公表資料調査 · 2026年10月28日公開
ゴルフ用品小売の市場と販売会社|調査レポート
市場と販路、各社の複数年の売上・利益・在庫を、定義と出典まで詳しく読む。
GOLF DNA編集部 · 調査 2026年10月24日
JAPAN GOLF EQUIPMENT RETAIL
用品市場は拡大の後に小幅減。
小売各社の動きは分かれる
3,760 億円
2024年の用品市場・公表推計
2020年比 +18.6% / 前年比 −1.1%
国内のゴルフ用品が消費者へ届く販売経路を対象とする。新品の量販・専門店、中古品の買い取りと再販売、EC、FC本部の事業を分け、確認できる企業の公表数字から規模と複数年の変化を追う。
調査基準日:2026年10月24日。金額は日本円で統一した。メーカー分析、ゴルフ場運営、練習場運営の調査に続く、小売・流通側の分析である。
1. 調査結果の要点
市場の公表推計は2020年から2023年にかけて拡大し、2024年に小幅減へ転じた。一方、小売各社の直近までの推移は一様ではない。アルペンのゴルフ商品分類は2026年6月期に増収へ戻り、ゼビオHDのゴルフ部門は2026年3月期まで3年連続減収、その後の四半期に増収へ転じた。GDOの国内リテールとゴルフ・ドゥの直営事業にも、売上の回復・拡大が見られる。
中古とECは、別々の店舗業態・販売経路として切り離すより、在庫を共有する仕組みとして読む必要がある。GDOの中古ECやゴルフ・ドゥのEC系販売には伸びがある。ただし、それを業界全体の中古市場規模やEC化率へ拡大して解釈することはできない。
収益面では、売上増と利益増は一致しない。アルペンは増収でも営業利益はほぼ横ばい、ゼビオHDは増収減益だった。会社全体の粗利益、販売費・管理費、在庫の動きを合わせると、需要だけでなく仕入れ・値下げ・運営費の影響が大きい業界であることが分かる。
以上は以下の出典と年次表からの編集部による分析である。確認できない小売市場総額、全国の中古流通総額、ゴルフ専用EC化率を推計で埋めることはしなかった。
2. 対象範囲と数字の読み方
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| 区分 | 本稿で対象とするもの | 混同しないもの |
|---|---|---|
| 新品小売 | 消費者へのクラブ・用品販売 | メーカーから小売への出荷だけの金額 |
| 中古小売 | 買い取り後の再販売、下取りと販売の連携 | 中古の全国市場と一社の売上 |
| EC | 自社サイト・モール等のオンライン販売 | EC取扱高を全社売上へ追加すること |
| FC本部 | ロイヤリティ、加盟店向け販売等の本部収益 | 加盟店が消費者へ売った全額 |
| 商品部門 | ゴルフ商品という分類で集計した売上 | ゴルフ専門店舗の売上だけ |
| 全社財務 | 連結売上・粗利益・営業利益・在庫 | ゴルフ部門だけの利益 |
会計年度は会社ごとに異なる。アルペンは6月、ゼビオHDとゴルフ・ドゥは3月、GDOは12月決算。2026年6月期、2026年3月期、2024年12月期を横並びにする表は、同じ暦年の市場シェア表ではない。
2027年3月期の第1四半期は、2026年4〜6月に終わった実績である。2027年通期予想とは区別する。四半期の売上を4倍して通期実績にする処理は行わない。市場推計も実績年と公表年を分ける。
金額は読みやすさのため億円へ換算し、必要な小さい利益は万円も併記する。百万円を億円にするときは100で、千円を億円にするときは100,000で割る。赤字は「−」で示す。元数値は付録に残し、丸めた本文値から再計算しない。
3. 市場は5年間でどう変わったか
GMAC「ゴルフマーケットデータ2026」6頁に掲載される推計系列を、同じ資料の中で比較する。
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| 年 | ゴルフ用品市場の公表推計 | 前年比・資料表示 |
|---|---|---|
| 2020年 | 3,170億円 | −7.8% |
| 2021年 | 3,470億円 | +9.5% |
| 2022年 | 3,640億円 | +4.9% |
| 2023年 | 3,800億円 | +4.4% |
| 2024年 | 3,760億円 | −1.1% |
2020年から2024年は590億円、18.6%の拡大。2023年から2024年は40億円、1.1%の減少となる。この系列から言えるのは、コロナ直後の縮小局面を経た金額回復が2023年まで続き、2024年に小幅減となったことだ。
