円。2023年から2025年の増加率は約16.4%である。2026年4月1日現在の従業員数は272人、資本金は3,800万円と記載される。

業務は、ゴルフ場や球場等への薬剤・資材販売、病害虫防除、設計・施工・管理・運営、給排水設備、芝草生産、管理機械販売等に広がる。ゴルフ以外のスポーツ施設も対象なので、売上48.58億円をゴルフ場改修の受注額とは呼べない。平和の設備投資と合算すれば、同じ発注の重複計上にもなり得る。

施工の技術説明は、グリーン改修が材料、分析、床構造、排水、造形、芝の育成にまたがることを確認するために使った。全社売上は受託企業の規模を知る数字として別に掲示する。工事部門の利益率やゴルフ工事売上比率は今回の会社概要にはなく、推定しない。

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会社概要の掲載値。工事部門、ゴルフ部門、国内市場規模のいずれとも同義ではない。
12月期東洋グリーン・全社売上範囲
202341.73億円薬剤・資材・工事・管理等
202444.49億円同上
202548.58億円同上

出典 [15][10]

17

蛭川造園土木の実績に見る、部分改修の仕事

蛭川造園土木の公式会社情報は従業員120人、資本金3,000万円を掲載する。事業にはゴルフ場の芝生・樹木の管理、コース改造、新設、土木・造園等が含まれる。今回確認した会社情報に売上高は記載されていないため、工事売上や市場シェアは算定していない。

公式工事実績には、のパッティンググリーン・アプローチグリーン改修(2023年5月掲載欄)、のコース内改修(2025年6月)、湘南シーサイドカントリークラブのグリーン改修(2025年9月)などがある。既存施設の練習用グリーンや一部区域も、専門会社の工事対象となっている。

この一覧は同社の自己公表実績で、全国の施工件数の調査ではない。表見出しは着工年月・完成年月で、行に年・月が一つしかない場合もある。その年月をすべて完成日と決めつけていない。金額や施工数量は非掲載なので、件数を金額換算したり、他社と受注順位を比較したりしない。

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蛭川造園土木の自己公表実績から抽出。契約金額、数量、着工・完成の統一日付は未確認。
実名施設掲載工事掲載年月
三木ゴルフ倶楽部パッティンググリーン・アプローチグリーン改修工事2023年5月
蒲生ゴルフ倶楽部コース内改修工事2025年6月
湘南シーサイドカントリークラブグリーン改修工事2025年9月

出典 [30][13]

18

設計事務所の仕事は、ホール全体から植栽まで続く

FITPLANの公式実績は、設計・監修の関与を実名施設と年で追える。琉球ゴルフ倶楽部では、西9グリーンや西7コース改修・植栽を2023~2024年、東7・9バンカー改修を2026年と掲載する。泉ヶ丘カントリークラブでは2024年の岩湧5ホール改修の設計監修がある。

程ヶ谷カントリー倶楽部は2020~2026年の複数案件。カート道路、ホール、グリーン周辺、ティー、バンカー、植栽、法面、従業員駐車場等が並ぶ。福岡カンツリー倶楽部は2022~2023年のグリーンと複数バンカー、パサージュ琴海は2023年の3番グリーン周辺のデザイン提案・施工監修が掲載される。

設計監修は、必ずしも施工請負を意味しない。実績一覧にある施設の改修総額、契約の元請・下請関係、施工会社との費用配分は今回確認できていない。同じコースで複数の会社が関わり得るため、会社別実績の数を足して全国の改修件数にはしない。

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公式の実績表記を要約。契約額は非掲載。役割・年は案件ごとの表記に従い、一律に完成年とは扱わない。
施設主な掲載内容時期
琉球ゴルフ倶楽部西9グリーン改修、西7コース改修・植栽の設計監修/東7・9バンカー改修前者2023~2024年/後者2026年と掲載
程ヶ谷カントリー倶楽部カート道、ホール、グリーン周辺、ティー、バンカー、植栽等の総合監修・設計監修2020~2026年の複数案件
泉ヶ丘カントリークラブ岩湧5HL改修工事の設計監修2024年
福岡カンツリー倶楽部18グリーン、12・14・16・17HLバンカー改修2022~2023年
パサージュ琴海アイランドゴルフクラブ3HLグリーン周辺イメージアップのデザイン提案・施工監修2023年

出典 [14]

