公表資料調査 · 2026年10月28日公開
ゴルフにかかる税金と税収の使い道|調査レポート
利用税の決算、課税・非課税の利用回数、地域への配分と周辺税目を原資料から確かめる。
GOLF DNA編集部 · 調査 2026年10月24日 · 10月25日追補
GOLF & PUBLIC REVENUE
プレーから生まれる税収を
全国の決算から追う
431.06 億円
2024年度 · 全国のゴルフ場利用税
2015年度比 9.3%減
税収の70%は所在市町村へ交付
調査基準日:2026年10月24日。制度史・使途の追補:2026年10月25日。ゴルフ場利用税を中心に、消費税、固定資産税、関連企業・就業者の税との関係を整理する。全国税収は総務省の2015~2024年度決算を主系列とし、2026年度の収入見込は別表に置いた。自治体では2025年度決算まで確認できた例を含める。
企業の売上を追った既存の市場調査に対して、本稿では「公表されている税収・交付金から、ゴルフが地域と国の会計にどう関わるかを追う」。日本国内の税が対象であり、海外の税収は含めない。原数値、計算式、47都道府県のデータ、制度史と使途の根拠、出典台帳は数値付録から保存できる。
1.確認できた規模と、まだ確認できていない総額
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| 項目 | 確認した数値・状態 | 読み方 |
|---|---|---|
| 全国のゴルフ場利用税 | 2024年度431.06億円 | 総務省の決算。市町村への交付前 |
| 10年の変化 | 2015年度475.38億円から9.3%減 | 2015~24年度の10点を比較 |
| 所在市町村の取り分 | 税収の70% | 2024税収に掛けると301.742億円相当 |
| 最新の国の見込 | 2026年度429億円 | 決算ではない |
| ゴルフに関わる全税目の合計 | 本調査では全国合計を確認できず | 431.06億円を全税収と呼ばない |
ゴルフ場利用税には全国の税目別決算があり、比較可能な時系列を作れる。他方、消費税や法人税は、他の事業を営む企業や取引も含む会計・税務の中で申告される。「ゴルフに関わる」という経済的な範囲と、公表税統計の集計単位は一致しない。この違いを残したまま、確認できるものを積み上げる。出典:総務省:地方税の税目別収入額及びその割合の推移(令和8年度参考資料)、総務省:令和8年度 地方税及び地方譲与税収入見込額、総務省:ゴルフ場利用税。
2.税目を分ける:利用、保有、利益、所得
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| 分類 | 主な税 | 関わる主体・場面 | 今回の数値の到達点 |
|---|---|---|---|
| ゴルフ場の利用 | ゴルフ場利用税 | プレーする利用者 | 全国決算・都道府県別・市町村の交付金を確認 |
| 商品・サービスの取引 | 消費税・地方消費税 | プレー、用品、小売、練習場等の課税取引 | 税率と控除の仕組み。全国ゴルフ分税収は未確認 |
| 資産の保有 | 固定資産税等 | 土地・家屋・償却資産の所有者等 | 津市のゴルフ場用地の評価指標を5年確認 |
| 企業の所得等 | 法人税・法人住民税・法人事業税等 | 運営、メーカー、小売等の法人 | ゴルフ分の全国税収は未確認 |
| 個人の所得等 | 所得税・個人住民税等 | 関連産業の就業者等 | ゴルフに由来する税収の切り分けは未確認 |
利用税と市町村交付金は、一つの税収の徴収と配分という関係にある。それに対し、固定資産税は資産の所有、法人税は課税所得などを捉える別の税だ。別税目だから加えてよい場合でも、年度、国・地方の移転、産業範囲が揃わなければ全国の総額にはできない。
旅行、飲食、燃料など、ゴルフの外側で生じる支出も考えられる。ただし、何割がゴルフを理由に生まれたかという帰属の判断が必要になるため、本稿の確認済み税収には算入していない。
3.年度・単位・資料の採り方
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| 資料 | 本稿で採る項目 | 単位・時間の注意 |
|---|---|---|
| 総務省・税目別収入推移 | 全国の実際の利用税収 | 年度決算。原表は百万円、本文は億円へ換算 |
| 総務省・令和8年度収入見込 | 2025・26年度の見込 | 原表は億円。2025列は当初見込 |
| 総務省・都道府県別所在状況 | 2024年度の地域別税収 | 原表は百万円。交付前の道府県税 |
| 日本ゴルフ場経営者協会(NGK) | 課税・非課税の延べ利用回数等 | 原表は千人。実際の利用月は各年度3月~翌2月 |
| 市町村の決算 | 利用税交付金、歳入総額 | 千円・円が混在。普通会計と一般会計を保持 |
| 津市・市税概要 | ゴルフ場用地の評価額・課税標準 | 原表は千円。税収ではない |
1億円は100百万円、10万千円に相当する。例えば全国43106百万円は431.06億円、市原市688438千円は6.88438億円になる。狭山市の原表は円なので、千円として扱うと1000倍の誤りになる。
全国の税収は、総務省の最新版の参考資料で2015~24年度を一括して採用した。古い年度資料と新しい資料をつなぐ方法を避けた。2025年度については自治体の決算を確認できたが、今回採用した全国の決算系列は2024年度までである。出典:総務省:令和8年度 地方税に関する参考計数資料、総務省:地方税の税目別収入額及びその割合の推移(令和8年度参考資料)、日本ゴルフ場経営者協会:2024年度 利用税等の推移。
4.税の出発点:1954年の地方財源、1989年のゴルフへの限定
1954年:施設利用への入場税を、都道府県の娯楽施設利用税に再編
1954年5月13日公布の地方税法改正は、従来の入場税の章を改め、娯楽施設利用税を設けた。改正後第75条は、舞踏場、ゴルフ場、スケート場、パチンコ・射的、マージャン・ビリヤード、釣り堀・貸船などの施設利用を対象とする。ゴルフだけを対象にした出発ではない。出典:衆議院:地方税法の一部を改正する法律(昭和29年法律第95号)。