2020年は感染症の影響が強い年なので、そこを起点にした18.6%増を通常時からの純成長と読み替えない。また、名目金額であるため、商品単価の上昇と数量の増減を分離できない。
資料6頁の表だけでは、新品・中古・CtoCの捕捉範囲と推計の接続条件を細部まで確認できない。本稿ではGMAC掲載の公表推計と表示し、企業の売上をこれで割って市場シェアを計算しない。
4. メーカー売上、小売市場、中古市場の境界
矢野経済研究所の2025年10月の無料発表は、2024年の国内用品市場をメーカー売上高ベースで2,933.3億円、前年比5.0%減とした。同じ発表の2025年3,093.5億円は予測である。2026年時点から振り返る本稿でも、これを2025年の確定実績として採用しない。
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| 資料・指標 | 金額または扱い | 対象と注意点 |
|---|---|---|
| GMAC掲載・2024年用品推計 | 3,760億円 | 5年の同一掲載系列を比較する背景指標 |
| 矢野・2024年メーカー売上高ベース | 2,933.3億円 | 国内純売。中古品は基本的に対象外 |
| 矢野・2025年メーカー売上高ベース | 3,093.5億円は当時の予測 | 確定値として不採用 |
| 2026年版白書の小売市場 | 無料紹介に具体額の掲載を確認できず | 本文は未購入。独自の倍率で補完しない |
| 全国の中古・CtoC込み流通総額 | この調査では未確定 | 各社売上の合算で代用しない |
矢野の無料の定義説明では、メーカー売上高は卸売だけでなく直営店・メーカーECも含む。小売市場はそこへ推計の小売マージンを反映して算出する別の指標である。GMACの3,760億円との差額826.7億円を、そのまま小売店の利益や中古市場とすることはできない。
2026年版白書の紹介は、中古専門店以外の総合リユースやCtoCを含めた把握を進めるとしている。個人間売買まで全国一律に捕捉済みと想定する根拠はない。したがって本稿の中古分析は、企業が開示した範囲での成長・販売構造を中心に据える。
出典:S02 矢野経済研究所 ゴルフ用品市場調査2025年(無料発表)、S03 矢野経済研究所 2026年版ゴルフ産業白書(無料紹介)。
5. 公表企業から見た規模の比較
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| 会社・主な接点 | 最新の採用通期 | 全社売上 | 小売を見るための区分 |
|---|---|---|---|
| アルペン/ゴルフ5 | 2026年6月期 | 2,859.54億円 | ゴルフ商品分類950.75億円 |
| ゼビオHD/ヴィクトリアゴルフ、ゴルフパートナー等 | 2026年3月期 | 2,523.31億円 | ゴルフ部門801.85億円 |
| GDO/用品通販等 | 2024年12月期 | 570.07億円 | 国内リテール196.05億円 |
| ゴルフ・ドゥ/中古店・EC | 2026年3月期 | 61.85億円 | 直営事業47.85億円、外部顧客向け |
比較対象は、公表資料で年次の区分を確認できた4社。業界の全社一覧・売上順位ではない。二木ゴルフ、有賀園ゴルフ、地域専門店、メーカー直販、モール上の販売店や総合リユースなどが含まれていないため、4社の合計で全国市場を表すことはできない。
アルペンとゼビオHDの全社売上には他スポーツ用品が入る。GDO全社には国内のゴルフ場予約、練習場向けサービス、海外のレッスン等が入る。ゴルフ・ドゥ全社には米国等の卸販売、FC本部、新規インドア事業等が入る。全社売上の大きさを、そのまま国内用品小売の大きさとしない。
本表のゴルフ・ドゥ47.85億円は短信の千円単位から四捨五入した値。会社説明資料の図は百万円単位で4,784と表示される。精密比較は付録の4,784,696千円を使う。
出典:S06 アルペン 2026年6月期 決算説明・中期計画資料、S10 ゼビオHD 2026年3月期 決算発表資料、S20 GDO 2024年12月期 決算説明資料(JPX掲載原本)、S13 ゴルフ・ドゥ 2026年3月期 決算短信。
6. アルペン:ゴルフは一度減収、その後増収へ
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| 6月期 | ゴルフ商品売上 | 全社売上 | 全社営業利益 |
