ゴルフ百科事典

冬に閉鎖していた地域で、ゴルフ場の営業期間が長くなるのは気候変化の影響?

気候変動・営業期間

あとで読む保存した記事へ →

まず答え

影響している可能性はあります。長期的な温暖化で霜や積雪、厳しい低温の日が減れば、冬でもプレーできる日が増える方向に働きます。ただし暖冬は同時に冬の降雨や病害を増やす場合もあり、1つのゴルフ場で営業期間が伸びた理由を気候変動だけに断定することはできません。

詳しい解説

冬季閉鎖が多かった地域で営業できる期間が長くなる背景には、長期的な気候変化が関わっている可能性があります。特に、これまで凍結・積雪・低温でコースを開けられなかった地域では、冬の平均気温が上がり、霜や雪の日が減るほど「物理的にはプレーできる日」が増えやすくなります。

R&AのGolf Course 2030は、英国で平均気温の上昇と霜の日数の減少が進んでいることを示し、長い生育期間や芝の成長期間の変化をゴルフ場管理上の重要な影響として扱っています。Met Officeも、英国では1961〜1990年と比べて近年の霜の日数が大きく減り、将来も冬の気温上昇と霜日の減少が見込まれるとしています。こうした変化は、以前なら凍結や積雪で閉鎖していた日の一部を営業可能日に変える方向に働きます。

ただし、暖かい冬がそのまま「営業しやすい冬」になるとは限りません。R&Aは英国の冬が平均的に暖かくなる一方で、降水量が増えて地面の飽和や冠水が起こりやすくなる可能性も示しています。霜が減っても、フェアウェイやグリーンが長期間ぬかるめば、芝やを傷めないために閉鎖する日が増えることがあります。暖冬で芝の成長や病害の発生時期が変わり、管理作業が増える場合もあります。

また、ある年だけ営業期間が長かったからといって、それを気候変動の証拠とは言えません。積雪量や雨量、排水性能、、営業方針、冬季の人員配置などでも営業日数は変わります。気候変動の影響を判断するなら、10年単位の気温・霜・積雪・降雨の変化と、実際の閉鎖理由や営業日数を並べて見る必要があります。

つまり、寒冷地では温暖化が営業可能期間を長くする方向に働くことはありますが、その効果を冬の多雨や極端気象が打ち消す場合もあります。「暖かくなったから必ず営業期間が伸びる」ではなく、低温・雪の減少と、雨・土壌飽和など別の制約を同時に見るのが正確です。