1954年5月6日の参議院本会議の地方行政委員長報告(発言21)は、国に移管されない入場税第三種の施設利用を、道府県の法定普通税とする修正として説明する。同日の賛成討論(発言25)には、地方財源の充実と税負担の公平を評価する発言がある。ここから確認できるのは、既存の施設利用課税を地方に残す、国・地方間の財源再編という背景である。賛成討論の評価を、立法目的についての全会一致の認識とはしない。出典:国会会議録:1954年5月6日 参議院本会議。
1954年法の第77条では、料金を課税標準とするゴルフ場・舞踏場等の標準税率を利用料金の50%としていた。これは当時の制度の説明で、現在の定額課税とは異なる。現在のプレー代に50%の利用税がかかるという意味ではない。
また、1954年は「娯楽施設利用税」という前身税の創設・再編年であり、ゴルフ施設の利用が歴史上初めて課税された年と断定しない。会議録自体が、それ以前の入場税を引き継ぐ形だと説明している。
1989年:消費税導入に伴ってゴルフ場に対象を絞る
1988年12月30日公布の地方税法改正は、娯楽施設利用税をゴルフ場利用税に改め、第75条の対象をゴルフ場の利用にした。附則第1条の施行日は1989年4月1日。公布時の元号表記では昭和64年4月1日と記載されるが、実際の施行日は平成元年4月1日である。出典:衆議院:地方税法の一部を改正する法律(昭和63年法律第110号)。
2017年12月5日の参議院文教科学委員会では、うえの賢一郎財務副大臣が、1989年の消費税創設に際し、ゴルフ場と地方の行政サービスとの関係などを踏まえ、消費税との税負担を調整して制度化されたと答弁した。これは後年の政府による制度化の説明であり、1988年当時の全議論をそのまま再現する史料ではない。出典:国会会議録:2017年12月5日 参議院文教科学委員会。
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| 時点 | 確認できる変化 | 理由・位置付けの根拠 |
|---|---|---|
| 1954年 | 入場税の施設利用部分を娯楽施設利用税として都道府県に残す | 当時の公布法律と参議院委員長報告 |
| 1988年公布・1989年4月施行 | 課税対象をゴルフ場に限定、現在の名称と制度へ | 改正法律と附則。理由は後年の政府答弁も確認 |
| 現行の制度説明 | 道路・防災・廃棄物処理等との関係、利用者の担税力を挙げる | 総務省の公式説明 |
総務省の現行説明は、地域の行政サービスとの関係に加え、一般に高い利用料金を支払う利用者の負担能力も挙げる。税の始まりの背景、1989年に残した理由、現在の説明を分けると、「何のために生まれ、なぜ続くのか」が整理できる。出典:総務省:ゴルフ場利用税。
5.誰が払うのか:ゴルフ場の売上と税の預かりを分ける
ゴルフ場利用税は都道府県の普通税で、納税義務者はゴルフ場の利用者である。利用者が会計時に支払い、ゴルフ場が徴収して納める仕組みを、運営会社の売上や法人税と混同しない。
料金表示を読むときも、プレー料金と利用税を分ける必要がある。例えば利用税800円を徴収したことは、運営会社に800円のサービス売上が立ったことと同じではない。この区別は、ゴルフ場の売上規模と税収規模を並べる際にも必要になる。
総務省は、道路整備、防災、廃棄物処理などとの関係や、利用者の担税力を制度の趣旨として説明している。これは政府の制度説明として扱う。現在の利用者すべてが高所得者であるという実証結果ではなく、税負担の是非を自動的に結論づけるものでもない。出典:総務省:ゴルフ場利用税。
6.税率:800円は全国一律の実支払額ではない
地方税法第76条は、1人1日について標準税率800円、制限税率1200円を規定し、ゴルフ場の整備状況等に応じて差を設けることを認める。
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| 数字 | 意味 | 誤りやすい読み方 |
|---|---|---|
| 800円 | 法律上の標準税率 | 全施設・全利用者が必ず800円払う、ではない |
| 1200円 | 法律上の上限 | 全国平均の税額ではない |
| 300~1200円 | 埼玉県の現行区分の例 | 全国共通の下限を300円と断定しない |
| 646円 | NGK資料の2024年度の課税利用者当たり公表額 | 法定税率や全来場者の平均とは異なる |
同じ利用回数でも、どの税率区分の施設が多く利用されるかで税額は変わる。税収を課税回数だけで説明し切れない理由の一つである。出典:e-Gov:地方税法 第76条、埼玉県:ゴルフ場利用税(2026年4月1日更新)、日本ゴルフ場経営者協会:2024年度 利用税等の推移。
7.非課税と軽減:全員のプレー回数が課税対象になるわけではない
| 主な区分 | 制度上の扱い・確認点 |
|---|---|
| 18歳未満 | 非課税。年齢確認等が必要 |
| 70歳以上 | 非課税。年齢確認等が必要 |
| 障害者 | 非課税。該当する証明等を確認 |
| 学校の教育活動 | 対象となる活動・利用者等の要件がある |
| 国民スポーツ大会、所定の国際競技大会等 | 競技、公式練習等の対象要件がある |
| 自治体が定める軽減 | 年齢、競技会、時間帯等の条件は自治体の制度を確認 |
「65歳以上なら全国で非課税」「競技会はすべて非課税」という説明にはしない。全国の非課税と、自治体が設ける軽減は別に確認する必要がある。本稿では一般向けに主要区分を示し、個別適用の網羅表にはしていない。出典:e-Gov:地方税法 第75条の2、埼玉県:ゴルフ場利用税(2026年4月1日更新)。
2003年度に年齢等の非課税措置が創設されている。制度の異なる昔の税収と現在の税収を、単純な来場者の増減だけで比較するのも適切ではない。今回は同じ仕組みの下で比較しやすい直近10年度を主に扱う。出典:総務省:ゴルフ場利用税、日本ゴルフ場経営者協会:2024年度 利用税等の推移。
