スイング中の バランスとは?
バランス・姿勢制御
まず答え
スイング中のバランスは、身体とクラブが高速で動く中でも、足元から得る地面反力や身体重心・足圧中心の位置関係を調整し、倒れたり意図しない踏み直しをせずに動作を続けられる状態を指します。重心を動かさないこととは違います。
詳しい解説
スイング中のバランスは、身体とクラブが動いている最中に支持を保ちながら、狙った動作を成立させる能力・状態を指します。静止していることではなく、身体重心(COM)、足圧中心(COP)、左右脚の地面反力などを時間とともに調整する動的な制御です。
ゴルフスイングでは身体もクラブも大きく加速するため、重心やCOPは自然に動きます。そのため「頭や重心が動かないほどバランスが良い」「左右の足圧が常に50:50なら安定している」とは判断できません。
Choiらはプロ12人、アマ13人、初心者10人のゴルフスイングを3次元動作計測と左右のフォースプレートで測定し、COMとCOPの位置関係や変化速度を比較しました。技能群によって一部のCOM-COP指標に差があり、熟練度の違いは単純な重心移動量ではなく、動く身体に対して足元をどう調整しているかにも現れました。
BallとBestは46人のゴルファーのCOP移動を調べ、スイング中の足圧移動には複数のパターンが存在し、多くのゴルファーがクラブを替えても自分に特徴的なパターンを使うことを報告しました。つまり、全員に共通する一つの理想軌跡があるとは言えません。
実用上は、スイング中のバランスを①意図しない足のずれや踏み直し、②COMとCOPの関係、③左右脚の地面反力、④打点や出球、⑤フィニッシュまでの収まり、で合わせて見ます。ある程度大きく重心を動かしていても結果が安定している場合があり、逆に見た目が静かでも必要な力を出せていない場合があります。
したがって、バランスは「動かないこと」ではなく、動きながら支持を保つこととして評価します。単一のCOP軌跡や左右荷重比を全員共通の正解にはしません。