|---|---|---|---|
| 2022年 | — | 2,323.32億円 | 71.53億円 |
| 2023年 | — | 2,445.40億円 | 50.62億円 |
| 2024年 | 929.13億円 | 2,529.36億円 | 33.30億円 |
| 2025年 | 921.51億円 | 2,686.55億円 | 85.16億円 |
| 2026年 | 950.75億円 | 2,859.54億円 | 85.43億円 |
ゴルフ商品は2025年6月期に0.8%減、2026年6月期に3.2%増。2024年比では2.3%増である。全社売上は5年間で拡大しているが、全社の伸びがそのままゴルフの伸びではない。ゴルフ構成比も2024年36.7%から2026年33.2%へ下がっている。
同社の2026年資料は、ゴルフ需要の勢いは強くない一方、中古クラブと下期の新品発売が支えになったとする。編集部としては、新品と中古の二者択一ではなく、両方を売り場で扱う強みが表れたと読む。ただし、新品・中古それぞれの全国市場や同社の正確な金額内訳まではこの開示から算出しない。
—は売上ゼロを意味せず、今回のゴルフ年次表に採用していない欄。全社の2022〜2024年は財務ハイライト、ゴルフの2024・2025年は2025年決算説明資料、2026年は2026年資料による。
出典:S04 アルペン 財務ハイライト、S05 アルペン 2025年6月期 決算説明資料、S06 アルペン 2026年6月期 決算説明・中期計画資料。
7. アルペンの商品分類と店舗分類は別物
2026年6月期には、ゴルフ商品の950.75億円とは別に、有報の店舗形態別表でゴルフ858.40億円、ECその他302.99億円が公表される。
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| 同じ期の異なる分類 | 売上 | 読み方 |
|---|---|---|
| 商品分類「ゴルフ」 | 950.75億円 | 商品という軸での集計 |
| 店舗形態別「ゴルフ」 | 858.40億円 | 販売経路・店舗形態という軸 |
| 店舗形態別「ECその他」 | 302.99億円 | ゴルフ以外を含む全カテゴリーの区分 |
950.75億円と858.40億円の差を「中古売上」や「ゴルフEC売上」として扱わない。ECその他にも複数カテゴリーが入るため、ゴルフ専用EC化率はこの表から作れない。
ゴルフ5の店舗数は2024年6月末196、2025年6月末195、2026年6月末196。大幅な店舗純増がないなかでゴルフ売上が回復したことは分かるが、商品分類売上を専門店数で割って「一店平均売上」を作ると経路が一致しない。
出典:S07 アルペン 第54期有価証券報告書、S05 アルペン 2025年6月期 決算説明資料、S06 アルペン 2026年6月期 決算説明・中期計画資料。
8. ゼビオHD:全社増収の裏でゴルフは縮小
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| 3月期 | ゴルフ部門売上 | 全社売上 | 全社営業利益 |
|---|---|---|---|
| 2023年 | 840.72億円 | 2,392.93億円 | 83.27億円 |
| 2024年 | 823.20億円 | 2,424.33億円 | 42.04億円 |
| 2025年 | 807.66億円 | 2,506.03億円 | 70.06億円 |
| 2026年 | 801.85億円 | 2,523.31億円 | 23.70億円 |
ゴルフ部門の前年比は−2.1%、−1.9%、−0.7%。2023年3月期から2026年3月期までの累計では4.6%減である。全社売上は同じ期間に増えており、会社全体の成長率をゴルフ市場の成長率にする誤りを避けたい。
グループ内にはヴィクトリアゴルフ、ゴルフパートナー等の接点があるが、公表ゴルフ部門はそれらの会社別売上明細ではない。親会社のゴルフ売上に子会社の売上をさらに足すと二重計上になる。
2026年3月末の業態別表には「ヴィクトリアゴルフ他」173、「ゴルフパートナー他」211がある。これは資料の分類のまま読む。FCを含むブランド全店舗の数や、独立した建物の数として他社と単純比較しない。売上減が直ちに同率の需要減や店舗数減を意味するわけでもない。
出典:S08 ゼビオHD 2024年3月期 決算発表資料、S09 ゼビオHD 2025年3月期 決算発表資料、S10 ゼビオHD 2026年3月期 決算発表資料。
