砂質の グリーンは、 年数が 経っても 排水性能は 変わらない?
土壌・根域・排水
まず答え
変わります。10年間追跡したUSGA仕様グリーンの研究では、浸透速度は約71〜75%低下しました。ただし適切な目砂と更新管理を続けた試験では、10年後も地域の降雨・散水量に対して十分な浸透性能を保っていました。
詳しい解説
砂主体の根域で造ったグリーンは排水性が高いのが特徴ですが、完成時の性能がそのまま何十年も固定されるわけではありません。芝が育つにつれて表面には根・茎などの有機物が増え、目砂の細粒分も蓄積し、根域の物理性は変化します。
Lewisらの2010年の一次研究では、USGA仕様で造ったクリーピングベントグラスの実験グリーンを最長10年間追跡しました。砂とピートの根域では現地浸透速度が1年目の0.61m/時から10年目の0.15m/時へ、砂・ピート・少量の土を含む根域では0.55m/時から0.16m/時へ低下しました。低下率はそれぞれ約75%、約71%です。
同じ期間に、表層では毛管孔隙が増え、空気孔隙が減り、細かい目砂と有機物を含むマット層が発達しました。研究者は、こうした表層の変化が浸透速度低下に関係した可能性を示しています。つまり「砂だから詰まらない」のではなく、使い続ける中で表面から性質が変わっていきます。
一方、この研究では10年後の浸透速度も約0.15〜0.16m/時を保ち、試験地の降雨や散水量を処理するには十分でした。研究区では、生育量に合わせた軽い目砂を10〜14日間隔で行い、年2回のコア更新と重い目砂も組み合わせていました。USGAも、成熟したグリーンの寿命を延ばすには、排水と孔隙を維持し、表層有機物の蓄積を管理することが重要だとしています。
したがって、古い砂質グリーンで排水が悪くなったからといって、年数だけを理由に全面改修が必要とは限りません。浸透速度、孔隙率、有機物量、根域断面を実測し、表層管理で改善できる問題なのか、排水管や根域そのものの改修が必要なのかを分けて判断します。