同じ 座標データでも、 機器に よって 前後左右の 正負が 逆に なる ことは ある?
座標系・データ互換
まず答え
あります。座標の正負は、どちら向きをX・Y・Zの正方向に定義したかで決まるためです。同じ物理的な動きでも、機器や解析ソフトの座標系・符号規約が違えば、同じ方向がプラスとマイナスで逆表示されることがあります。数値を比べる前に、原点・軸方向・右手系/左手系・角度の正方向をそろえる必要があります。
詳しい解説
座標値の「プラス」「マイナス」は、動きそのものに固定された意味ではありません。最初に座標系をどう置いたかで決まります。例えば目標方向をX軸の正方向にする機器と、反対方向をX軸の正方向にする機器があれば、同じ移動でもXの符号は逆になります。
光学式モーションキャプチャーのQualisysは、校正用L-frameでグローバル座標系の原点と軸を定め、設定でX・Y・Z軸の向きを変更できると公式資料で説明しています。また、計測後にも座標系を回転・平行移動して別の向きへ変換できます。Viconの公式資料でも、校正時にグローバル座標系の原点とX・Y・Z方向を定義します。つまり、同じ3次元位置でも座標系が違えば各成分の値や符号は変わります。
角度も同様です。Qualisysはオイラー角の回転順序や規約を設定できるため、同じ姿勢データでも、どの軸回りをどの順番・方向で正とするかが違えば角度値の読み方が変わります。したがって「+10°」という数字だけを見て、別システムの「+10°」と同じ動きだと決めることはできません。
ゴルフ計測でも符号規約は明示されています。TrackManはクラブパスやフェース角について、目標線より右をプラス、左をマイナスとして表示すると説明しています。別の機器や自作解析が逆向きを正としていれば、同じショットでも符号が逆になる可能性があります。
機器間で比較するときは、①原点、②各軸がどちらを向くか、③右手系か左手系か、④回転角の正方向、⑤右打ち・左打ちで符号を反転する仕様があるか、を先に確認します。必要なら一方の座標を回転・反転して同じ基準へ変換してから比較します。「符号が逆だから測定が間違い」とは限らず、座標定義の違いを最初に疑うのが適切です。