8.全国の税収:2015~2024年度の決算
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| 年度(決算) | 全国のゴルフ場利用税 | 前年度比 |
|---|---|---|
| 2015 | 475.38億円 | — |
| 2016 | 459.40億円 | -3.4% |
| 2017 | 447.28億円 | -2.6% |
| 2018 | 433.22億円 | -3.1% |
| 2019 | 430.75億円 | -0.6% |
| 2020 | 393.61億円 | -8.6% |
| 2021 | 444.02億円 | +12.8% |
| 2022 | 447.06億円 | +0.7% |
| 2023 | 439.51億円 | -1.7% |
| 2024 | 431.06億円 | -1.9% |
原表の税目はゴルフ場利用税、単位は百万円。本表は百万円を100で割り、億円を小数第2位まで表示する。前年度比は本稿で原数値から計算し、小数第1位に丸めた。2015年度の前年値は本稿の採用範囲外なので空欄にした。出典:総務省:地方税の税目別収入額及びその割合の推移(令和8年度参考資料)。
2015年度から2024年度の差はマイナス4432百万円、すなわち44.32億円。比率はマイナス9.323%で、表示は9.3%減である。これは2015年度と2024年度の比較であり、「毎年9.3%減った」という意味ではない。
9.10年の動きを三つの期間に分ける
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| 期間 | 決算の変化 | データから読み取れる範囲 |
|---|---|---|
| 2015→2019年度 | 475.38→430.75億円、9.4%減 | コロナ禍に入る前から減少 |
| 2019→2020年度 | 430.75→393.61億円、8.6%減 | 全国税収が大きく落ち込む |
| 2020→2022年度 | 393.61→447.06億円、13.6%増 | 2年度かけて回復 |
| 2022→2024年度 | 447.06→431.06億円、3.6%減 | 回復後の2年度は減少 |
2024年度は2019年度より0.31億円高く、ほぼ同じ水準である。一方、2015年度との比較では9.3%低い。始点をどこに置くかで印象が変わるため、単年度の前年比だけで成長・衰退を判定しない。
この表は時期を記述したもので、感染症、天候、年齢構成、コース閉鎖、税率構成などの寄与を個別に分解したものではない。原因については、次節以降で確認できる利用の内訳と分けて考える。出典:総務省:地方税の税目別収入額及びその割合の推移(令和8年度参考資料)。
10.最新の見通し:2026年度429億円は決算と分ける
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| 対象年度 | 数値の種類 | ゴルフ場利用税 |
|---|---|---|
| 2024年度 | 決算 | 431.06億円 |
| 2025年度 | 当初見込 | 418億円 |
| 2026年度 | 改正法による収入見込 | 429億円 |
2026年度の総務省資料は、2025年度の当初見込418億円に対し、2026年度は429億円、11億円増、102.6%とする。この比較は「2025年度の実際の税収から2.6%増えた」という意味ではない。分母が当初見込だからである。
見込値と決算値を一本の実績グラフにつなぐと、実際に減って増えたように見えてしまう。本稿のグラフは決算だけとし、見込はこの表に独立させる。見込値の存在は制度が現時点で継続していることとも整合するが、将来の制度変更がないことまで保証しない。出典:総務省:令和8年度 地方税及び地方譲与税収入見込額、総務省:地方税の税目別収入額及びその割合の推移(令和8年度参考資料)。
11.利用の内訳:課税回数は7.5%減、非課税回数は33.2%増
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| 年度 | 延べ利用回数 | うち課税 | うち非課税 |
|---|---|---|---|
| 2015 | 8,775.3万回 | 7,216.4万回 | 1,558.9万回 |
| 2016 | 8,578.0万回 | 7,009.9万回 | 1,568.1万回 |
| 2017 | 8,553.8万回 | 6,876.2万回 | 1,677.6万回 |
| 2018 | 8,487.5万回 | 6,685.5万回 | 1,802.0万回 |
| 2019 | 8,596.9万回 | 6,665.2万回 | 1,931.8万回 |
| 2020 | 8,134.7万回 | 6,323.5万回 | 1,811.2万回 |
| 2021 | 8,969.4万回 | 6,917.1万回 | 2,052.3万回 |
| 2022 | 9,129.0万回 | 6,982.4万回 | 2,146.7万回 |
| 2023 | 8,968.3万回 | 6,822.0万回 | 2,146.4万回 |
| 2024 | 8,750.2万回 | 6,673.4万回 | 2,076.8万回 |
NGKの原表の「千人」を、本文では利用の延べ回数として「万回」に換算した。利用者の実人数や会員数ではない。資料の注意書きでは、実際の利用月は各年度3月から翌年2月までで、県境にまたがる18場は重複して集計される場合がある。全国で重複のない個人別プレー履歴を数えた統計ではない。出典:日本ゴルフ場経営者協会:2024年度 利用税等の推移。
2015→2024年度は、総数が0.286%減、課税利用が7.525%減、非課税利用が33.222%増。非課税比率は17.76%から23.73%となった。いずれも公表された各欄を使った本稿計算である。総数と内訳の和には、原資料の丸めによる1000回単位の差がある年度もあり、整合させるための数字の書き換えはしていない。
