ゴルフ業界分析

公表資料調査 · 2026年10月28日公開

ゴルフ場の業務システムと自動精算の費用

予約・会員管理、レストランの注文、帰りの支払い。その裏で動く会社と、導入後も続く料金を追った。

GOLF DNA編集部 · 調査 2026年10月28日

COURSE SYSTEMS & PAYMENTS

予約を受けて、
最後の精算まで。

機械の代金。
毎月の利用料。

ゴルフ場の仕事をつなぐ会社は、
どこでお金を受け取るのか。

2022〜2026年の公表値機器販売と継続収入の推移
標準月額20万円の例導入と使い続ける費用
実名コースの導入事例人の配置と日々の作業
日本の基幹システム、自動精算機、周辺連携を調査。公表会社の数字から規模と商売を追う。

01

帰りに払う一枚の明細には、いくつものシステムがつながっている

プレー代、昼食、売店の飲み物を、帰りにまとめて払う。その裏では、予約した人、来場した人、注文した人、支払う人をつなぎ、料金や割引を計算している。自動精算機は、その最後の支払いを受け持つ機械だ。

予約・会員・料金・売上を管理する基幹システムに、レストランや売店の端末が情報を送り、精算機が勘定を呼び出す。カード払いなら、さらにカード会社などとの決済の契約がある。

今回の対象は、この仕組みをゴルフ場へ売る会社の商売だ。ゴルファーが払うプレー代と、ゴルフ場が支払うシステム代を分けて追う。

予約から締めまで、利用者の記録がつながる

一つのコースに、複数社の製品が入る場合もある。

予約する予約サイト・自社Web → 日時、組、料金プラン
受付をする基幹・チェックイン → 来場者、会員区分、ロッカー
場内で使う注文端末・売店・自販機 → 誰が何を使ったか
まとめて払う自動精算機・決済 → 勘定を呼び出して支払い
一日の売上を締める基幹・会計 → 現金、売掛、カード入金の照合
公開機能を基に編集部が整理した一般的な流れ。全コースが同じ構成ではない。

出典 [1][2][29]

02

基幹システムの会社と、精算機の会社は別の場合がある

主な基幹システムには、三和コンピュータのRound Master、東京システムハウスのSwingClub-CLOUD、グレインのGRAIN CLOUDなどがある。精算機ではUSEN-ALMEXやシステムギアが製品を提供している。

ゴルフ場システムの倶楽部エース21やSwingClub-CLOUDは、複数の精算機メーカーとの連動を公表している。機械の正面にあるメーカー名だけでは、そのコースの予約や会員管理を誰が動かしているかは分からない。

一社にまとめる場合も、複数社の製品を組み合わせる場合もある。導入後の費用やトラブル時の連絡先も、この組み合わせで変わる。

基幹、機器、決済では、受け持つ仕事が違う

メーカー名だけでは、場内システム全体の構成は分からない。

予約・会員・料金の中心基幹システム

三和コンピュータ/東京システムハウス/グレイン/三和システム/富士テレコム/アイシグリーンシステム/ゴルフ場システム など

チェックイン・支払いの機械自動精算機

USEN-ALMEX/システムギア など。基幹側の製品と連動する。

カード払いと入金決済の契約先

カード会社などとの加盟店契約。機器の購入・ソフトの利用とは別の取引。

会社の役割は重なることもある。基幹と精算機の連動は、製品・世代ごとの確認が必要。

出典 [3][19][5][16]

03

機械の売上には、買い替えの波がある

複数年を追える例として、USEN-ALMEXを傘下に持つU-NEXT HOLDINGSの施設ソリューションを見る。公式Excelの四半期公表値を年ごとに足すと、売上は2022年8月期の約192億円から2024年の約288億円へ増え、2026年は約201億円になった。

2024年前後に売上が膨らんだ背景には、新紙幣への対応による精算機の更新需要がある。毎年同じ勢いで機械が売れる商売ではない。

この数字にはホテルや病院なども含まれる。ゴルフ市場全体の額ではないが、施設向けの機器・システムを売る会社で、買い替え需要がどう売上に表れるかが分かる。

機器更新の波が、売上に表れる

U-NEXT HOLDINGS・施設ソリューション/各年8月期

単位:億円 / 横棒は0〜300億円の同じ尺度
2022191.50
2023205.33
2024288.40
2025244.71
2026200.59
公式Excelの四半期公表値を年合算した概数。ホテル・医療等を含む施設事業の売上で、ゴルフ単独や全国市場の額ではない。

出典 [8][10][9]