19

誰が発注し、誰が設計し、誰が工事後の芝を育てるか

発注者は、所有者、運営会社、自治体等。投資の優先順位、予算、契約範囲、営業への影響を決める。設計者やコンサルタントは現場を調べ、改修の狙いを仕様や図面にする。施工会社は土工、排水、散水、造形、芝、建築等を担当し、案件によって専門業者が加わる。

シェイパーは地形や起伏を現場で造る専門職。設計者が描いた狙いと、実際の重機作業をつなぐ。グリーンキーパーやコース管理担当は、普段の不具合を把握し、芝の育成や供用後の管理を引き継ぐ。運営担当は休場、予約、会員案内、仮設利用等を調整する。

以下の図は、公表事例と各社の業務説明から整理した一般的な役割で、一つの案件の契約図ではない。設計施工一括の場合も、個別発注の場合もあり得る。同じ会社が複数の役を担う場合もあるため、箱の数がそのまま取引先の数になるわけではない。誰が費用を払うかと、誰が作業するかを分けるための図である。

一つの改修に、いくつもの仕事がつながる

役割の整理。特定案件の元請・下請や契約金額を示す図ではない。

所有者・発注者投資判断・予算・資金・契約

依頼・調整・工事代の支払い

設計者・コンサルタント調査、改修案、仕様、設計監修
施工会社・専門工事会社土工、造成、排水、散水、造園、建築、電気等
シェイパー設計意図を地形や起伏にする造形作業
グリーンキーパー・管理担当現場の不具合把握、育成、供用後の維持
運営会社休場・予約・料金・会員案内の調整

調査・設計 → 施工 → 芝の育成・営業再開 → 維持管理

同じ会社が複数の役を担うこともある。設計監修の実績は施工請負と同義ではない。各社の業務説明と実例から編集部作成。

出典 [10][30][14][12]

20

グリーン工事の中身を、地上と地下に分ける

東洋グリーンの公式施工案内は、新規造成・改修の提案、設計、施工に加え、造形、暗渠排水管の敷設、周囲の芝張りを示す。砂や土壌改良材は分析に基づいて選定・混合を提案し、USGA方式やカリフォルニア大学方式等、複数の床構造を紹介している。

芝だけの更新と、床や地下排水を含めた造り直しでは工事の範囲が違う。表面の起伏を変えると周辺とのつながりも調整する必要があり、砂、芝、運搬、掘削、排水、造形を含む工事は、見える面積だけでは比較できない。図は構成を説明する模式図で、特定工法の寸法や施工手順の規格図ではない。

本調査では、取得できなかった技術文書の寸法を記憶で補っていない。材料の層厚、粒度、透水性能等を施工指示として提示せず、現地調査・設計仕様に属する事項として残した。プレーヤーに必要な理解は、芝の張替と、グリーンの床・排水まで造り直す改修が同じものではない、という点である。

グリーンを直す仕事は、地面の下にもある

構成を説明する模式図。層厚・配合・施工規格は示していない。

芝と表面芝種・転がり・周囲とのつながり
根が育つ床砂や土壌改良材を分析して選ぶ
地下の排水水を逃がす床構造・暗渠排水管
地形と土台設計意図に沿った造成・造形

調査・設計 → 掘削・造形・排水 → 芝の施工 → 育成・管理

必要な仕事は既存設備と改修範囲で変わる。芝の張替だけの場合とは区別する。出典:東洋グリーンの施工案内から編集部作成。

出典 [10]

21

海外の設計者やシェイパーを呼ぶ工事は、一般相場と分ける

ザ・クラシックゴルフ倶楽部の経営者による寄稿は、2023年1月から2年間でアウト・インを順番に改修した経緯を説明している。大会開催を通じた知名度向上と商圏拡大も投資目的として挙げている。競技性の改善が、経営上の集客策と結び付いた当事者の説明である。

同寄稿は国内改修の費用感として、バンカー3~4億円、バンカーとグリーン6~8億円程度という見方を述べる。また、著名設計家や海外の造形チームへの依頼は費用を押し上げるとする。ただし、これは経営者が述べた費用感で、全国標本から算出した平均や、同コースの工事精算額ではない。対象の面積、数、税、仕様等もそろわないため、本調査の標準単価表には採用していない。

個別の大改修の中には、競技会に対応する設計変更や、海外の専門家を招く仕事がある。一方、浄化槽や散水の更新とは目的も契約内容も違う。高額な事例を一つの「ゴルフ場改修の相場」にまとめず、目的と工事範囲を記録する必要がある。

