芝が 薄くなった 場所で 虫を 見つけたら、 虫害と 判断していい?
芝害虫・診断
詳しい解説
芝が薄くなった場所で昆虫を見つけても、その虫が被害の原因とは限りません。ゴルフ場の芝には多くの昆虫が生息し、芝をほとんど傷めない種類もいます。また、黄化や薄化は乾燥、根の病害、線虫、栄養障害、季節的な生育低下などでも起こります。
USGAの現地事例では、バミューダグラスの薄化がライグラスからの移行不良に見えたものの、詳しく調べると根を食べる幼虫が多数確認された例があります。逆に、芝面で虫が見つかったという事実だけでは、その個体数が被害を出す水準か、実際に根や葉を食べているかまでは分かりません。
診断では、まず症状と害虫の食害様式が一致するかを見ます。白い幼虫類は根を食べるため芝が乾燥したように薄くなることがあり、ケラ類(mole crickets)は土中をトンネル状に掘って根を切り、芝面に小さな盛り上がりを作ることがあります。ソッドウェブワームの幼虫は葉を食べ、葉先がぼろぼろになった薄い芝面を作ります。
虫を確認する方法も種類で変わります。USGAの現地調査では、ケラ類やソッドウェブワームの確認に石けん水を使ったソープフラッシュが利用され、地中の白い幼虫ではカップカッターなどで根域を持ち上げて確認しています。症状だけで薬剤を選ぶより、実際の害虫を確認してから対策を決める方が誤診を減らせます。
さらに、見つけた数と場所も重要です。少数の虫がいるだけで芝面全体へ処理が必要とは限りません。被害が広がっている場所、過去に繰り返す場所、グリーンなど品質要求が高い場所では早めの対応が必要になる一方、軽微な発生なら監視を続ける判断もあります。
したがって虫害診断は、①症状を見る、②食害様式と一致する害虫を確認する、③数と分布を調べる、④乾燥・病害・線虫など別原因を切り分ける、という順で行います。「虫がいた=原因」とは決めません。