ゴルフ百科事典

ゴルフクラブの「有効質量」って何?ヘッド重量と同じ?

衝突・有効質量

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まず答え

は、インパクト位置が衝突方向に対してどれだけ「動きにくい質量」として働くかを表す考え方で、ヘッド重量そのものではありません。重心から外れた場所では回転が起きやすく有効質量が小さくなり得ますし、実際のクラブではシャフト側の質量や拘束も影響します。

詳しい解説

クラブヘッドの重量は、はかりで測れる静的な質量です。一方の有効質量は、ボールが当たったその場所が衝突方向にどれだけ慣性を示すかを、衝突モデル上の質量として表したものです。同じヘッドでも、当たる場所や慣性モーメントが違えば有効質量は変わり得ます。

有効質量は、衝突方向の打点の慣性を質量として表すモデル上の概念です。図は自由な剛体に力を与える簡略例で、上は力の作用線が重心を通り、下は外れるため回転も生じます。黒丸は重心で、ブロックは実ヘッドの上面形状ではありません。全質量が同じでも打点と回転慣性で応答は変わり、実クラブでは球・フェース・シャフト等も関係します。矢印は実測の力や回転量ではありません。

Rod Crossの剛体衝突モデルでは、が重心軸から離れるほど衝突によってクラブが回転しやすくなり、その打点で見た有効質量は小さくなります。つまり、単にヘッドが何グラムあるかだけでなく、「どこに当たり、その方向へヘッドがどれだけ回転しにくいか」がボールへのに関わります。

Crossのパター実験では、ヘッド質量が150gの試験パターでも、中央付近の衝突から求めた有効質量は約206gでした。著者は、スチールシャフトの質量が衝突時の有効質量へ寄与したためと説明しています。これは、有効質量をヘッド単体重量の別名として扱えないことを示す例です。

また、佐藤らはゴルフクラブヘッドの質量と3次元の慣性特性を使った剛体衝突モデルで、フェース上の反発特性の分布を実験と比較しました。慣性特性によって、フェース上で高い反発を得やすい領域が変わることを示しています。

ただし、有効質量だけで実際のを決めることはできません。実クラブではフェースとボールの変形、反発特性、シャフトの曲げ、クラブ速度、打点なども同時に関わります。有効質量は「ヘッド重量」ではなく、衝突位置と慣性特性を含めて運動量伝達を考えるための指標として使うのが適切です。