04

保守や利用料は、機械を売った後も続く

同じ5年分の資料では、保守料金やシステム利用料などの継続収入は、2022年の約64億円から2026年の約74億円へ増えている。2024年の機器販売の山と、動きが違う。

売る側にとっては、機械の代金を一度受け取ることに加え、使い続けてもらう間の保守や利用契約が収入になる。ゴルフ場側から見ると、導入時の支払いが小さくても、運営中の費用までなくなるわけではない。

機械を買う費用と、使い続ける費用を分けると、この業界の商売が見えやすくなる。

販売の山とは違う、保守・利用料の動き

U-NEXT HOLDINGS・施設ソリューション/各年8月期

単位:億円 / 各棒は0〜250億円の同じ尺度
機器販売など保守・利用料など
2022
127.26
64.21
2023
137.92
67.38
2024
217.80
70.58
2025
174.16
70.55
2026
127.04
73.52
公式Excelの四半期公表値を年合算。ホテル・医療等を含み、ゴルフ単独ではない。内訳と総額の公表値には小さな差があるため、棒は積み上げていない。

出典 [8][6]

05

公表されている会社の数字から、規模をつかむ

三和コンピュータは2026年3月期の全社売上を66億円、東京システムハウスは会社概要に48.3億円と公表している。どちらもゴルフ以外のIT事業を含む会社の規模だ。

USEN-ALMEXは従業員720名、システムギアは2026年4月時点で単体368名を公表している。一方、取引するゴルフ場の数を公表していても、売上や基幹システムの稼働数までは分からない会社もある。

ここでは公表されている会社から追う。全社売上、部門売上、取引先の数を一つのランキングにはしない。

表は横にスクロールできます

売上と人数は別の尺度。ゴルフ事業単独の売上比較ではない。
会社公表されている規模数字の範囲
三和コンピュータ売上66億円2026年3月期・全社
東京システムハウス売上48.3億円会社概要の2025年10月現在・全社
USEN-ALMEX従業員720名会社全体・基準日記載なし
システムギア従業員368名2026年4月・単体

出典 [14][15][12][13][17]

06

初期費用0円でも、月額料金はかかる

具体的な公開料金があるのがRound Masterだ。標準機能と標準導入メニューを選ぶ条件で、初期費用0円、月額20万円を案内している。追加メニューは別途費用になる。

掲載額が変わらないと仮定すると、月額分だけで1年240万円、5年1,200万円だ。年間来場者を仮に3万人とすれば、1人あたり80円になる。5年は計算のための期間で、契約の最低期間を示す数字ではない。

GRAIN CLOUDは初期導入費と月額という料金構成を案内している。クラウドという名前だけで、全社が同じ料金や条件だとは判断できない。

標準の月額分を、使う期間に直す

Round Masterの公開料金で計算。掲載額が変わらないと仮定。

毎月20万円

標準機能・標準導入メニュー。初期費用0円の条件付きプラン。

12か月240万円

20万円 × 12か月

5年間の計算例1,200万円

240万円 × 5年。最低契約期間を示す数字ではない。

仮に年間3万人なら、1来場あたり80円

追加機能・機器・接続・決済の費用等は別。税区分は補完せず、掲載額をそのまま計算した。

一社の公表例であり、全国の価格相場ではない。標準以外の導入メニューには別途費用がかかる。

出典 [5][6][23]

07

カードの手数料は、機械やソフトの料金とは別

プレー代をカードで払っても、その全額が精算機メーカーの売上になるわけではない。精算機が支払いを受け付け、加盟店契約に沿って決済と入金が行われる。

たとえば支払額1万円、手数料を説明用に3%と置けば、手数料は300円になる。この3%は特定会社の料金や業界平均ではない。実際の条件は契約による。

ゴルフ場が比べる費用には、機械の導入・保守、基幹の月額、追加の連携費、決済の手数料がある。月額料金一つだけでは、支払い全体は分からない。

プレー代と、システム代は別の取引

金額の流れを説明するための仮定:支払額1万円・手数料3%。

ゴルファーの支払い10,000円

精算機を通る支払額。全額が機器メーカーの売上になるわけではない。

決済手数料の計算例300円

10,000円 × 仮定の3%。実際の率は加盟店契約による。

差し引いた額9,700円

他の経費を引く前の額。ゴルフ場の利益を示す数字ではない。

機器代・保守料・基幹の月額料金は、別の支払い
3%は特定事業者の実料金・業界平均ではない。実際の入金方法や条件は契約による。

出典 [4][6][7]

08

予約サイトも、場内のシステムと結びつく

2025年1月、楽天は三和コンピュータとのライセンス契約により、楽天GORAの提携ゴルフ場向け基幹システムの提供を始めた。予約を取る入口と、コース内の業務をつなぐ動きだ。

