ゴルフ百科事典

湿度が高いと空気は重くなる?ゴルフボールの飛び方はどう変わる?

空力・湿度/空気密度

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まず答え

同じ気温・気圧なら、湿度が高いほど空気の密度はわずかに低くなります。水蒸気は乾燥空気の主成分より分子量が小さいためです。空気密度が下がると抗力も小さくなるので、ボールはやや飛びやすい方向に働きます。ただし影響は条件依存で、雨やボール表面の水分とは別に考えます。

詳しい解説

「湿度が高い=空気が重い」と感じやすいですが、気体としての水蒸気を含む空気は、同じ気温・気圧なら乾いた空気よりわずかに密度が低くなります。NASAの技術資料では、水蒸気の密度は乾燥空気の約60%で、湿った空気は同じ温度・圧力の乾いた空気より少し低密度になると説明されています。

この違いは、空気を構成する分子の重さから生じます。水蒸気H2Oの分子量は約18で、乾燥空気の平均分子量は約29です。同じ圧力と温度で水蒸気の割合が増えると、平均的に軽い分子へ置き換わるため、空気密度は下がります。気象学では、この効果を含めた密度を扱うために「仮温度(virtual temperature)」が使われます。

ゴルフボールへの影響は空力です。NASAの抗力式では、抗力は空気密度に比例します。ほかの条件が同じなら密度が低いほど抗力は小さくなり、飛行中の減速は弱くなります。揚力も空気密度の影響を受けるため、実際のキャリー変化は抗力だけでは決まりませんが、一般には低密度の空気はボールが飛びやすい方向に働きます。

ただし、相対湿度だけを見て固定の飛距離補正を置くのは適切ではありません。相対湿度は気温によって同じ数値でも実際の水蒸気量が変わり、空気密度は気温・気圧・標高の影響も同時に受けます。実戦で補正するなら、湿度だけでなく気温と気圧も一緒に見る必要があります。

また「湿度が高いこと」と「雨・でボールやフェースが濡れていること」は別です。前者は空気密度の話で、後者は接触時の摩擦やボール表面の状態まで変えます。湿度の空力効果だけを、濡れたコンディション全体の効果と同一視しないのが安全です。