9. ゼビオHD:最新の四半期では持ち直し
2027年3月期第1四半期、すなわち2026年4〜6月のゴルフ部門は前年同期207.21億円から218.51億円へ5.5%増えた。長期の減少と、直近の回復の兆しを両方残して評価する。
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| 2026年4〜6月の指標 | 前年同期 | 当期 |
|---|---|---|
| ゴルフ部門売上 | 207.21億円 | 218.51億円 |
| 全社売上 | 643.08億円 | 682.42億円 |
| 全社営業利益 | 28.48億円 | 39.49億円 |
全社営業利益は38.7%増だが、ゴルフ単独の利益ではない。四半期の季節性があるため、218.51億円を4倍した数字で2027年通期の市場規模や売上実績を示さない。通期減収が底打ちしたと確定するには、次の四半期以降の継続性も必要となる。
10. GDO:国内リテールと海外を分ける
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| 12月期 | 全社売上 | 全社営業利益 | 国内リテール売上 |
|---|---|---|---|
| 2022年 | 460.90億円 | 11.90億円 | — |
| 2023年 | 529.18億円 | 3.80億円 | 189.09億円 |
| 2024年 | 570.07億円 | −8.24億円 | 196.05億円 |
2024年の国内リテールは3.7%増。中古品ECは26%増で、新品を含む全体の伸びより大きかった。さらに2025年1〜3月のリテールは43.62億円から45.95億円へ5.3%増となった。
同社全体の赤字を「ゴルフ通販が8億円赤字」と表現することはできない。連結には海外事業が入っているうえ、国内にも予約や練習場向けサービス等がある。国内リテール単独の営業利益はこの採用資料の範囲では確認できないため、架空の利益率を付けない。
下取りサービスや試用サービス、在庫の質改善、送料改定などの施策が説明されている。小売の収益は単なる販売額ではなく、どんな在庫を持ち、いくらで売り、物流費をどう回収するかで変わることを示す事例として読む。
GDOは2025年9月29日に上場廃止。ここで使う年次の事業比較は2024年12月期まで、追加のリテール情報は2025年第1四半期までで、2026年の現在の売上を示すものではない。
出典:S18 GDO 2023年12月期 決算短信、S19 GDO 2024年12月期 決算短信、S20 GDO 2024年12月期 決算説明資料(JPX掲載原本)、S21 GDO 2025年12月期 第1四半期決算説明資料、S22 GDO 投資家の皆さまへ。
11. ゴルフ・ドゥ:小さな利益の改善も円でつかむ
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| 3月期 | 連結売上 | 連結営業利益 | 営業利益率 | 直営事業売上・外部顧客向け |
|---|---|---|---|---|
| 2024年 | 57.73億円 | 約−128万円 | −0.02% | 約43.37億円 |
| 2025年 | 59.17億円 | 約2,852万円 | 0.48% | 約46.25億円 |
| 2026年 | 61.85億円 | 約9,906万円 | 1.60% | 約47.85億円 |
2024年のわずかな営業赤字から、2025年に黒字化、2026年に利益を拡大した。会社は値引き抑制や買い取り時のポイント条件の見直し、EC収益などの改善を挙げる。安く売る量を増やす以外にも、値引きや販促の条件を整えて利益を残す余地がある。
一方、カードやECモールの手数料、人件費、新規事業の費用は増えている。直営事業の利益4.40億円だけを見て、全社営業利益9,906万円より大きな儲けがそのまま残ると考えない。FC・卸・新規事業と共通費を調整する必要がある。
2026年6月4日と19日に短信の訂正がある。今回使う売上・営業利益の金額は変更されていないが、6月19日の訂正では売上62億円の中計目標は未達に直された。本稿も61.85億円を「62億円目標を達成」とは書かない。
出典:S12 ゴルフ・ドゥ 2025年3月期 決算短信、S13 ゴルフ・ドゥ 2026年3月期 決算短信、S14 ゴルフ・ドゥ 2026年3月期 決算説明資料、S15 ゴルフ・ドゥ 2026年6月4日の短信訂正、S16 ゴルフ・ドゥ 2026年6月19日の短信訂正。