利用税の税収を読む際は、総利用回数だけでなく、課税対象になる利用回数を見る必要がある。同時に、非課税区分の総数だけから、年齢別の寄与や税収減への因果の割合を確定することはできない。
12.課税回数×平均税額という仕組みと、その限界
同じ資料の範囲では、利用税額はおおむね「課税利用の延べ回数×課税利用1回当たりの平均税額」と考えられる。NGKの2024年度では、43101百万円÷66734千回×1000=約645.86円となり、公表平均646円と丸めが一致する。
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| NGKの同一資料内 | 2015年度 | 2020年度 | 2024年度 |
|---|---|---|---|
| 課税利用回数 | 7216.4万回 | 6323.5万回 | 6673.4万回 |
| 課税利用1回当たり公表平均 | 659円 | 631円 | 646円 |
| 同資料の利用税額 | 475.23億円 | 399.08億円 | 431.01億円 |
平均額の変化は、税率区分、軽減、利用コースの構成などを含む。平均が上がったことだけを理由に「各ゴルフ場で税率が一律に上がった」とは言えない。また、ここに総務省の別系列の税収を代入し、新しい平均額を作ることはしていない。出典:日本ゴルフ場経営者協会:2024年度 利用税等の推移。
13.資料間の差:総務省とNGKの税額を混ぜない
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| 年度 | 総務省決算 | NGK集計 | 差(総務省−NGK) |
|---|---|---|---|
| 2015 | 475.38億円 | 475.23億円 | +0.15億円 |
| 2016 | 459.40億円 | 459.28億円 | +0.12億円 |
| 2017 | 447.28億円 | 447.28億円 | +0.00億円 |
| 2018 | 433.22億円 | 433.09億円 | +0.13億円 |
| 2019 | 430.75億円 | 430.95億円 | -0.20億円 |
| 2020 | 393.61億円 | 399.08億円 | -5.47億円 |
| 2021 | 444.02億円 | 438.98億円 | +5.04億円 |
| 2022 | 447.06億円 | 446.74億円 | +0.32億円 |
| 2023 | 439.51億円 | 439.45億円 | +0.06億円 |
| 2024 | 431.06億円 | 431.01億円 | +0.05億円 |
とくに2020年度は5.47億円、2021年度は5.04億円の差があり、1百万円程度の丸めだけでは説明できない。本調査では発生理由を確定できていない。収納・報告の時間差などを原因だと推測して埋めることもしない。
したがって、全国の税収額・伸び率・都道府県比較は総務省に統一する。NGKは、同協会の集計条件に基づく課税・非課税回数と、資料内の平均額を説明するために使う。両資料の差を消して一つの確定系列と見せることはしない。出典:総務省:地方税の税目別収入額及びその割合の推移(令和8年度参考資料)、日本ゴルフ場経営者協会:2024年度 利用税等の推移。
14.2025年度の利用速報も、確報と区別する
NGKの2025年度速報は、延べ利用者数87498千人、すなわち8749.8万回。実行月は2025年3月~2026年2月である。公表された前年比は0.1%減で、比較対象の前年値は87551千人となっている。
ここで使われている前年値は、2024年度の年次表の87502千人と異なる。2025速報を2024確報で割り直すと、公表の前年比とは違う数字になる。本稿では速報の前年比は資料の比較対象とともに記録し、10年の確報表には接続しない。さらに、来場回数の速報を税収の確定値として扱わない。出典:日本ゴルフ場経営者協会:News/2025年度全国利用者数速報、日本ゴルフ場経営者協会:2024年度 利用税等の推移。
15.どこで集まるか:都道府県別の2024年度決算
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| 順位 | 都道府県 | 2024年度の税収 |
|---|---|---|
| 1 | 千葉 | 43.96億円 |
| 2 | 兵庫 | 34.35億円 |
| 3 | 茨城 | 26.43億円 |
| 4 | 静岡 | 24.66億円 |
| 5 | 埼玉 | 22.53億円 |
| 6 | 栃木 | 21.95億円 |
| 7 | 神奈川 | 16.42億円 |
| 8 | 三重 | 16.03億円 |
| 9 | 岐阜 | 15.79億円 |
| 10 | 北海道 | 15.28億円 |
千葉43.96億円、兵庫34.35億円、茨城26.43億円と、所在する都道府県によって規模が異なる。ここに載せたのは総務省の同じ2024年度決算表の上位10都道府県。全47件は数値付録に保存した。税額は交付前なので、この金額すべてが都道府県の手元に残るわけではない。
原表には「人口1人当たり税額」もあるが、これは住民人口当たりである。プレーヤー1回当たりの税額や、住民が平均して実際に払った額とは違う。本稿では、誤読を避けるためランキングを税収額だけで示した。
施設数、施設の税率区分、地域外からの来場、非課税利用などが金額に関わる。税収が多いことだけから、その県の住民が最もゴルフ好きだとは結論づけない。出典:総務省:道府県税収入等の都道府県別所在状況(令和6年度)。
16.7割交付:新しい税収が増えるわけではない
地方税法第103条により、税収の10分の7はゴルフ場が所在する市町村へ交付される。利用税を800円とした仕組みの例では、市町村560円、都道府県240円となる。