出典 [12]

22

水はけ、散水、バンカーは、一緒に直す判断がある

排水は余分な水を逃がす仕事、散水は必要な水を届ける仕事である。同じ「水回り」でも設備の役割が違う。グリーン周辺の排水、コース内の低い場所、池の土留め、ポンプ、井戸、制御装置など、改修の対象も複数ある。相模原の実績と計画には、それぞれが別の項目として出てくる。

ASGCAの参考表は、バンカー砂と排水管の年数を分け、砂を交換するために機械が入った時に排水管も更新する場合があると注記する。工事をまとめることで重複作業を減らせる可能性がある反面、交換対象を広げれば初期負担は増える。どの不具合を直すかを決めずに「全面改修」とだけ言っても、費用比較はできない。

日常の排水改善作業と、埋設管の交換や広い掘削を伴う工事も別である。今回の金額事例は施工範囲が開示される程度に差があり、1メートル当たりの配管費や、1平方メートル当たりのバンカー改修費には換算していない。記事では機能と金額の実例を示し、精度のない単価を作ることを避けた。

出典 [7][16][10]

23

更新年数の目安は、法定耐用年数ではない

ASGCAの公開表は、グリーン15~30年、散水システム10~30年、制御装置10~15年、ポンプ15~20年、バンカー砂5~7年、バンカー排水管5~10年等を挙げる。カート道はアスファルト5~10年、コンクリート15~30年で、より長く使える場合もあるという注記が付く。

同表は、立地、材料、当初施工、過去の管理で寿命が変わると明記する。日本の税法上の償却年数、交換の義務、製品保証、事故を防げる期限とは違う。年齢だけで設備の健全性を判定したり、この年数に達した全コースを改修対象として市場額を掛け算したりしない。

グリーンの更新理由には、層の蓄積、芝種の変更、ゲームや設計上の対応も挙げられる。単なる故障交換だけではない。したがって、更新計画は施設の状態と運営方針を調べた上で作るべきものであり、この表は長期の費用が繰り返し発生することを理解する参考に用いる。

表は横にスクロールできます

ASGCA公開表の抜粋。日本の法定耐用年数・更新義務・保証年数ではない。
対象参考年数注意
グリーン15~30年材料・施工・管理等で変動
バンカー砂5~7年バンカー全体の寿命ではない
散水システム10~30年材料・施工・管理等で変動
散水制御装置10~15年材料・施工・管理等で変動
ポンプ設備15~20年材料・施工・管理等で変動
アスファルトのカート道5~10年より長く使える場合もある
コンクリートのカート道15~30年より長く使える場合もある
ティー15~20年材料・施工・管理等で変動
バンカー排水管5~10年砂の入替と同時に更新する場合がある

出典 [16]

24

工事の完了日と、営業へ戻せる日は違う

造成・改修後には、芝を育てて管理を引き継ぐ段階がある。東洋グリーンの案内も、施工後のグリーン管理への継続的な技術支援を示している。重機が現場を離れれば、すぐ同じ状態でプレーに使えるとは限らない。芝種や季節、現地条件が違うため、全国共通の育成日数はここでは置かない。

営業を続けながらの工事では、どのホールをいつ閉じるか、仮設グリーンをどう使うか、工事車両とプレー動線をどう分けるかが運営上の課題になる。ザ・クラシックの当事者説明はアウト9ホールとイン9ホールを年ごとに改修しており、FITPLANの実績にも同一施設の複数年の仕事が並ぶ。ただし、これだけで各期間の営業方法や売上減の額まで確定はできない。

費用を評価する時には、工事契約、設計、仮設、育成、工事中の収入への影響、供用後の管理を分けて把握する必要がある。以下で述べる営業上の効果は検討項目であり、今回の全施設で効果測定をした結果ではない。工事費だけを比べるより、再開までに何を要するかが分かる整理を目指した。

出典 [10][12][14]

25

建設コストの背景。労務単価は5年で約22.5%上がった

国土交通省が公表した2026年3月適用の公共工事設計労務単価資料では、全国全職種の加重平均額は2022年21,084円、2023年22,227円、2024年23,600円、2025年24,852円、2026年25,834円。2022年から2026年の金額比では約22.5%の上昇となる。

