ゴルフ百科事典

盛土した場所は、完成後に沈んでコース形状が変わることがある?

造成・地盤

あとで読む保存した記事へ →

まず答え

あります。盛土やその下の地盤が十分に締まっていないと、施工後に圧縮・圧密が進み、特に場所ごとに沈み方が違う「不同沈下」で勾配や排水、グリーン・ティー周辺の形状が変わることがあります。

詳しい解説

盛土は、施工が終わった瞬間に完全に動かなくなるわけではありません。土の粒子の間に空隙が多かったり、盛土の下に軟らかい地盤があったりすると、時間の経過や雨、機械・車両の荷重などで土がさらに密になり、地表が沈むことがあります。

盛土自身の圧縮や下地の圧密などで、施工後に沈下する場合があります。図は沈下に場所ごとの差が生じる例で、必ず中央が沈むという意味ではありません。土質・締固め・含水・下地の状態を合わせて確認し、表面の高さや排水勾配への影響を見ます。実際の層構成、沈下量や経過時間を示す設計断面ではありません。

米国連邦道路局(FHWA)の盛土施工資料では、盛土材を適切な厚さの層ごとに敷き、含水状態を管理しながら締め固めることが、完成後の変形を抑えるために重要だとされています。締固め不足や材料のばらつきがあると、場所によって沈下量が変わる可能性があります。

ゴルフ場では数センチの形状変化でも影響が出る場所があります。たとえば排水勾配が緩い区域で一部だけ沈めば水たまりができやすくなり、ティー面やグリーン周辺で不同沈下が起これば、本来意図した傾斜や排水方向が変わることがあります。カート道や排水管の周囲では段差や局所的なくぼみとして現れる場合もあります。

ただし、盛土は必ず問題になるわけではありません。適切な材料を使い、層ごとに十分な締固めを行い、必要に応じて軟弱地盤の処理や施工後の沈下を見込んで設計すれば、変形リスクは抑えられます。大規模な高盛土では、工事中や完成後に沈下量を観測して確認する方法もあります。

つまり完成後の沈下は、盛土量そのものより、材料、締固め、含水状態、下地盤、施工の均一性で決まります。コース形状を長く保つには、仕上げの造形だけでなく、その下の土工品質が重要です。