全国2024年度431.06億円に70%を掛けると301.742億円。残る30%相当は129.318億円で、合計は431.06億円である。この「約302億円」は法定割合を掛けた相当額で、市町村の交付金決算の全国合計を観測した値ではない。徴収と交付の時期や決算上の扱いを確認しないまま、同じ年度の交付決算と同額だとはしない。
とくに、431.06億円+301.742億円=732.802億円として「ゴルフ税収」と呼ぶと、同じお金を二重に数える。総務省の全国税目別表も、ゴルフ場利用税などの道府県税を交付前で掲載する旨を注記している。出典:e-Gov:地方税法 第103条、総務省:地方税の税目別収入額及びその割合の推移(令和8年度参考資料)。
17.市原市と三木市:億円単位の財源を決算で確かめる
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| 自治体・年度 | 交付金の原数値 | 億円換算 | 歳入総額 | 交付金/歳入 |
|---|---|---|---|---|
| 市原市・2024年度 | 688438千円 | 6.88438億円 | 1233.66711億円 | 0.558% |
| 三木市・2025年度 | 552901千円 | 5.52901億円 | 412.23585億円 | 1.341% |
両行は普通会計で分母を揃えた。市原市は千葉県公表の財政状況資料集、三木市は決算カードによる。年度が違うため同年度ランキングにはしない。規模の例として見る。
三木市の2025年度一般会計の歳入総額は別の資料で422.55609億円となるが、この表では普通会計の412.23585億円を使用する。分母だけ異なる会計から持ってきた比率にはしない。利用税交付金自体は、市町村の地方税収とは別の歳入科目に載っている。出典:千葉県公表:市原市 令和6年度財政状況資料集、三木市:令和7年度決算カード、三木市:令和7年度決算の概要 資料編。
市原市の同じ決算資料には固定資産税271.23647億円も載る。しかし、それは市全体の固定資産税であり、ゴルフ場の分を示した数字ではない。利用税交付金と並んでいるからといって、ゴルフによる固定資産税として加えることはできない。
18.市町村の推移:全国と同じ動きとは限らない
三木市:2023~2025年度
| 年度 | 利用税交付金 |
|---|---|
| 2023年度決算 | 5.49764億円 |
| 2024年度決算 | 5.51904億円 |
| 2025年度決算カード | 5.52901億円 |
2023年度は2024年度資料の前年度決算欄、2024年度は2025年度資料の前年度決算欄で確認した。2024年度資料の当年度列には「決算(見込)」とあるため、その列だけで確定値とはしていない。2025年度は普通会計決算カードでも確認できる。交付金は2年間で約0.6%増と、わずかに増えている。出典:三木市:令和6年度決算の概要 資料編、三木市:令和7年度決算の概要 資料編、三木市:令和7年度決算カード。
狭山市:2022~2025年度
| 年度(決算) | 狭山市への交付金 |
|---|---|
| 2022 | 3,590.5万円 |
| 2023 | 3,417.4万円 |
| 2024 | 3,129.1万円 |
| 2025 | 2,953.5万円 |
こちらは一般会計の決算。原数値は順に35905152円、34174262円、31291066円、29535297円で、3年間で17.74%減った。三木市の小幅増と同じ動きではない。原因を断定できるコース別・利用構成別の資料までは確認していない。出典:狭山市:令和4年度一般会計歳入歳出決算、狭山市:令和5年度一般会計歳入歳出決算、狭山市:令和6年度一般会計歳入歳出決算、狭山市:令和7年度一般会計歳入歳出決算。
船橋市の2025年度一般会計では、交付金3344千円、すなわち334.4万円で、前年度は325.4万円だった。億円単位の市だけが一般的な姿だと思わないための別の例である。ここで選んだ自治体は、全国の平均や代表標本ではない。出典:船橋市:令和7年度一般会計歳入歳出決算。
19.使い道の仕組み:普通税でも、活用先の公表は追える
ゴルフ場利用税は普通税であり、法律で道路、消防、ゴルフ振興などに使途を限定する目的税ではない。70%を所在市町村に交付することは配分先のルールで、交付後の事業別使途を指定するルールではない。都道府県側の30%も、税の名目だけで特定の支出へひも付くわけではない。出典:総務省:ゴルフ場利用税、e-Gov:地方税法 第103条。
その一方で、市町村が「利用税交付金をこの事業に活用する」と予算方針や事業内訳を示すことはできる。法定の使途指定、自治体の予算上の配分、公表された事業額、支出済額の決算確認を段階別に読む必要がある。普通税であることは、使い道を全く調べられないことを意味しない。
税を維持する理由として道路や防災を挙げていても、実際に使われる事業がそれだけであるとは限らない。税収と行政サービスの費用が一対一で一致することも示されていない。
20.自治体が説明する使い道:三木市と伊豆市
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| 自治体・資料の時点 | 公表している活用先 | 今回確認できた資料の段階 |
|---|---|---|
| 三木市・2024年6月更新の公式説明 | ゴルフ振興、周辺道路の補修・交通安全設備、観光発信、消防・救急車両、防災啓発、ため池改修・用排水路 | 用途の説明。事業別の充当金額・支出済決算額はこのページにない |
| 伊豆市・2026年度当初予算 | ゴルフ場周辺道路の整備、スポーツ振興など | 予算上の活用予定。事業別金額はこの欄にない |
三木市の例には、プレーヤーが使う道路に加え、地域の消防・治水・観光なども含まれる。市の公式説明として採用したが、2025年度に受け取った5.52901億円が各分野へいくらずつ配分されたかまでは、この説明だけで割り出せない。出典:三木市:ゴルフ場利用税の活用について。
伊豆市の2026年度当初予算資料PDF6頁は、普通税で使途を特定しないことを述べたうえで、周辺道路やスポーツ振興への活用予定を示す。同じ頁の下にある子ども医療費、放課後児童クラブ等の長い事業一覧は「ふるさと伊豆市寄附金」の使途であり、利用税交付金の使途一覧ではない。隣接する別財源の一覧を取り込まない。出典:伊豆市:令和8年度当初予算資料。