12. ゴルフ・ドゥのFCと卸を分解する
以下は短信の「外部顧客への売上高」であり、内部取引を含むセグメント合計ではない。
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| 区分 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|
| 直営 | 46.25億円 | 47.85億円 |
| FC本部 | 4.29億円 | 5.23億円 |
| 営業販売 | 8.17億円 | 8.68億円 |
| アパレル/その他 | 0.47億円(アパレル) | 0.09億円(その他) |
| 連結合計 | 59.17億円 | 61.85億円 |
FC店が消費者に販売した金額の全部が本部の売上になるわけではない。本部のロイヤリティ等と、加盟店での店頭販売額を分ける。また、営業販売には海外子会社の卸・ECが含まれ、国内の店頭小売ではない。
決算説明資料7頁のFC売上は539百万円、営業販売は962百万円と表示されるが、内部売上を含む値である。連結の外部顧客向けではそれぞれ522,967千円、868,273千円になる。店舗別・経路別の数字を足して全国小売市場を作る際に、この差が無視できない。
2026年のセグメント利益は直営約4.40億円、FC約1.02億円、営業販売約0.14億円、その他約−0.45億円。そこへ共通費約−4.11億円を反映して、全社営業利益約0.99億円となる。千円単位の切捨て差を除き、損益のつながりを付録で確認できる。
アパレルは2025年3月期で終了し、2026年にはインドア事業を含む「その他」がある。区分を一続きの同じ事業として成長率計算しない。
13. 中古は買い取り、店舗在庫、ECがつながる
ゴルフ・ドゥのEC系販売は、2026年3月期に前年比14.0%増。2024年3月期比の取扱高は23.9%増だった。自社オンラインショップ、楽天市場店、メルカリShopsの合計であり、全国EC市場の成長率ではない。
同社のサイトでは店舗のクラブ在庫を使って販売する。店頭とネットの売上は、独立した市場を足す関係ではなく、同じ商品に届く複数の窓口になっている。2023年3月期以前のECグラフは単独サイトの範囲で、2024年3月期以降の3経路とは異なるため、古い棒とそのまま伸び率比較しない。
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| 直営店の売上構成比 | 2022年3月期 | 2023年3月期 | 2024年3月期 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 中古クラブ | 69.1% | 70.8% | 71.4% | 69.6% | 69.1% |
| 新品クラブ | 11.8% | 10.3% | 9.8% | 11.3% | 11.3% |
| リペア | 7.1% | 7.4% | 8.6% | 9.4% | 10.1% |
中古主体の会社でも、新品や修理が組み合わさっている。中古クラブ比率が約7割で安定する一方、リペアの構成比は上がっている。ただし、この比率は同社直営全店の構成であり、全国や同社EC全体の構成比ではない。比率上昇をそのまま数量増と読むこともしない。
編集部の分析として、中古は仕入れとなる買い取りの質と量が販売の前提になる。広告や価格だけで集客しても、欲しい番手・仕様・状態の商品がなければ成約しにくい。下取りによって新品購入を支え、出てきた中古品を別の人へ売る循環があるため、新品と中古を完全に別の需要とする見方には限界がある。
出典:S14 ゴルフ・ドゥ 2026年3月期 決算説明資料、S20 GDO 2024年12月期 決算説明資料(JPX掲載原本)。
14. 販路拡大には手数料と人件費も伴う
ゴルフ・ドゥの2026年4〜6月は、EC系販売が前年同期比12.9%増だった。一方、全社では増収減益となった。
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| 連結損益・2026年4〜6月 | 前年同期 | 当期 |
|---|---|---|
| 売上 | 15.84億円 | 16.13億円 |
| 粗利益 | 6.14億円 | 6.67億円 |
| 販売費・一般管理費 | 5.43億円 | 6.09億円 |
