公表資料調査 · 2026年10月28日公開
ゴルフ練習場・インドアの市場と出店動向
屋外とインドア、市場と利用、確認できる会社の数年の動きを追う。
GOLF DNA編集部 · 調査 2026年10月24日
JAPAN GOLF PRACTICE AND INDOOR
練習場市場の公表推計は
2023年と2024年で横ばい
1,230 億円
2024年の推計
2021年からの3年間で 約14.0%減
街なかにインドアゴルフが増え、屋外の打ちっぱなしにも弾道を測る機械が付くようになった。練習できる場所の見た目は変わっているが、それは業界全体の売上が伸びているということなのだろうか。
国内の市場統計と、公表資料で確認できる運営・サービス会社から、規模と数年の動きを追ってみる。
公表された練習場市場の推計は、2021年の1,430億円から2024年には1,230億円に落ち着いた。一方、ステップゴルフやSMART GOLFは出店を増やし、GDOの国内練習場ビジネスも増収だった。市場の推計、来場回数、チェーンの出店、機器サービスの売上を分けると、何が変わっているのかが見えてくる。
01
公表された市場推計は 2021年を山に落ち着いた
GMACの『ゴルフマーケットデータ2026』には、練習場市場の5年分が掲載されている。
| 暦年 | ゴルフ練習場市場の推計 |
|---|---|
| 2020 | 1,300億円 |
| 2021 | 1,430億円 |
| 2022 | 1,240億円 |
| 2023 | 1,230億円 |
| 2024 | 1,230億円 |
2024年は2021年より約14.0%小さく、2023年とは同額だった。少なくとも、この公表系列は右肩上がりではない。
ただし、資料には屋外とインドアを分けた市場金額がない。1,230億円を「インドア市場の規模」としたり、この横ばいだけからインドアの売上も横ばいだったと結論づけたりはできない。市場推計の出典 6頁
02
インドアは2541施設 ただし増加分をそのまま新設数にはできない
JGRAの施設数調査を、調査時点を付けて並べると次のようになる。
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| 調査時点 | 屋外 | インドア |
|---|---|---|
| 2023年10月 | 2,322施設 | 1,518施設 |
| 2025年1月 | 2,299施設 | 1,507施設 |
| 2026年1月30日 | 2,259施設 | 2,541施設 |
最新集計ではインドアが屋外を上回る。ただし、JGRAはこの回から調査方法を変え、インドアの前年との差が大きく出ていると説明している。2,541から1,507を引いた分が、その間に新しく開店した店の数という意味ではない。
また、数打席のインドアと、多くの打席を持つ屋外施設は、どちらも施設数では「1」になる。店の数が逆転しても、使える打席、利用回数、売上まで同じ割合になったわけではない。最新の施設数と調査方法の注記。2023年10月の公表値 PDF20頁。2025年1月の公表値 PDF22頁
03
来場が減るなか 一回あたりの売上は上がった
実際の営業の動きはどうか。経産省の調査対象の売上と延べ利用回数を見ると、2021年に増えた後、両方とも落ち着いている。
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| 暦年 | 対象施設の売上 | 延べ利用回数 | 売上÷利用回数 |
|---|---|---|---|
| 2019 | 291.03億円 | 1,950.3万回 | 約1,492円 |
| 2020 | 309.51億円 | 2,128.2万回 | 約1,454円 |
| 2021 | 368.40億円 | 2,506.9万回 | 約1,470円 |
| 2022 | 362.68億円 | 2,438.6万回 | 約1,487円 |
| 2023 | 335.04億円 | 2,248.8万回 | 約1,490円 |
| 2024 | 329.75億円 | 2,175.4万回 | 約1,516円 |
