ゴルフ百科事典

芝に鉄を入れるのは、窒素と同じように成長させるため?

施肥・微量要素/鉄

あとで読む保存した記事へ →

まず答え

同じ目的ではありません。鉄は葉緑素形成などに必要な微量要素で、不足時の黄化改善や葉色を濃くする目的で使われます。窒素のように大きく葉の伸長を促す目的ではないため、過度な葉の成長を増やさず色を整えたい場面でも使われます。ただし、不足していない芝へ多く入れても品質が比例して上がるわけではありません。

詳しい解説

鉄も窒素も芝に必要な養分ですが、管理上の役割は同じではありません。

窒素は芝が比較的多く必要とする主要養分で、葉や茎の成長量へ強く影響します。対して鉄は必要量が少ない微量要素で、葉緑素の形成、光合成、窒素代謝などに関わります。鉄が不足すると若い葉を中心に黄化が出ることがあります。

ゴルフ場では、鉄が不足している場合の補給だけでなく、葉の伸びを大きく増やさずに緑色を濃くしたい目的で鉄を使うことがあります。Penn Stateの芝草施肥資料も、鉄は窒素のような過剰な葉の成長を促さず色を濃くする目的で使われる例を挙げています。

ただし、鉄は「色を濃くする万能剤」ではありません。USGAは、微量要素の不足自体が比較的まれで、必要のない養分を追加しても芝への利益が小さい場合があると説明しています。また、根域のpHが高いと鉄が植物に使われにくくなり、中に鉄があっても黄化が起こる場合があります。

したがって、芝が薄い色だからといって窒素か鉄を見た目だけで選ぶのではなく、生育量、症状の出方、根域pHや必要に応じた分析を合わせて原因を判断します。