7番アイアンでは、 骨盤回旋や 足首の 蹴りに 関わる 筋肉の 連携タイミングは クラブヘッド速度と 関係する?
筋シナジー・クラブヘッド速度
まず答え
関係が確認されています。プロ10人・アマ10人の7番アイアンを調べた研究では、骨盤回旋と足関節底屈に関わる2つの筋シナジーで、筋活動がピークになる時刻とクラブヘッド速度に有意な相関がありました。ただし、特定の時刻に合わせれば速度が上がるという因果は示していません。
詳しい解説
ゴルフスイングでは、1つの筋だけが独立して働くのではなく、複数の筋がまとまって活動する「筋シナジー」として協調します。Lee、Roh、Parkの研究では、男性プロ10人とアマチュア10人が7番アイアンを各10回振り、27筋の筋電図、動作、地面反力などを同時に計測しました。
解析では、プロ・アマ双方に共通する筋シナジーとして、骨盤回旋に関わるパターンと足関節底屈に関わるパターンが抽出されました。骨盤回旋シナジーではダウンスイング中のピーク活動時刻とクラブヘッド速度に有意な相関(r=-0.64、p=.006)があり、足関節底屈シナジーでもフォロースルー中のピーク活動時刻とクラブヘッド速度に有意な相関(r=-0.67、p=.009)がありました。
重要なのは、筋肉の組み合わせそのものを多く作ることより、共有されている動員パターンをいつ強く使うかという時間調整が技能と速度に関わる可能性が示された点です。この研究は、プロ・アマに共通する協調パターンの時間調整に注目しています。また、個人に特有の筋シナジーや、アマチュア群に限ってみられた筋シナジーも報告されています。「プロにしかないパターンは一切なかった」という結果ではありません。研究者は、共有されるパターンの時間調整と個人ごとの適応が技能に関わると解釈しています。
ただし、この研究は男性20人の横断研究で、示されたのは相関です。ピーク時刻を意図的に早めたり遅らせたりすればクラブヘッド速度が上がることを直接証明していません。7番アイアン以外、女性、高齢者、痛みのあるゴルファーへ同じ関係をそのまま一般化することもできません。
実用上は、筋電図や動作計測を使う場合、特定の筋を単独で強く使わせるより、骨盤回旋や足首の動きとクラブヘッド速度がどのタイミングで連動しているかを確認する材料として使うのが適切です。