2026年6月には、GDOがYardage Club関連事業を東京システムハウスへ譲渡すると発表した。発表に記載された譲渡日は7月1日。GDOはWeb領域、東京システムハウスは場内の運営に注力する分担を説明している。

同じゴルフのITでも、集客を担う会社と、当日の会計を動かす会社では役割が違う。連携や事業の移管まで見ていく必要がある。

売り方と、会社同士の分担が変わってきた

製品・料金・事業移管の公表を時系列で追う。

  1. 2021GRAIN CLOUDを
  2. 2023年11月Round Masterをリリース
  3. 2024年7月Round Masterの新料金プラン。新紙幣発行による機器更新も
  4. 2025年1月楽天GORAがライセンス契約による基幹提供を開始
  5. 2026年6月公表GDOがYardage Club関連事業の譲渡を発表。記載された譲渡日は7月1日
GDOの発表対象はYardage Club関連事業。予約サービス全体の売却を示すものではない。

出典 [22][21]

09

機械で減らすのは、人数か、待ち時間か

は、フロントの配置を9人から4人へ減らし、5人を別のプロジェクト等へ異動したと2021年の取材で説明している。退職による削減ではなく、担当する仕事を変えた例だ。

の2025年の事例では、2人体制を保ち、チェックイン機を併用して4人の客に対応する形へ変えたという。こちらは同じ人数で、同時に対応できる客を増やしている。

同コースでは、ホテルとゴルフの売上を別々に記録していたため、会計修正に手間がかかっていた。新しい基幹システムの導入後は、そのやり直しもなくなったと説明している。

待ち時間、二重入力、会計の修正、締め作業のうち、何を減らすのか。導入の目的によって、機械化した後の人の働き方も違ってくる。

フロントの配置を変える場合と、対応できる客を増やす場合

どちらも機械化の例だが、変わったものが違う。

鹿沼CC/2021年取材配置9人 → 4人

5人は別部門やプロジェクト等へ異動。5人の解雇ではない。

作州武蔵CC/2025年事例スタッフ2人のまま

チェックイン機を併用し、4人の客に対応する配置へ。

販売会社が掲載する当事者事例。配置人数の減少と、給与支出の減少は同じとは限らない。

出典 [28][24]

10

費用が下がった実例も、どの費用かで意味が違う

は、冬のクローズ時にサーバを別拠点へ運ぶ負担を抱えていた。クラウドへの移行でこの作業をやめ、初期費用を約80%抑えたと導入事例で説明している。

は、初期コスト約80%、ランニングコスト約20%の削減と、IT補助金350万円の活用を説明している。雪の日に、自宅から予約変更やキャンセル対応ができるようになったという。

同じ「費用削減」でも、初期費用と毎年の費用は違う。これらは各コースの当事者事例であり、どこでも同じ割合で安くなるという数字ではない。

導入事例の「減ったもの」を分けて読む

異なるコースの数字を、一つの平均効果にまとめない。

早来カントリー倶楽部初期費用 約80%減

冬季クローズ時のサーバ移送も不要に。2026年6月事例。

西東京ゴルフ倶楽部初期 約80%・運用 約20%減

IT補助金350万円を活用。雪の日の社外対応も。2026年6月事例。

作州武蔵カントリー倶楽部会計の再集計を解消

ホテルとゴルフの二重管理を見直す。2025年5月事例。

各社が掲載する当事者の説明。比較の基準額や構成はコース固有で、補助金350万円は製品価格ではない。

出典 [25][26]

11

入れ替えで大事なのは、つながる範囲と止まった時の動き

古い精算機やカートナビをそのまま使えるかどうかで、入れ替え費用は変わる。富士テレコムは既存の周辺システムとの連携を案内し、USEN-ALMEXはICタグの実物による事前確認を求めている。

クラウドでも、全てを外部に置く構成だけではない。SwingClub-CLOUDは複数の運用方式を用意し、通信障害時には予約連動など一部機能に制約があることも示している。

会員区分、特別料金、団体のまとめ払い、返金などを、実際の運用に合わせて動かせることが重要になる。機械の台数を決める前に、業務全体のつながりを決める仕事だ。

出典 [33][4][19][1]

12

この商売は、導入後の毎日まで続く

精算機は売って終わる設備ではない。釣銭や消耗品の補充、カードの手続き、ソフトの更新、故障時の対応が続く。基幹システムには、日々の予約・会計・会員データが蓄積される。