これは公共工事の積算に用いる1日8時間当たりの単価であり、事業主が負担する経費等を含めた工事費全体ではない。ゴルフ工事の請求単価や、労働者の手取り額とも違う。国交省資料にある2026年の4.5%増という値は単純平均の伸び率で、ここに並べた加重平均額同士の比とは計算方法が異なる。

本調査では、この表を建設業全体のコスト環境の参考とした。工事全体には材料、運搬、機械、仮設、設計、管理、利益等も関わるため、22.5%をゴルフ場改修費の上昇率とはしない。古い施工例を現在の価格へ機械的に補正する係数としても使っていない。板倉の予算増額は、それとは別の個別案件の事実として扱う。

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国交省資料の金額系列。公表伸び率4.5%は単純平均によるため、上の金額の比とは別。
適用年全国全職種加重平均・円/8時間
202221,084
202322,227
202423,600
202524,852
202625,834

出典 [18][17]

26

新設は環境手続きの記録まで追う。石垣島の事例

沖縄県の公開ページでは、ユニマットプレシャスによる「(仮称)石垣リゾート&コミュニティ計画」を、石垣市新川・石垣市石垣の127.4ヘクタールを対象とするゴルフ場建設事業として掲載している。ページの更新日は2024年1月11日、手続状況は評価書手続終了である。

記録は2017年の計画段階環境配慮書、2019年の方法書、2020年の準備書、2021年の評価書へ進む。補正評価書の縦覧は2021年10月29日~11月29日。少なくとも、この事業の環境影響評価には複数年の手続きがあることを確認できる。

これは個別案件の環境手続きの記録で、全国共通の開発所要期間を示すものではない。評価書手続の終了だけで、すべての許認可、着工、造成完成、開場が済んだとは言えない。本調査では当該ページから現在の開場や完成を確認できないため、開場済みリストや2026年の施工中案件としては集計していない。

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記載は特定事業の環境影響評価の履歴。完成・開場・他の許認可の確認ではない。
年公式ページで確認した段階
2017計画段階環境配慮書の縦覧・知事意見
2019方法書の縦覧・知事意見
2020準備書の縦覧
2021評価書への知事意見・補正評価書の縦覧

出典 [26]

27

高額なリゾート計画は、コースだけの改修額にしない

Asset Holdingsの2023年1月の発表は、THE RAYSUMを同年5月にTHE CLUB golf villageへ改称するとし、既存の投資に加えて今後3年間で100億円規模の追加投資を計画していた。投資対象にはゴルフコースだけでなく、ヴィラや周辺の森を含む施設づくりがある。

2026年5月のTHE SANCTUARYの発表は、既存18ホールの取得を含む総事業費170億円と、約100億円の包括的改修計画、2029年のグランドオープン目標を示す。宿泊、飲食、スパ等を含む構想である。発表元は当該プロジェクトのギフトホールディングスで、同名に近い別の上場企業の決算を結び付けていない。

両件は当事者が発表した計画・規模で、監査済みの工事原価や支出完了の確認ではない。100億円の全額をコース改修へ配分しない。また、170億円から100億円を引いた70億円を取得価格と推定することも避ける。用途の内訳が完全には開示されていないためである。既存コースを取得・再生する案件は、新設による施設純増とも区別する。

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企業自身による発表。支出完了額・コース単独工事額・現在の最終予算ではない。
発表案件公表額・時点読み取れる範囲
THE CLUB golf village2023年発表:今後3年で100億円規模の追加計画コース・ヴィラ等の複合投資
THE SANCTUARY2026年発表:総事業費170億円、改修等約100億円既存18ホール取得・複合改修、2029年目標

出典 [20][21]

28

米国の資本投資は、2000年の新設中心から既存施設中心へ

AGICが公表した2022年の米国ゴルフ経済調査の概要版は、施設の資本投資について2000、2005、2011、2016、2022年の比較を載せる。2000年は総額7,812百万米ドル(参考換算約1兆2,275億円)のうち、新設5,646百万米ドル(約8,872億円)、既存施設2,166百万米ドル(約3,403億円)。2022年は新設より既存施設向けの投資が大きくなっている。

2022年の既存施設比率は3,509÷3,650で96.1%。同年総額は36.50億米ドル、参考為替で約5,735億円。新設は1.41億米ドル、約222億円、既存は35.09億米ドル、約5,514億円となる。施設を増やす投資から、保有する施設にお金をかける形へ移ってきたことが、この系列から読み取れる。