21.金額まで公表された例:多久市の2025年度スポーツ支援
多久市は、2026年4月1日更新の公式ページで、利用税交付金を体育協会加盟団体の活動支援に活用していると説明し、2025年度内訳を示している。
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| 補助先 | 公表額 | 主な対象活動 |
|---|---|---|
| 多久市ゴルフ協会 | 150万円 | 市民大会、各種ゴルフ教室 |
| 多久市陸上協会 | 21万円 | 栄養教室、トレーナー派遣 |
| 多久市バドミントン協会 | 15万円 | 青少年育成、競技力向上 |
| 多久市グラウンド・ゴルフ協会 | 11万円 | 地域への競技普及 |
| 東多久町スポーツ協会 | 3万円 | グラウンド・ゴルフ大会 |
| 5団体の合計(本稿計算) | 200万円 | 上記の公表事業の範囲 |
合計は150+21+15+11+3=200万円。この公表事業の中では、ゴルフ協会向けが150万円、その他4団体向けが50万円である。割合を使う場合の分母は200万円に限り、市への利用税交付金全額に対する割合と読み替えない。グラウンド・ゴルフも通常のゴルフとは別の競技として扱う。出典:多久市:令和7年度ゴルフ場利用税交付金活用事業のお知らせ。
このページは年度終了後の更新で、年度別の活動写真や内訳を掲載している。ただし、金額の欄自体は「内訳」として公表されたもので、支出命令・補助金精算・監査済み決算まで独立して突合したわけではない。本稿では「市が公表した2025年度の活用内訳」と表現する。
2024年の多久市議会だよりNo.62の決算審査付帯意見にも、交付金の一部をゴルフなどのスポーツ振興へ活用していること、納税に関わる事業者・利用者への周知を求める記述がある。少なくとも別の年度の議会資料でも、この活用の方向が説明されている。ただし、この2024年資料を、2025年度の200万円という金額の決算証明としては使わない。出典:多久市議会だより No.62:決算審査の付帯意見。
22.使途調査で分かったことと、未確認の部分
| 確認したこと | 未確認のこと |
|---|---|
| 普通税であり、全国一律の事業別使途指定がない | 全国431.06億円を道路・消防・福祉等へ配分した割合 |
| 三木市が道路・消防・治水等への活用を説明している | 三木市の最新交付金全額と各事業支出の対応 |
| 伊豆市が2026年度の道路・スポーツ向け活用予定を示す | その予定事業の最終支出済額と交付金充当額 |
| 多久市が5団体200万円の年度別内訳を公表している | 市への交付金全額の使途、補助金精算・支払記録との独立突合 |
今回確認した例は、使途の公開度が異なる3市であり、全国の代表標本ではない。自治体資料で「活用」と説明されていることと、特定の納税分をそのまま特定の支払いまで追跡できることも区別する。個別の事業に利用税以外の一般財源が混ざる場合、その事業の総額を利用税からの支出額として算入できない。
税収は地域の財源というプラス側を示すが、ゴルフに伴う行政支出や地域への純利益の算定には別の調査が要る。道路補修等を名目にしていることだけから、全税収がそれに必要だったとも、逆に別競技への活用が制度違反だとも結論づけない。
23.消費税:利用税を明確に区分した計算例
国税庁は、ゴルフ場利用税について、利用者が納税義務者であることを踏まえ、金額を請求書・領収証等で明らかにし、預り金・立替金等の科目で経理するなど明確に区分している場合は、消費税の課税標準に含めないとする。明確に区分していない場合は含まれる。
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| 項目 | 金額 | 計算条件 |
|---|---|---|
| 税抜きプレー料金 | 10000円 | 標準税率対象のサービスと仮定 |
| 消費税・地方消費税 | 1000円 | 10000円×10% |
| ゴルフ場利用税 | 800円 | 請求・経理で明確に区分と仮定 |
| 支払合計 | 11800円 | 他の料金は省いた例 |
これは実在する施設の料金表ではなく、仕組みの例である。利用税800円を消費税の課税標準に加えた11880円という計算とは条件が異なる。「利用税と消費税の両方を負担する」という論点と、「利用税そのものへの消費税」という論点を分ける。出典:国税庁 No.6313:個別消費税の取扱い。
標準税率10%は、国の消費税7.8%と地方消費税2.2%の合計である。地方分2.2%を10%にさらに上乗せしない。また、この1000円が、運営会社からそのまま全額納付される最終税額を示すわけではない。出典:国税庁 No.6303:消費税及び地方消費税の税率、国税庁 No.6451:仕入税額控除の対象となるもの。
24.なぜ、ゴルフの売上×10%を税収と呼べないか
事業者の消費税は、課税売上に係る税額から、課税仕入れ等に係る税額を控除することが基本となる。免税、非課税、輸出、還付、各種の計算制度などの扱いもあり、経済統計の売上と単純な比例関係にはならない。出典:国税庁 No.6451:仕入税額控除の対象となるもの。
| 足し方の例 | 起こる問題 |
|---|---|
| メーカー売上+卸売上+小売売上に10%を掛ける | 同じ商品の流通段階を重ねて数える |
| 税込売上にそのまま10%を掛ける | 価格に含まれる税の扱いを誤る |
| ゴルフ用品市場+ゴルフ場売上に10%を掛ける | 売上の範囲、仕入控除、対象取引等が揃わない |
| 利用税431億円に交付金302億円を加える | 国・地方間ではなく都道府県・市町村間の同一財源移転を二重計上 |
消費者が最終購入時に負担する税の規模を推計することと、税務上の実際の収納額を産業別に観測することも区別する。推計を行うなら、税抜き最終支出の範囲、税率、非課税、国内外、業界間取引の控除を明示する必要がある。今回の記事では、条件の揃わない数字を足して全国総額を作らない。
