ゴルフの 「骨盤ライン」って 何?
アドレス・身体アライメント
あとで読む保存した記事へ →
詳しい解説
ゴルフでいう「骨盤ライン」は、アドレス時に骨盤がどちらを向いているかを表すための基準線です。ただし、見た目の腰の線をそのまま使うのではなく、計測では左右のどの解剖学的な点を結ぶかを決めて初めて数値として比較できます。
Langdownらの2013年研究では、技能の異なる20人のゴルファーがミドルアイアンで10〜15球を打ち、13台のカメラによる3次元動作計測でアドレスを解析しました。骨盤の基準には左右の上前腸骨棘(ASIS)のマーカーを使い、スタンスに対する骨盤のアライメントを「骨盤がスタンスに対してどれだけオープン/クローズか」という相対角で評価しました。肩との相対アライメントも別に算出しています。
骨盤ラインは、骨盤の左右傾斜や前後傾、スイング中の骨盤回旋とは区別します。左右ASISを結ぶ線が目標線に対してどちらを向くかを見ることと、片側の腰が高い・低いこと、トップやインパクトで骨盤が何度回ったかは同じ指標ではありません。また、研究や機器によって基準点や投影面が違えば数値も変わり得ます。
この研究では、高技能群が低技能群より骨盤ラインのばらつきまで一律に小さいとは確認されず、技能差が有意だったのは主にスタンスに対する肩のアライメントでした。したがって「骨盤ラインは全員この角度が正解」とする根拠にはなりません。
実用上は、①左右のどの点を骨盤ラインとしたか、②ターゲットライン・足ライン・肩ラインのどれを基準にした角度か、③同じクラブ・同じショット条件かをそろえて比較します。骨盤ラインだけを特定角度へ固定するより、同じ意図のショットで本人の向きがどれだけ再現し、打点・出球・クラブ軌道とどう結び付くかを見るのが適切です。