2021年から2024年の間に、利用回数は約13.2%減り、売上は約10.5%減った。直近の2023年から2024年も、利用回数は約3.3%減る一方、一回あたりの売上は約1.7%上がり、売上の減少は約1.6%だった。
この約1,516円は、調査対象の売上を利用回数で割った金額だ。全国の練習場の相場や、インドアの平均月会費ではない。対象は特定地域の事業所で、全国総額とは分けて読む。それでも、客数が減るなか、一回あたりの収入が増えたことは、この系列から確認できる。年次の売上と利用の原表。調査対象の地域と事業所の説明
04
インドアチェーンは出店を続けている
全体の推計が伸び続けていなくても、個別のチェーンが出店を増やすことはある。
表は横にスクロールできます
| 公表された年 | ステップゴルフ | SMART GOLF |
|---|---|---|
| 2024 | 126店舗 11月発表 | 100店舗 7月末 |
| 2025 | 129店舗 3月発表 | 150店舗 8月発表 |
| 2026 | 162店舗 8月発表 準備中を含む | 224店舗 10月採録 グループ全体 |
時点や集計範囲が異なるため、年末同士の成長率や同じ条件の順位表ではない。ステップゴルフはレッスンを軸に、地域の提携企業と店舗を広げている。2026年8月発表の838打席・162店舗には、開業準備中も含まれる。2024年の会社発表。2025年のエリアFC発表。2026年の規模の発表
SMART GOLFは、2024年7月末の100店舗、2025年8月の150店舗、2026年4月の190店舗を公表し、今回採録した公式サイトにはグループ全体で224店舗と表示している。24時間営業や個室・半個室など、生活の中で練習時間を作りやすい形を打ち出す。100店舗の発表。150店舗時点の事業説明。2026年4月時点。公式サイトの現在表示
会員数を見るときも、「累計」と「今いる会員」は違う。ステップゴルフの2026年7月時点の累計110,689人は、それまでに入会した人を積み上げた数で、全員が今月の会費を払っているという意味ではない。店舗数に累計会員を掛けたり、累計会員に月会費を掛けたりして、会社の売上を見積もることはできない。
05
屋外でも計測サービスの売上は伸びている
変化はインドアだけで起きているのではない。屋外の打席でボールの飛距離や弾道を表示する「トップトレーサー・レンジ」を国内展開するGDOの練習場ビジネスは、2023年から2024年に増収だった。
| GDOの国内練習場ビジネス | 通年の売上 |
|---|---|
| 2023年 | 15.55億円 |
| 2024年 | 17.05億円 |
会社公表では約9.6%増。導入先も2023年末の116施設から2024年末の130施設へ増えた。GDOは打席数に応じた固定料金と利用者数に応じた料金を説明している。これは、導入先の練習場が客から受け取った練習代の総額とは別の売上だ。国内練習場ビジネスの売上と仕組み 15・21頁
屋外の運営側の例では、PGMとアコーディアを傘下に持つ平和グループの練習場関連売上は、2025年4〜6月の16.04億円から2026年4〜6月の16.11億円へ小幅に増えた。GDOの通年売上と、この3カ月の数字は期間も商売の中身も異なる。それぞれ同じ事業の時間変化を追うことで、設備・サービスを提供する側と、施設を運営する側の動きを確認できる。練習場関連売上 8頁
06
球数の商売と月会費の商売では 大切な数字が違う
屋外で一球ごとに料金を払う場合は、来場回数や打った球数が収入につながる。時間制の打ち放題なら、打席を何時間使ってもらえるかが大切になる。インドアの定額プランでは、毎月の有効会員と、その人が通い続けることが収入の土台になる。
たとえば、月会費1万円の会員が100人なら月会費収入は月100万円。これは仕組みを示す仮定で、実際の店舗の採算例ではない。同じ100人がたくさん練習しても、月会費そのものは増えない。予約が取りづらくなれば、続けてもらう難しさも生まれる。反対に、空いている時間が多ければ、家賃や設備の費用を十分な会員数で支える必要がある。