25.固定資産税の周辺:津市のゴルフ場用地を5年追う
津市の2025年度市税概要には、「土地に係る地目別概要」の中にゴルフ場用地が独立して載っている。全国の税収は出せなくても、自治体によっては土地の評価指標を複数年で追える。
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| 年度 | ゴルフ場用地の地積 | 評価額 | 課税標準額 |
|---|---|---|---|
| 2021 | 16,228,397㎡ | 139.356億円 | 95.602億円 |
| 2022 | 16,202,263㎡ | 139.106億円 | 95.439億円 |
| 2023 | 16,199,961㎡ | 139.088億円 | 95.426億円 |
| 2024 | 16,199,961㎡ | 139.469億円 | 95.195億円 |
| 2025 | 16,218,110㎡ | 139.457億円 | 95.187億円 |
2025年度は評価額13945679千円=139.45679億円、課税標準9518688千円=95.18688億円、地積16218110㎡、筆数8467である。原資料は概要調書によるもので、減免分および法定免税点未満のものを含むと注記する。
この95.19億円は「税収」ではない。土地について税額を考える基になる評価指標だ。減免等を含む集計であること、家屋・償却資産がこの行に入っていないこと、税の調定と実際の収納が別であることも踏まえる必要がある。表の値に単純に税率を掛けたものを、津市がゴルフから実際に集めた固定資産税として掲載しない。出典:津市:令和7年度 市税概要。
2025年度版は画像PDFのため、該当するPDF20頁(冊子17頁)を画像化して目視で転記した。2021~24年度の値は、前年版PDF30頁の抽出テキストとも照合した。評価額と課税標準の両列を保持し、都合のよい方を市場規模として採ることもしない。出典:津市:令和6年度 市税概要。
26.法人・就業者の税:企業の決算利益も、そのまま税収にはならない
運営会社、用品メーカー、小売、練習場、アパレル、予約・メディア、コース管理会社は、それぞれの事業に応じた課税の対象になる。ただし、企業の全社決算にはゴルフ以外の事業や海外事業も含まれることがある。
会計上の利益、課税所得、税金費用、実際に支払った税額は同じではない。連結決算の法人税等をすべて日本のゴルフ税収に算入したり、全社利益に一律の税率を掛けてゴルフ分の実税収と呼んだりしない。欠損金、税額控除、地域、会計期間等も別に確認する必要がある。
関連産業で働く人の所得税・住民税も、ゴルフが雇用を通じて税に関わる経路である。ただし、従業員数に平均給与と税率を掛けるだけでは、個人の他所得や控除等を反映した実際の税収にならない。今回、これらの全国ゴルフ分を確認できる公表集計は得られていない。
27.廃止・存続の議論:主張と確認した数字を分ける
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| 発信主体・資料 | 確認した内容 | 本稿での扱い |
|---|---|---|
| 総務省の制度説明 | 地域行政サービスとの関係、担税力に着目 | 政府の制度趣旨の説明 |
| JGAが公表した2025年4月22日の議員連盟総会 | ゴルフ振興議員連盟側が廃止に向けた取組に言及。JGAは地域連携を提案 | 会合での発言・提案として帰属を明示 |
| 全国市議会議長会 指定都市協議会の2025年11月要望 | 地域の財源として現行制度の堅持を要望 | 指定都市協議会の要望。全自治体の総意とはしない |
出典:総務省:ゴルフ場利用税、日本ゴルフ協会:JGAゴルフ振興推進本部から全国知事会に向けた連携提案書を提出、全国市議会議長会 指定都市協議会:要望書(2025年11月)。
全国431.06億円という決算は、現行制度で徴収された税額を示す。廃止した場合の差し引きの財政影響と同じではない。代替財源、プレー回数や料金の変化、地域での追加消費などを別に仮定する必要がある。
同様に、廃止すれば必ず消費が増えて税収が全額埋まるとも、431.06億円の純減で必ず止まるとも、この資料だけでは言えない。本稿の役割は政策の賛否を決めることではなく、議論の土台となる現在の財源、その配分、長期変化を示すことにある。
28.今回の到達点と、次に必要なデータ
今回確認できたのは、①利用税の全国10年決算、②2026年度の最新見込、③47都道府県の同年度決算、④自治体交付金の規模と一部の複数年推移、⑤課税・非課税の利用回数、⑥ゴルフ場用地の複数年の評価指標である。
| さらに知りたい問い | 必要になる追加資料 |
|---|---|
| 税収減のうち、年齢構成の影響はいくらか | 同じ集計条件の年齢別・税率別・課税区分別の時系列 |
| ゴルフ由来の固定資産税の全国額 | ゴルフ場用地・家屋・償却資産の税額、減免、収納を揃えた自治体集計 |
| 消費税・法人税まで含む全国合計 | 最終需要と企業・税目の対応、移転や流通重複を除く統計設計 |
| 地域への差引き効果 | 税収・交付金に加え、関連行政支出、雇用、域外需要等 |
| 税廃止による純財政影響 | 代替財源と行動変化を含む比較可能な政策試算 |
「公表資料で確認できなかった」と「税収が存在しない」は別である。現時点では利用税431.06億円を確認済みの中心に置き、他の税をゼロとすることも、裏付けのない合計を置くこともしない。
29.保存資料と再検算の方法
数値付録は、全国系列、都道府県別、自治体・土地評価、税の対応表、計算式、出典台帳の6ファイルで構成する。原単位、年度、決算・見込・速報の区分、出典の該当頁、丸め差を残した。出典台帳には採用した一次資料35件の公式参照先と保存原本のハッシュを記録している。