| 営業利益 | 約7,107万円 | 約5,781万円 |
粗利益は増えたものの、費用の増加がそれを上回った。同社は人手不足に対応するパート採用、決済・ECモール手数料、インドア事業の家賃・減価償却費などを説明している。したがって、この四半期をもってEC単独が減益原因と断定することも、ECの売上増だけで全社の収益改善と評価することもできない。
2026年6月末の用品店は直営26、FC42の合計68。3月末の直営24、FC45、合計69に比べ、直営が2店増えているが、4月にFCから直営への転換があった。直営店の増加を新店2店の純増と解釈しない。
15. 大手2社の利益と在庫を照合する
粗利益は売上から商品の原価を引いた残りで、そこから人件費、店舗費、物流費、広告費などを払ったものが営業利益になる。売上が増えても、この両方が悪化すれば手元の利益は減る。
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| 全社指標 | アルペン2025年6月期 | アルペン2026年6月期 | ゼビオHD2025年3月期 | ゼビオHD2026年3月期 |
|---|---|---|---|---|
| 売上 | 2,686.55億円 | 2,859.54億円 | 2,506.03億円 | 2,523.31億円 |
| 粗利益 | 1,075.64億円 | 1,130.37億円 | 976.71億円 | 950.94億円 |
| 販売費・一般管理費 | 990.48億円 | 1,044.94億円 | 906.65億円 | 927.23億円 |
| 営業利益 | 85.16億円 | 85.43億円 | 70.06億円 | 23.70億円 |
| 期末在庫 | 810.48億円 | 835.27億円 | 815.40億円 | 875.43億円 |
アルペンは粗利益が54.73億円増えたが、販管費も54.46億円増え、営業利益の増加は0.27億円にとどまった。ゼビオHDは粗利益が25.77億円減り、販管費が約20.58億円増えたため、営業利益が約46.36億円減った。元表の端数切捨てにより、差額表示と欄同士の計算に微差がある。
期末在庫は、アルペンで前年比3.1%増、ゼビオHDで7.4%増。全社売上の伸びと並べて、在庫が売上より速く増えていないかを見る。いずれもゴルフ以外を含む全社の在庫であり、「ゴルフクラブの売れ残りがこの額」と表現する根拠にはならない。
また在庫は、将来の販売に備えた意図的な確保の場合もある。増えた事実だけで不良在庫と断定せず、値下げ、評価損、次の期の粗利益・販売状況と合わせて判断する。
16. 小売の競争をどう整理するか
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| 商売の型 | 強みになる接点 | 追うべき数字・情報 |
|---|---|---|
| 新品を広く扱う大型店 | 試打、品ぞろえ、フィッティング | ゴルフ部門売上、既存店、粗利益、在庫 |
| 中古専門 | 買い取り査定、状態判断、在庫の多様さ | 買い取り、販売回転、値下げ、修理 |
| EC・モール | 全国の在庫検索、価格比較、配送 | 取扱高と売上の範囲、送料、手数料 |
| FC本部 | 仕組み・ブランド・在庫や集客の支援 | 本部収益と加盟店販売、直営転換 |
| メーカー直販 | 商品説明とブランドの接客 | 卸と直販の内訳、既存販路との関係 |
この表は編集部が事業構造を整理したもの。企業別の優劣や購買推奨を示すものではない。店舗は試打や修理の拠点、ECは探して注文する窓口となり、一つの事業が複数の型を併用している。
消費者側から見ると、新品を試して買う、中古で予算を調整する、手持ちを下取りに出す、修理して長く使うという選択肢がつながる。小売側では、その接点を増やすだけでなく、在庫と費用を含めた収益にできるかが課題になる。
17. 確認できたことと、まだ確定できないこと
確認できたのは、市場の5年の金額推計、アルペン・ゼビオのゴルフ部門の複数年、GDOの公表リテール、ゴルフ・ドゥの全社・直営・FC・ECの変化、および全社の利益と在庫である。
新品小売の足元を見る補助材料として、ゴルフ・ドゥの短信が引用するYPSでは2025年4月〜2026年3月の新品クラブ・ボール等用品類が数量97.5%、金額97.1%の前年比となる。これは同社が引用する調査対象の指標であり、全国の新品・中古・個人間売買すべての確定成長率にはしない。数量と金額の両方を確認する必要性を示す範囲で用いる。