企業の取り組みも、その事情につながる。ステップゴルフはコーチを置いたレッスンと地域での展開、SMART GOLFは定額利用に加えた指導や会員向け企画、GDOは計測とゲームを組み合わせるサービスを進めている。営業時間や月会費だけでなく、練習を続けられる理由をどう用意するかが、各社の違いになっている。
今回の資料では、練習場市場が一律に伸びているとは言えない。一方で、出店を増やすチェーンや、売上を伸ばす機器サービスは確認できた。店の数、通う人、収入の取り方を分けて追うと、「インドアが増えた」という一言よりも、業界の変化が具体的になる。
全社と事業の財務、利用統計の範囲、調査方法の変更、元数値と計算は詳しい調査レポートに収録した。
出典・参考資料
- S01 GMAC ゴルフマーケットデータ2026
市場2020〜2024年。資料6頁。屋内外別の金額は掲載されていない。
- S02 JGRA 全国練習場施設数調査 2026年1月30日現在
2025年度の調査方法変更と全国の屋外・インドア施設数。
- S03 JGRA 2024年度総会資料 2023年度事業報告
2023年10月施設数、PDF20頁。抽出が不完全なため画像も目視照合。
- S04 JGRA 2025年度総会資料 2024年度事業報告
2025年1月施設数、地域景況、65施設の値上げ調査。PDF22頁。
- S05 経産省 特定サービス産業動態統計 長期時系列表11 年次実数
2019〜2024年8指標。公開表の年次値を採用。
- S06 経産省 同統計 月次実数
2019〜2024年の72カ月。季節変動と年次値との差を確認。
- S07 経産省 特定サービス産業動態統計 調査概要
公式Web本文を検索閲覧で確認。直接保存は403。特定地域・札幌市限定・調査終了の説明。
- S08 ステップゴルフ 2024年11月21日 会社発表
126店舗の過年度発表。
- S09 ステップゴルフ 2025年3月19日 エリアFC発表
129店舗。地域の提携先を通じた展開。
- S10 ステップゴルフ 2026年8月17日 累計11万人発表
162店舗・838打席は準備中を含む。累計110,689人。
- S11 ステップゴルフ 2026年1月26日 累計10万人発表
2025年12月末累計101,495人。発表時138店舗・713打席。
- S12 SMART GOLF 2024年8月8日 100店舗発表
2024年7月末の100店舗という実績。将来目標とは区別。
- S13 SMART GOLF 2025年8月19日 会社発表
2025年8月19日の150店舗。2打席店舗の100名限定モデルの説明。
- S14 SMART GOLF 2026年4月2日 5周年発表
2026年4月時点190店舗。
- S15 SMART GOLF 公式店舗検索
2026年10月24日採録の表示はグループ全体224店舗。公表日不明の動的表示。
- S16 SMART GOLF スマゴルへのGOLFZON機器導入発表
2025年の月額8,800円税込という商品例。現在の全店共通料金とは扱わない。
- S17 GDO 2023年12月期 決算短信
2022・2023年の連結全社。単位千円の損益表。
- S18 GDO 2024年12月期 決算短信
2023・2024年の全社・セグメント。練習場単独の純利益ではない。
- S19 GDO 2024年12月期 通期決算説明資料
国内練習場ビジネス、トップトレーサー、レッスン、販管費等。15・21頁など。
- S20 GDO 2025年12月期 第1四半期決算説明資料
国内練習場売上と導入残高。15・22頁。
- S21 GDO 2025年12月期 中間決算短信
2025年1〜6月と前年同期間の連結値。
- S22 GDO 投資家の皆さまへ
2025年9月29日の上場廃止と公開IRの対象期間。
- S23 平和 2027年3月期 第1四半期決算説明資料
実際の対象は2026年4〜6月。練習場関連売上と前年同期間。8頁。
- S24 ステップゴルフ エリアFCパートナー募集
運営モデルと1店舗あたりの標準打席数の会社説明。収益保証には採用しない。
- S25 GDO 練習場ビジネス
機器・サービス提供の内容。2022年末約100施設・約8,000打席。古い時点と明記。