ただし、既存施設には建物や設備も含む。全額がコース設計変更やグリーン再造成ではない。全年度は米ドルの名目値で、物価上昇の調整はしていない。日本の構成比や金額に移植することもできない。業界全体の経済波及効果を、この直接の資本投資額へ足していない。

米国は、新設から既存施設への投資へ

施設資本投資・単位:億円/同じ参考為替で換算

新設既存施設
012,570億円
2000
新設 8,872 / 既存 3,403
12,275
2005
新設 2,230 / 既存 3,392
5,622
2011
新設 811 / 既存 2,447
3,257
2016
新設 330 / 既存 3,058
3,388
2022
新設 222 / 既存 5,514
5,735

2022年は既存施設が96.1%

米ドル名目額を1米ドル157.13円で換算。当時の円支出・物価調整額ではなく、調査年も不等間隔。2022年総額36.50億米ドル(約5,735億円)。既存には建物・設備も含む。日本の改修比率ではない。端数は独立して丸めた。出典:AGIC調査概要版PDF8ページ、日銀。

表は横にスクロールできます

AGIC調査概要版PDF8ページ。米ドル名目値と、1米ドル157.13円で統一した参考換算。調査年は連続年ではない。
年新設・百万米ドル(参考円額)既存・百万米ドル(参考円額)合計・百万米ドル(参考円額)
20005,646(約8,872億円)2,166(約3,403億円)7,812(約12,275億円)
20051,419(約2,230億円)2,159(約3,392億円)3,578(約5,622億円)
2011516(約811億円)1,557(約2,447億円)2,073(約3,257億円)
2016210(約330億円)1,946(約3,058億円)2,156(約3,388億円)
2022141(約222億円)3,509(約5,514億円)3,650(約5,735億円)

出典 [22][23][24]

29

イェールの修復は3,000万米ドル、約47億円

イェール大学のNew Haven Building Archiveは、Yale Golf Courseが3,000万米ドルの100周年に向けた修復を経て、2026年4月に再開したと記載する。修復を担当した設計者としてGil Hanseを挙げる。1米ドル157.13円の参考為替では47億1,390万円、約47.1億円となる。

大学自身の記述から、完了して再開したプロジェクトの規模を確認できる。一方で、工事の最終精算明細や設計者への報酬額が開示されているわけではない。3,000万米ドルを設計料と呼んだり、18で割って日本の1ホール改修相場にしたりしない。

歴史的なコースの修復と、日本の散水管や浄化槽の更新は工事内容が違う。海外の大きな金額は、国内の全コースが必要とする更新予算の根拠ではなく、既存コースへの大規模投資の一例として位置付けた。米国の集計値とこの個別額を足して新しい市場総額を作ることもしていない。

出典 [31][24]

30

設備投資を回収する方法は、所有形態で違う

相模原の公表計画には自己資金という資金調達方法が出てくる。大麻生の議会記録には、県企業局による改修を貸付料で回収する形がある。運営会社が借りている施設と、自ら所有する施設では、工事費をまず支払う主体と、長く回収する主体が同じとは限らない。

一般に検討する資金の入口には、蓄積した資金、借入、所有者の出資、会員向けの負担、事業の再構成等がある。ただし、今回の全案件でこれらが使われたと確認したわけではない。補助金、会員からの追加徴収、スポンサー資金等の有無や額は、公表のない施設には補っていない。県営施設についても、ゴルフ場利用税がその工事に直接充てられたとは資料にないため記載しない。

投資額とプレー代の関係を見る際は、まず所有者、運営者、発注者、資金提供者を特定する。レストランやホテルを持つ複合案件では、回収源もゴルフのプレー代だけとは限らない。借入条件や契約が不明な段階で「値上げしないと回収できない」と一律に結論付けることは避けた。

出典 [7][19][20][9]

31

投資額を1ラウンドの負担に置き換える単純計算

金額の大きさを理解するため、年間3万ラウンド、回収期間10年、利用数一定という仮定で、投資額を累計30万ラウンドで割った。1億円なら1ラウンド333.33円、5億円なら1,666.67円、10億円なら3,333.33円になる。これは編集部の説明用計算で、実在施設の料金計画や将来収益の予測ではない。

式は投資額÷年間ラウンド数÷回収年数。ここでいうラウンドは利用1回の単位で、ユニークな会員数ではない。回収年数は設備の参考寿命や会計上の償却年数から自動的に決まるものではない。同じ投資額でも利用回数が減れば1回当たりの必要額は上がり、回収期間を延ばせば下がる。

