睡眠時間が 足りていても、 普段より 数時間早い スタートだと 判断力は 落ちる ことがある?
睡眠・概日リズム
まず答え
あります。睡眠時間だけでなく、体内時計の時刻も眠気・注意・判断に影響します。普段よりかなり早い時間は、十分寝ていても本人の体内時計ではまだ夜に近く、認知機能が普段より低い場合があります。
詳しい解説
早朝スタートで考えるべきなのは「何時間寝たか」だけではありません。人の注意や判断には、起きてからの経過時間とは別に約24時間の体内時計による変動があります。
Santhiらは健康な成人34人(男性16人、女性18人)を、睡眠・覚醒の時刻を体内時計から意図的にずらす強制脱同調実験で調べました。これにより、直前の睡眠、起きてからの時間、体内時計の位相を分けて認知機能への影響を解析しています。その結果、眠気、気分、課題に必要な努力感には明確な概日変動があり、正確さや処理速度などの認知指標にも体内時計の影響が確認されました。特に生物学的な夜から早朝にかけて成績が悪化する指標がありました。
つまり、前夜に必要な睡眠時間を確保していても、普段7時に起きる人が4時に起きて早朝ティーへ向かう場合、時計上は起きていても体内時計側は普段の活動時間へ十分移行していないことがあります。起床直後には睡眠慣性と呼ばれる一時的なぼんやりも加わり、判断・注意へ影響し得ます。
一方、これはゴルフの番手選択やコース戦略を直接測った研究ではありません。また影響の大きさには個人差があり、朝型・夜型、普段の起床時刻、光を浴びる時刻などでも変わります。「早朝なら必ず判断力が落ちる」とまでは言えません。
実用上は、早朝ラウンドで普段と違うミスが増える場合、睡眠時間だけを確認せず、起床時刻とスタート時刻も記録します。大事な競技で極端に早いスタートが分かっているなら、数日前から睡眠と起床を少し前へ寄せる方が、前夜だけ早寝するより体内時計とのずれを減らしやすくなります。