濡れた グリーンでも、 予定どおりローリングしていい?
ローリング・管理タイミング
まず答え
必ずしもよくありません。根域が飽和して表面が軟らかい時や、芝が強いストレスを受けている時は、ローリングで機械的な傷みが増えることがあります。時刻を固定するより、表面の水分・硬さ・気温・芝の状態を見て実施、延期、回数削減を判断します。
詳しい解説
ローリングはグリーンを滑らかにし、ボールの転がりを伸ばすための有効な管理作業ですが、毎朝予定どおり行えばよいわけではありません。芝面の水分や硬さ、気温、芝の健康状態によって、同じローラーでも負担が変わります。
USGAは、根域が飽和しているグリーンではローリングを避けるよう勧めています。湿って軟らかい面は機械の荷重で変形しやすく、ローラーの旋回部などでは擦れや圧迫による傷みが出やすくなります。実際、USGAの事例では湿った条件で重いローラーがグリーン端に筋や折れを残した例もあります。
暑さや高湿度で芝が弱っている時も、管理負荷は調整します。USGAは高温多湿下のウェットウィルト対策として、刈高を上げ、刈込みとローリングの頻度を減らすことを勧めています。一方、暑熱期に刈込みを休み、軽いローリングへ置き換えて速度と滑らかさを保つ運用も紹介されています。つまり『暑い日は必ずローリングを中止』でも『刈込みの代わりなら必ず安全』でもありません。
低温時にも注意が必要です。USGAが紹介した試験では、凍結条件の朝にスズメノカタビラ(annual bluegrass、Poa annua)のグリーンをローリングすると芝品質が低下し、朝の土壌温度が氷点下の時に傷害リスクが高まりました。霜が見えるかどうかだけでなく、根域の温度も判断材料になります。
したがって、ローリングの実施時刻や順番に全国共通の固定解はありません。表面が十分に支持できる硬さか、根域が飽和していないか、極端な高温・低温ストレスがないかを確認し、必要なら延期、回数削減、刈込みとの入れ替えを行います。目的は『予定を消化すること』ではなく、芝を傷めず必要な転がりを作ることです。