金利、税、工事中の収入減、供用後の維持費、営業経費、残存価値、外部資金、追加利益は除外した。従って、計算結果をそのまま料金に上乗せすれば投資採算が成立するわけではない。施設の投資は数千万円から億円に及ぶという事実を、日々の利用単位へ置き換えるための補助図である。

改修額を、1回のプレーに置き換えると

仮定:年間3万ラウンド × 10年。実在施設の値上げ予測ではない。

投資 1億円約333円1ラウンド当たり
投資 5億円約1,667円1ラウンド当たり
投資 10億円約3,333円1ラウンド当たり
投資額÷30万ラウンドの編集部計算。金利・税・維持費・工事中の収入減等を除く。実際の採算・料金には別の条件がある。

表は横にスクロールできます

すべて仮定。金利・税・維持費・休業影響等を除いた計算。実在施設の価格予測ではない。
仮の投資額年間利用期間単純割算の1回当たり
1億円3万ラウンド10年約333円
5億円3万ラウンド10年約1,667円
10億円3万ラウンド10年約3,333円

32

改修の効果は、写真以外でも確かめたい

公表事例から整理すると、改修の目的には老朽設備の更新、排水・散水機能の改善、災害からの復旧、建物の使いやすさ、競技性、集客、リゾート化などがある。目的が違えば、成功を測る項目も違う。以下は今回の資料を踏まえた分析上の整理で、掲載各施設の実測結果ではない。

排水改善なら雨天後の利用不能時間や補修作業、散水なら故障や管理作業、水の扱い、建物なら設備停止や利用者の不便、競技性なら狙ったプレーや大会運営への適合などが検討対象となる。営業面では利用者数、単価、会員の動き、工事休業を含めた収支を見たい。工事後に売上が増えても、景気や天候、料金変更の影響を除かなければ工事だけの効果とは言い切れない。

今回確認した有価証券報告書や工事履歴だけでは、こうした工事別の投資回収や管理費削減を測るデータはそろわなかった。きれいになった写真や、大きな投資額だけで、収益改善や省力化が実現したと断定しない。今後の追加調査では、工事前後を同じ基準で比べられる運営指標が重要になる。

出典 [7][8][19][12]

33

為替・端数・比較方法

外貨は、取得時点で日銀の日次一覧に掲載されていた2026年10月26日分を使用した。17時時点の米ドル/円レンジ157.12~157.14円の中間値157.13円を編集部で計算し、全外貨金額に適用している。資料に別途掲載される中心相場157.20円とは異なる。分単位のリアルタイム相場や約定レートではない。

元データは米ドル額と整数円額を保持し、本文では原則として億円単位に丸めた。各内訳を独立して丸めるため、表示値の足算が総額に1億円程度一致しないことがある。米国の2000~2022年を円換算する場合も同じ参考為替であり、歴史上の円建て支出や物価調整額を表していない。元の米ドル名目額の表を併載する。

前年比は同じ期間・同じ開示範囲で確認できる場合に限った。四半期の年率換算、異なる施設数の指標の連結、連結範囲が変わった企業の市場成長率への転用をしていない。金額や契約が非掲載の項目は不明として保持し、ゼロで埋めていない。

出典 [24][22][5]

34

確認できたことと、残る調査項目

国内では、施設数が減る中でも運営会社や個別施設の設備投資は続いている。平和の投資増にはホテルと連結範囲拡大の影響があり、全国の改修費の増加率は確定しない。実名施設の開示からは、地下設備、建物、道路、グリーン、災害復旧へ支出が分かれていることが確認できた。

受注側では設計、造形、土木、芝、散水・排水、建築、管理がつながる。施工・設計実績のある施設名までは追えたが、各社のゴルフ改修だけの売上、契約額、粗利益、国内シェアはそろわなかった。著名コースの大改修、会員向け複合開発、通常設備更新を同じ相場として扱うこともできない。

追加調査で有用なのは、同じ工事範囲の数量付き契約、工事別の設計・施工・仮設・育成費、休業期間、資金条件、工事前後の運営実績である。本稿では不足分を推計で埋めず、原本に戻れる数値表と実名案件を残した。新設中心の時代が終わっても、今あるゴルフ場を使い続けるための仕事は、確かな支出として存在している。