未確定なのは、小売全経路を同じ基準で集計した2025・2026年の総額、全国の中古とCtoCを含む総流通量、ゴルフ専用EC化率、各大手のゴルフ単独利益、値上げと販売数量の寄与分解である。これらは非公表値や有料資料の未確認部分を、別の数字から埋めていない。
次の更新では、まずゼビオの四半期回復が続くか、アルペンのゴルフ増収が利益にも結びつくか、ゴルフ・ドゥのEC成長が運営費を吸収できるかを追う。現段階では将来予測を確定せず、公開された次期実績で検証できる論点として残す。
18. 計算式と丸め方
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| 計算 | 式 | 結果 |
|---|---|---|
| 用品推計2020→2024年 | (3,760÷3,170−1)×100 | +18.6% |
| 同2023→2024年 | (3,760÷3,800−1)×100 | −1.1% |
| アルペン・ゴルフ2024→2026年6月期 | (95,075÷92,913−1)×100 | +2.3% |
| ゼビオ・ゴルフ2023→2026年3月期 | (80,185÷84,072−1)×100 | −4.6% |
| GDO国内リテール2023→2024年 | (19,605÷18,909−1)×100 | +3.7% |
| ゴルフ・ドゥ直営2024→2026年3月期 | (4,784,696÷4,336,502−1)×100 | 約+10.3% |
| ゴルフ・ドゥEC2024→2026年3月期 | 123.9−100 | +23.9% |
| ゼビオHD期末在庫の増加率 | (87,543÷81,540−1)×100 | +7.4% |
営業利益率は営業利益÷売上×100。前年比の会社表示は原数値と端数処理が異なる場合があるため、公式表示を採用した箇所はそのまま残す。計算の入力値は付録に保存した。
本調査の主要金額は各社の円建て開示を使用しており、米ドルや台湾ドルを再換算する処理はない。GDOの海外を含む連結値やゴルフ・ドゥの海外子会社も、会社が円で開示した連結値である。今の為替で過年度の全社売上を再評価していない。
19. 出典と保存原本
出典は会社、取引所、調査団体等の一次資料を中心とする。公開紹介ページと公開PDFだけを使い、有料白書の本文や有料POSデータの取得・転載は行っていない。前回の調査で保存したGDO・GMACの原本は、コピー元とハッシュを記録して再利用した。
出典ID、対象、採用箇所、公式URL、原本ファイルとSHA-256を別紙データへ保存した。PDFのページは表紙を含むPDFページと資料印刷頁を区別する。例えばGDOの国内リテールは資料15頁=PDF15頁、中古ECは資料19頁=PDF19頁。短信の損益表は印刷7頁=PDF10頁となる。
- S01 GMAC ゴルフマーケットデータ2026 — 資料6頁。ゴルフ用品2020〜2024年の公表推計。
- S02 矢野経済研究所 ゴルフ用品市場調査2025年(無料発表) — 2024年推計実績・2025年予測とメーカー売上高ベースの定義。2025年10月10日。
- S03 矢野経済研究所 2026年版ゴルフ産業白書(無料紹介) — 2026年8月27日刊。市場の定義と中古調査の範囲確認。本文は未購入・未使用。
- S04 アルペン 財務ハイライト — 2022〜2026年6月期の全社財務。
- S05 アルペン 2025年6月期 決算説明資料 — 7頁の商品分類、10頁の店舗。
- S06 アルペン 2026年6月期 決算説明・中期計画資料 — 3・5・7・9・10・14頁等。全社・ゴルフ・在庫は範囲を分ける。
- S07 アルペン 第54期有価証券報告書 — 2026年9月24日提出。本文21頁の店舗形態別売上と商品分類の相違。
- S08 ゼビオHD 2024年3月期 決算発表資料 — 2・6頁。2023・2024年全社とゴルフ部門。
- S09 ゼビオHD 2025年3月期 決算発表資料 — 2・6頁。2024・2025年全社とゴルフ部門。
- S10 ゼビオHD 2026年3月期 決算発表資料 — 2・6・9・13頁。全社、部門、在庫、店舗。
- S11 ゼビオHD 2027年3月期 第1四半期決算発表資料 — 2026年4〜6月実績。2・5頁。
- S12 ゴルフ・ドゥ 2025年3月期 決算短信 — PDF10頁損益。2024・2025年連結全社。
