砂主体の グリーンで 「CECが 低い」とは、 何を 意味する?
根域・土壌化学
まず答え
CEC(陽イオン交換容量)が低いとは、土壌がカリウム・カルシウム・マグネシウムなどの陽イオンを保持して交換できる容量が小さいという意味です。砂主体で有機物が少ない根域では低くなりやすいですが、CECが低いだけで芝が不健康と決まるわけではありません。土壌分析と芝の需要を見て、必要な養分を過不足なく補います。
詳しい解説
CECは「陽イオン交換容量」のことで、土壌が正の電荷を持つ養分を保持し、植物が利用できる形で交換できる容量を表します。ゴルフグリーンで関係する代表的な陽イオンには、カリウム、カルシウム、マグネシウムなどがあります。
砂は粘土や有機物に比べて養分を保持する交換サイトが少ないため、砂主体で有機物の少ない根域はCECが低くなりやすいです。USGAの資料では、有機物が少ない砂質土のCECは非常に低い範囲になりやすいと説明され、近年のUSGA Green Section RecordでもCECは『土壌が養分を保持する能力を数量化するもの』として扱われています。
ただし、CECが低いこと自体を欠陥とは考えません。パッティンググリーンの砂主体根域は、排水性・通気性・締まりにくさを確保するために設計されており、低いCECはその材料特性と同時に現れることがあります。CECが低いからといって、肥料を一度に多く入れればよいわけでもありません。
実際の施肥では、土壌分析で各養分が不足しているかを確認し、芝の生育量や刈草量、季節、根域の状態を合わせて判断します。砂主体のグリーンでは、窒素などを少量ずつ頻繁に施す『少量分割施肥』が使われることがあります。これは芝の生育を必要以上に増やさず、溶脱の可能性を抑えながら必要量を供給する考え方です。
つまりCECは『この土壌がどれだけ養分を抱えておけるか』を見る一つの物差しです。高いほど常に良い、低いほど悪いという評価ではなく、根域の物理性、土壌分析、芝の実際の反応と合わせて読むのが適切です。