5kgの クラブベルを 使う 揺さぶり練習で、 初心者の 骨盤と 胸郭の 減速タイミングは 変わる?
キネマティックシークエンス・練習介入
まず答え
2025年の初心者男性24人による4週間の比較試験では、5kgのクラブベルを使った反応性神経筋トレーニング群で、骨盤と胸郭の最大角速度が現れる時点がダウンスイング中盤寄りへ早まりました。ただし、初心者男性と特定の器具・練習内容に限った結果で、全ゴルファーに同じ変化が起きるとは言えません。
詳しい解説
反応性神経筋トレーニング(RNT)は、外からあえて揺さぶる力を加え、身体がその乱れに反応して動きを整える練習です。An JongSeongの2025年研究では、ゴルフ経験1年以下の男性24人をRNT群12人と対照群12人に分け、4週間にわたり7番アイアンのフルスイング練習を行いました。RNT群だけが、5kgのクラブベルを使う前後・左右・ハンマー方向の揺さぶり課題を追加しました。
スイングはK-Vestで骨盤・胸郭・手首の角速度を計測し、ダウンスイング全体のどこで最大角速度に達するかを比較しました。練習前は骨盤と胸郭の最大角速度がダウンスイング終盤に集中していましたが、4週間後のRNT群では、骨盤はおおむねダウンスイングの80〜90%、胸郭は85〜95%付近へ早まり、対照群より中盤寄りへ移りました。研究では骨盤と胸郭の減速タイミングの変化が有意と報告されています。
同じRNT群では、7番アイアンのキャリーが対照群より伸び、骨盤と手首の最大角速度にも改善がみられました。ただし、この研究だけで「減速を早めたから飛距離が伸びた」と因果の一本道を確定することはできません。RNT群はクラブベル課題という追加練習も行っているため、器具そのもの、揺さぶり刺激、追加練習量のどれがどこまで効いたかは分離されていません。
したがって、この結果は「初心者では、外乱を利用した練習で骨盤・胸郭の加速と減速のタイミングが変わり得る」という根拠として使うのが適切です。上級者に同じ5kgを使う、骨盤を意図的に80〜90%で減速させる、といった固定処方にはしません。実際に使うなら、打点・球筋・キャリーと身体各部の順序を一緒に見て、その人に良い変化が出ているかを確認します。