- S13 ゴルフ・ドゥ 2026年3月期 決算短信 — PDF4・10・16頁等。後日訂正2件も併読。YPSは同社の引用として使用。
- S14 ゴルフ・ドゥ 2026年3月期 決算説明資料 — 7・9・10・22・29〜30頁。売上の内部取引込み図を外部売上と混同しない。
- S15 ゴルフ・ドゥ 2026年6月4日の短信訂正 — 潜在株式等の注記訂正。本稿の売上・営業利益金額の変更なし。
- S16 ゴルフ・ドゥ 2026年6月19日の短信訂正 — 希薄化EPSと中計進捗。連結売上62億円目標は未達に訂正。
- S17 ゴルフ・ドゥ 2027年3月期 第1四半期決算短信 — 2026年4〜6月実績。PDF4・8頁。店舗数は6月末。
- S18 GDO 2023年12月期 決算短信 — 2022・2023年全社の千円単位損益表。
- S19 GDO 2024年12月期 決算短信 — 2023・2024年全社の千円単位損益表。
- S20 GDO 2024年12月期 決算説明資料(JPX掲載原本) — 15・19頁等。国内リテールと中古EC。会社サイト旧リンクの別文書を使わない。
- S21 GDO 2025年12月期 第1四半期決算説明資料 — PDF17・21頁。国内リテールの2024・2025年1〜3月比較。
- S22 GDO 投資家の皆さまへ — 2025年9月29日上場廃止。現在の公開IRの対象範囲。
元数値と集計データ
市場の定義、全社財務、ゴルフ部門、販売経路と店舗、計算式と出典を分けた6件のデータ付録です。原本PDFの再配布は行わず、出典は公式資料へつなぎます。
出典・参考資料
- S01 GMAC ゴルフマーケットデータ2026
資料6頁。ゴルフ用品2020〜2024年の公表推計。
- S02 矢野経済研究所 ゴルフ用品市場調査2025年(無料発表)
2024年推計実績・2025年予測とメーカー売上高ベースの定義。2025年10月10日。
- S03 矢野経済研究所 2026年版ゴルフ産業白書(無料紹介)
2026年8月27日刊。市場の定義と中古調査の範囲確認。本文は未購入・未使用。
- S04 アルペン 財務ハイライト
2022〜2026年6月期の全社財務。
- S05 アルペン 2025年6月期 決算説明資料
7頁の商品分類、10頁の店舗。
- S06 アルペン 2026年6月期 決算説明・中期計画資料
3・5・7・9・10・14頁等。全社・ゴルフ・在庫は範囲を分ける。
- S07 アルペン 第54期有価証券報告書
2026年9月24日提出。本文21頁の店舗形態別売上と商品分類の相違。
- S08 ゼビオHD 2024年3月期 決算発表資料
2・6頁。2023・2024年全社とゴルフ部門。
- S09 ゼビオHD 2025年3月期 決算発表資料
2・6頁。2024・2025年全社とゴルフ部門。
- S10 ゼビオHD 2026年3月期 決算発表資料
2・6・9・13頁。全社、部門、在庫、店舗。
- S11 ゼビオHD 2027年3月期 第1四半期決算発表資料
2026年4〜6月実績。2・5頁。
- S12 ゴルフ・ドゥ 2025年3月期 決算短信
PDF10頁損益。2024・2025年連結全社。
- S13 ゴルフ・ドゥ 2026年3月期 決算短信
PDF4・10・16頁等。後日訂正2件も併読。YPSは同社の引用として使用。
- S14 ゴルフ・ドゥ 2026年3月期 決算説明資料
7・9・10・22・29〜30頁。売上の内部取引込み図を外部売上と混同しない。
- S15 ゴルフ・ドゥ 2026年6月4日の短信訂正
潜在株式等の注記訂正。本稿の売上・営業利益金額の変更なし。
- S16 ゴルフ・ドゥ 2026年6月19日の短信訂正
希薄化EPSと中計進捗。連結売上62億円目標は未達に訂正。
- S17 ゴルフ・ドゥ 2027年3月期 第1四半期決算短信
2026年4〜6月実績。PDF4・8頁。店舗数は6月末。
- S18 GDO 2023年12月期 決算短信
2022・2023年全社の千円単位損益表。
- S19 GDO 2024年12月期 決算短信
2023・2024年全社の千円単位損益表。
- S20 GDO 2024年12月期 決算説明資料(JPX掲載原本)
15・19頁等。国内リテールと中古EC。会社サイト旧リンクの別文書を使わない。
- S21 GDO 2025年12月期 第1四半期決算説明資料
PDF17・21頁。国内リテールの2024・2025年1〜3月比較。
- S22 GDO 投資家の皆さまへ
2025年9月29日上場廃止。現在の公開IRの対象範囲。