出典 [5][7][14][13]

元数値と集計データ

工事の内訳、設備投資の推移、採用した資料を一覧にした。金額の段階と範囲は各表・データに記載。

GOLF DNA編集部 · 調査 2026年10月27日

表は横にスクロールできます

個別工事・予算の掲載値。異なる年度と範囲の値を合算しない。
施設・対象金額段階・時点
相模原ゴルフクラブ/浄化槽更新工事65,000,000円年度設備投資の内訳・実績・2025年12月期
相模原ゴルフクラブ/西コース撒水設備改修工事27,000,000円年度設備投資の内訳・実績・2025年12月期
村上市・荒川ゴルフ場/防球ネット等災害復旧7,920,000円工事履歴の契約金額・2022年度
村上市・荒川ゴルフ場/コース内設備等災害復旧5,884,000円工事履歴の契約金額・2022年度
村上市・荒川ゴルフ場/バンカー等災害復旧7,987,000円工事履歴の契約金額・2022年度
村上市・荒川ゴルフ場/コース舗装等災害復旧3,109,000円工事履歴の契約金額・2022年度
板倉ゴルフ場/クラブハウス建設・当初事業費680,000,000円当初予算・2024年度補正資料での比較
板倉ゴルフ場/クラブハウス建設・補正後事業費835,566,000円補正予算・2024年度補正資料
前橋ゴルフ場/クラブハウス長寿命化改修191,532,000円当初予算・計画・2026年度
前橋ゴルフ場/クラブハウス解体工事30,800,000円当初予算・計画・2026年度
板倉ゴルフ場/既存クラブハウス解体・建替に伴う設備撤去等10,000,000円当初予算・計画・2026年度
板倉ゴルフ場/仮設クラブハウスのリース料等20,570,000円当初予算・計画・2026年度
Yale Golf Course/100周年に向けたコース修復4,713,900,000円大学公表のプロジェクト額・2026年4月再開

表は横にスクロールできます

すべて1米ドル157.13円。各年当時の為替による円支出でも、物価調整した額でもない。
米国調査年総額・百万米ドル同じ参考為替での円換算
20007,8121,227,499,560,000円
20053,578562,211,140,000円
20112,073325,730,490,000円
20162,156338,772,280,000円
20223,650573,524,500,000円

調査方法と採用条件

調査日:2026年10月27日。日本を中心に、公表資料から規模と複数年の変化を調べた。

GOLF DNA編集部 · 調査 2026年10月27日

対象

新設、コース設計、造成・改修、散水・排水、クラブハウス、大規模な設備更新、災害復旧。通常の刈込み・施肥・防除は主対象から分け、土地・企業買収、ホテル等は工事費と混同しない。

資料

官公庁、企業の有価証券報告書と決算説明資料、設計・施工会社の実績、業界団体の調査を優先。企業のプレスリリースは計画の確認に用い、当事者寄稿は全国統計と分けた。

元数値

単位・年度・資料ページ・実績/計画を保持。非掲載の契約額や数量は不明であり、ゼロで埋めない。国内の市場総額は確定せず、発注側の投資と受注側の売上を足さない。

年次比較

税統計の県境重複は別に記録し、営業施設調査につなげない。平和は説明資料系列で統一し、2026年の連結範囲変更、ホテル建設、資料間の差を明記した。

外貨換算

2026年10月26日の17時の日銀公表レンジの中間値1米ドル157.13円。最新掲載分を参考として使用。リアルタイムの約定相場ではなく、過年度も同じレートの規模比較である。

確認の限界

工事数量、設計・施工費の分割、休場による収入影響、施設ごとの資金条件・最終精算額は未公表のものが多い。未取得の全文を読んだと扱わず、目次・計画・環境手続きの記録はその範囲だけで使った。

記事への反映

まとめは一般向け、詳報は定義・数値・実名案件・計算条件を残す。各節の出典番号はページ最下部の一覧へつながる。保存原本や内部の取得記録は公開プレビューでは配信しない。