原本は公式の公開PDF・HTML・法令APIを保存した。NGKの2件は、同日の先行調査で保存した原本を再利用し、ハッシュ一致を確認している。文字抽出の文字コード差や画像PDFは、取得失敗と本文抽出の問題を区別した。画像PDFの転記を自動抽出済みであるようには扱わない。
税収の原表とグラフは総務省、利用の内訳はNGK、市町村交付金は各自治体の決算という役割を維持する。同じ版の数値を再計算すれば、単位換算と比率を再現できる構成とした。研究用プレビューは未公開であり、今回の確認から本番公開を自動で行うものではない。
元数値と集計データ
全国の税収・利用回数、47都道府県、自治体交付金・使途と土地評価、制度史・税の対応表、計算式、出典の6件を保存できます。決算・見込・速報、課税標準と税収を分け、総務省と業界集計の差も残しています。原本PDFの再配布は行わず、公式の参照元へつなぎます。
出典・参考資料
- 総務省:地方税の税目別収入額及びその割合の推移(令和8年度参考資料)
PDF1・14~16頁。2015~24年度決算、百万円。交付前の道府県税。
- 総務省:令和8年度 地方税及び地方譲与税収入見込額
PDF2頁。2025年度当初見込と2026年度改正法による収入見込、億円。
- 総務省:道府県税収入等の都道府県別所在状況(令和6年度)
PDF4頁。47都道府県の2024年度決算、百万円。
- 総務省:令和8年度 地方税に関する参考計数資料
資料の版と個別PDFの所在を確認。
- 総務省:ゴルフ場利用税
納税者、普通税、標準・制限税率、非課税、7割交付。政府の制度趣旨説明と事実を区別。
- e-Gov:地方税法 第76条
税率。標準800円、上限1200円、施設状況等による差別税率。
- e-Gov:地方税法 第103条
所在市町村へ税収10分の7を交付。
- e-Gov:地方税法 第75条の2
18歳未満・70歳以上・障害者と証明等。
- 埼玉県:ゴルフ場利用税(2026年4月1日更新)
現行実例300~1200円/人日。非課税と軽減の適用条件。
- 国税庁 No.6313:個別消費税の取扱い
2026年4月1日現在。利用税を明確区分する場合の消費税課税標準。
- 国税庁 No.6303:消費税及び地方消費税の税率
2026年4月1日現在。標準税率10%の国7.8%・地方2.2%。
- 国税庁 No.6451:仕入税額控除の対象となるもの
2026年4月1日現在。売上に係る税額から仕入れに係る税額を控除する仕組み。
- 千葉県公表:市原市 令和6年度財政状況資料集
PDF1~2頁。普通会計、利用税交付金688438千円。固定資産税総額はゴルフ分ではない。
- 三木市:令和6年度決算の概要 資料編
PDF4頁。2023年度決算549764千円。2024列は見込と記載。
- 三木市:令和7年度決算の概要 資料編
PDF4頁。前年度2024の決算551904千円を確認。一般会計。
- 三木市:令和7年度決算カード
PDF1~2頁。2025年度普通会計、交付金552901千円、歳入41223585千円。
- 船橋市:令和7年度一般会計歳入歳出決算
2026年10月23日更新。2024・25年度の利用税交付金、千円。
- 狭山市:令和4年度一般会計歳入歳出決算
2022年度交付金35905152円。
- 狭山市:令和5年度一般会計歳入歳出決算
2023年度交付金34174262円。
- 狭山市:令和6年度一般会計歳入歳出決算
2024年度交付金31291066円。
- 狭山市:令和7年度一般会計歳入歳出決算
2025年度交付金29535297円。
- 津市:令和7年度 市税概要
PDF20頁・冊子17頁。ゴルフ場用地の2021~25年度評価額・課税標準。税収ではない。目視転記。
- 津市:令和6年度 市税概要
PDF30頁。2021~24年度の土地欄を前年版でも照合。
- 日本ゴルフ協会:JGAゴルフ振興推進本部から全国知事会に向けた連携提案書を提出
2025年4月24日公表、4月22日の自民党ゴルフ振興議員連盟総会。廃止を目指す議員連盟の発言とJGAの地域連携提案を区別。
- 全国市議会議長会 指定都市協議会:要望書(2025年11月)
PDF5頁・冊子3頁。2026年度地方税制等に関し現行制度堅持を求める要望。全自治体の総意とはしない。
- 日本ゴルフ場経営者協会:2024年度 利用税等の推移
PDF2頁。2015~24年度の課税・非課税延べ利用回数、同協会の税額・平均額。全国税収本文は総務省系列。
- 日本ゴルフ場経営者協会:News/2025年度全国利用者数速報
2025年度87498千人、比較対象の前年87551千人、前年比マイナス0.1%。確報との直接接続を避ける。
- 衆議院:地方税法の一部を改正する法律(昭和29年法律第95号)
前身の娯楽施設利用税、第75条・第77条。ゴルフ・舞踏・スケート・ぱちんこ等を対象。
- 衆議院:地方税法の一部を改正する法律(昭和63年法律第110号)
ゴルフ場利用税への再編、第75・76条と附則第1条。1988年公布、1989年4月施行。公布文中は昭和64年と表記。
- 国会会議録:1954年5月6日 参議院本会議
地方行政委員長・発言21で入場税第三種を道府県普通税とする修正を説明。発言25は賛成討論として地方財源を論じる。
- 国会会議録:2017年12月5日 参議院文教科学委員会
発言214・うえの賢一郎財務副大臣。1989年の制度化を行政サービスとの関連と負担調整から説明する後年の政府答弁。
- 三木市:ゴルフ場利用税の活用について
2024年6月1日更新。道路、消防、治水、観光、ゴルフ振興という自治体の用途説明。事業別金額の決算表ではない。
- 伊豆市:令和8年度当初予算資料
PDF6頁。利用税交付金は周辺道路・スポーツ振興に活用予定。隣のふるさと納税使途一覧と区別。
- 多久市:令和7年度ゴルフ場利用税交付金活用事業のお知らせ
2026年4月1日更新。5団体の2025年度公表内訳150・21・15・11・3万円。独立監査による支出済決算の確認とはしない。
- 多久市議会だより No.62:決算審査の付帯意見
PDF5頁。2024年の決算審査で、交付金の一部をスポーツ振興に活用することと、その周知を説明。2025年度額の決算証明ではない。