売る側は、機器の買い替えに加え、利用・保守・連携を継続して受け持つ。使う側は、その間の費用と、実際に減った作業を見比べることになる。

この数年の変化は、月額型の基幹システムが出そろい、予約サイトや場内の機器との連携が広がっていることだ。全国市場の金額や導入率までは出せなくても、誰が何を提供し、どこで料金を受け取る商売なのかは、公表資料から具体的に追える。

出典 [4][35][16][6][22][21]

出典・参考資料

  1. ゴルフ場システム 倶楽部エース21 基本機能利用税・年会費・売掛・キャディ給与・締日管理
  2. GRAIN CLOUD 機能予約・売店・レストラン・カートナビ・精算の連携
  3. ゴルフ場システム 自動精算機異なるメーカーとの接続・販売。基幹と精算機の会社は同一とは限らない
  4. USEN-ALMEX ゴルフ場向けFAQ目安台数・保守・カード決済契約の条件
  5. 三和コンピュータ Round Master月額20万円・初期費用条件・別見積と基本機能
  6. 三和コンピュータ 2024年新料金発表 HTML初期費用実質0円の新プラン。旧PDFは取得不可
  7. ジャパンゴルフオンライン サービスFAQ予約連携先、連携費用が両側で異なる場合
  8. U-NEXT HOLDINGS Databook FY2026Q4公式Excelの元数値・期間・事業区分を保存し照合
  9. U-NEXT HOLDINGS 2026年8月期 決算説明資料2026年10月15日公表。最新年度の施設ソリューションと特需反動
  10. U-NEXT HOLDINGS 2024年8月期 決算説明資料旧業務用システム事業の複数年売上・利益と新紙幣特需
  11. U-NEXT HOLDINGS 2025年8月期 決算説明資料施設ソリューションの規模とゴルフを含むその他区分
  12. USEN-ALMEX 会社概要の数値720名・24拠点。会社全体の規模
  13. システムギア 会社概要現時点の会社規模。ゴルフ単独売上と分ける
  14. 三和コンピュータ 会社概要2026年3月期売上66億円。全社売上
  15. 東京システムハウス 会社案内全社売上48.3億円・220人、2025年10月現在
  16. グレイン 会社概要2017年開発着手・2021年リリース。代表挨拶2024年1月
  17. アイシグリーンシステム 会社概要取引ゴルフ場600超。基幹導入だけの件数ではない
  18. 東京システムハウス SwingClub-CLOUD基幹と周辺サービスの機能・運用方式
  19. SwingClub-CLOUDの特徴3つの構成・障害時制約・メーカー連携・個人情報権限
  20. SwingClub-CLOUD 現行の導入事例・実績2026年1月現在、全国のゴルフ場・関連施設約300件。旧個別事例URLは現行一覧へ転送。
  21. GDO Yardage Club事業譲渡2026年6月8日公表、7月1日譲渡予定の範囲と分担
  22. 楽天GORA基幹システム提供開始2025年1月。三和コンピュータとのライセンス契約
  23. GRAIN CLOUD 製品案内初期・月額、2026年新機能、実名導入事例
  24. GRAIN CLOUD 作州武蔵CC導入事例ホテルとの会計修正・2人で4人に対応した運用。人員削減とは区別
  25. GRAIN CLOUD 早来CC導入事例グループ統一と初期費用約80%削減の当事者事例。総費用の80%減としない
  26. GRAIN CLOUD 西東京GC導入事例サーバ移送・老朽更新とクラウド移行
  27. システムギア ゴルフ導入事例実名導入例・レストランオーダー・自動精算との連動
  28. USEN-ALMEX 鹿沼グループ導入事例2021年12月21日の取材。現場の運営変更とサポート
  29. USEN-ALMEX TEX-2900Gカード・売店・自販機を含めた一括精算
  30. USEN-ALMEX ゴルフ場納入実績2023年5月現在455件以上。現時点の稼働台数としない
  31. 三和システム NT-golf三和コンピュータとは別会社。クラウド・予約等のラインナップ
  32. 三和システム 会社概要NT-golfの提供企業を同名他社と区別
  33. 富士テレコム シン・クラブメイト既存周辺機器の流用・スマホオンライン決済
  34. アイシグリーンシステム 事業紹介基幹とカートナビ・受付等の横断。グレインとは別会社
  35. システムギア ゴルフ場向け自動精算機現金補充・警告・保守・過去製品を含む納入一覧
  36. 国立印刷局 2024年新銀行券2024年7月3日の改刷日
  37. 日本クレジットカード協会 ICカード取扱い2025年3月末PINバイパス廃止。全決済でPIN必須という意味ではない