出典・参考資料

一次資料、企業自身の発表、当事者寄稿を区別した。PDFのページはファイル先頭から数えたページ番号。確認日:2026年10月27日。

  1. NGK 2024年版 ゴルフ場数 延利用者数 利用税額等の推移PDF2ページ。県境重複を含む年次表・実行月の注記。
  2. NGK 2024年度利用者数と2025年2月末ゴルフ場数の説明実施設2,154場と県境重複18場の説明。
  3. 日本ゴルフコース設計者協会 未来への道筋設計者団体による将来の改修需要への見解。市場総額・国内改修比率には使用しない。
  4. 平和 2024年3月期 決算説明資料PDF34ページ。2019~2024年3月期の事業別設備投資。
  5. 平和 2027年3月期 第1四半期 決算説明資料2026年8月7日。PDF5ページの1Q、14ページの通期計画、30ページの年次推移・連結範囲注記。
  6. 平和 2026年3月期 有価証券報告書PDF32ページ(紙面29頁)。ホテル・無形固定資産を含む設備投資等の概要。
  7. 相模原ゴルフクラブ 2025年12月期 有価証券報告書PDF12ページ。2025年12月期の投資実績と期末の投資計画。
  8. 村上市 令和6年度 公共施設管理コスト計算書 あらかわゴルフ場PDF2ページ。荒川ゴルフ場の工事履歴と管理費の定義。
  9. 群馬県 令和8年度企業局当初予算2026年3月18日更新。施設管理事業の板倉・前橋の当初予算。
  10. 東洋グリーン グリーン造成・改修工事公式技術案内。グリーン造成・改修、材料分析、床構造、施工後支援。
  11. 小金井ゴルフ 2025年12月期 有価証券報告書PDF10ページ。2025年12月期の設備投資総額と主な内容。
  12. GEW 谷水大祐氏の寄稿「ザ・クラシックGCの大改修とその背景」クラシックマネジメントグループ経営者による当事者寄稿。費用感は全国統計・精算額ではない。
  13. 蛭川造園土木 工事事業・施工実績公式施工実績。掲載年月を統一された完成年としては扱わない。
  14. フィットプラン設計事務所 実績内容設計事務所の公式実績。設計監修と施工請負を区別。
  15. 東洋グリーン・会社概要2026PDF2ページ。2026年4月1日現在の会社情報、2023~2025年売上。
  16. ASGCA Golf Course Items Expected Life CyclePDF1ページ。参考寿命の表と、材料・施工・管理等による変動の注記。年の記載なし。
  17. 群馬県 令和6年度11月補正予算 板倉ゴルフ場クラブハウス建設工事PDF2ページ。企業会計・板倉クラブハウス建設工事の行を確認。
  18. 国土交通省 令和8年3月適用 公共工事設計労務単価 資料PDF3ページ。全職種平均の推移。金額は加重平均、伸び率は単純平均。
  19. 埼玉県 平成28年決算特別委員会 大麻生ゴルフ場クラブハウス改築PDF81~82ページ。県企業局の改築理由、発注方法、貸付料による回収の答弁。
  20. アセットHD THE CLUB golf village 100億円規模追加投資の発表発表主体の2023年1月30日付プレスリリース。発表時の追加投資計画。
  21. ギフトHD THE SANCTUARY 事業計画発表発表主体の2026年5月12日付プレスリリース。2029年開業目標の計画。
  22. American Golf Industry Coalition 2022 Economic Impact Report(2023公表)2023年公表の2022年調査・概要版。PDF8ページの施設資本投資。全編報告書ではない。
  23. American Golf Industry Coalition Industry Impact団体の調査案内。2022年調査と次回調査の位置付け。
  24. 日本銀行 外国為替市況 2026年10月26日2026年10月26日。PDF1ページの17時時点レンジ157.12~157.14円。
  25. 相模原ゴルフクラブ 2023年12月期 有価証券報告書PDF13ページ。2023年12月期の投資と土地購入。
  26. 沖縄県 (仮称)石垣リゾート&コミュニティ計画 環境影響評価手続沖縄県の環境影響評価手続記録。2024年1月11日更新。開場の確認には用いない。
  27. 一季出版 月刊ゴルフマネジメント2026年6月号 調査概要出版社自身の2026年6月号公開目次。調査の全施設表・本文は未取得。
  28. 平和 2024年3月期 有価証券報告書PDF25ページの設備投資等の概要。
  29. 平和 2025年3月期 有価証券報告書PDF30ページの設備投資等の概要。
  30. 蛭川造園土木 企業情報公式会社情報。従業員・資本金・事業範囲。売上は非掲載。
  31. Yale University Yale Golf Course 建物詳細と2026年の復元大学の建築記録。2026年10月9日作成。2026年4月の再開と3,000万米ドルの修復。